この夏2回目の熱波が訪れているフランス。40℃超えの予報が出ている中、フランス電力会社(EDF)は、猛暑の影響でフランス南部にあるゴルフェッシュ原発2基を23日から一時停止すると発表した。
『ル ポワン』の報道によると、EDFは「環境的制約のための停止」だと伝えている。ガロンヌ川の水位が低く、水温も高すぎて冷却が出来ない状況にあるというのだ。
原子炉の上流でガロンヌ川の水温が27度を超えており、2006年に設定された28度という水温の限界を超える可能性がある。 1980年代に建設されたオクシタニ州で唯一の原子力発電所の再稼働は、暑さが続く週末までは不可能なはずだと関係者は伝えている。...
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『ル ポワン』の報道によると、EDFは「環境的制約のための停止」だと伝えている。ガロンヌ川の水位が低く、水温も高すぎて冷却が出来ない状況にあるというのだ。
原子炉の上流でガロンヌ川の水温が27度を超えており、2006年に設定された28度という水温の限界を超える可能性がある。 1980年代に建設されたオクシタニ州で唯一の原子力発電所の再稼働は、暑さが続く週末までは不可能なはずだと関係者は伝えている。
ゴルフェッシュ原子力発電所の2基が同時に停止したのは今回が初めてとなる。しかし、『ル モンド』によると、 ローヌ川沿いの14基の原子炉も今後数日間で同じ運命を迎える可能性があるという。
『ル モンド』は次のように報道している。「EDFは水温制限に適合するために特定の原子炉での生産を停止または削減することを環境規制によって強いられている。 川沿いにある原子力発電所の運転では、川の水は、タービンに供給する二次回路の蒸気を冷却するために使用されてから川に排出される。」
「しかし、この水は川の環境バランスを崩さないように一定の温度を超えてはならない。各発電所には、地理的、技術的または環境的な特徴に配慮した制限が定められている。」
同紙によると、フランスは夏の間は電気生産量が消費量を上回っており、近隣諸国へも輸出している状況であり、今回の一時停止は電力生産への影響はわずかだという。 過去10年間の熱波による生産ロスは生産量の0.3%に相当する。
しかし『Orange』は、原子力発電所と猛暑は相性が悪いという問題を指摘している。度重なる熱波や干ばつによって河川の水位や流速が遅すぎるなどの水の問題は、生産上の制約に加えて安全上の制約にもなっている。
放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は「2018年には、運転を妨げたり原子炉の安全性を危うくしたりするような低流量現象はなかった」と説明している。しかし雨量の少なかった去年の冬の後、川の状態はどうなのだろうか? EDFは、「今のところその懸念はない」と保証している。
エネルギー移行省によると、地球温暖化に伴い、フランスの河川の平均流量は2050年から2070年までに現在と比較して10から40%減少すると予測されている。これは、農業用、家庭用、工業用、エネルギー用などの水の使用で利益相反の増大が予想されることは間違いない。
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