5月29日付米
『AP通信』は、「スリランカ新首相、政府反発の若者の統治機構への参画を呼びかけ」と題して、反政府暴動の鎮静化を図って、5月半ばに就任したばかりの新首相が、政府反発の若者を取り込むべく新たな政策を発表したと報じている。
スリランカの新首相は5月29日、経済破綻に伴って陥った政治危機を回避すべく、政府反発の若者が統治機構に参画できる政治改革案を提示した。
5月9日の暴動事件の責任を取って辞任した前首相を引継いだ、ラニル・ウィクラマシンハ第25代首相(73歳、1993~1994年第13代、2001~2004年第17代、2015~2019年第21代首相を歴任)が公表したもので、現職大統領の権限を縮小して議会に移管する憲法改正案を審議する一環で、議員・若者・専門家をメンバーとした複数の議会特別委員会を立ち上げるとする政治改革案である。...
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5月29日付米
『AP通信』は、「スリランカ新首相、政府反発の若者の統治機構への参画を呼びかけ」と題して、反政府暴動の鎮静化を図って、5月半ばに就任したばかりの新首相が、政府反発の若者を取り込むべく新たな政策を発表したと報じている。
スリランカの新首相は5月29日、経済破綻に伴って陥った政治危機を回避すべく、政府反発の若者が統治機構に参画できる政治改革案を提示した。
5月9日の暴動事件の責任を取って辞任した前首相を引継いだ、ラニル・ウィクラマシンハ第25代首相(73歳、1993~1994年第13代、2001~2004年第17代、2015~2019年第21代首相を歴任)が公表したもので、現職大統領の権限を縮小して議会に移管する憲法改正案を審議する一環で、議員・若者・専門家をメンバーとした複数の議会特別委員会を立ち上げるとする政治改革案である。
同首相は、“若者は政治システムの変革を求めていて、かつ、現状何が問題となっているか等を知りたがっていることから、15の議会特別委員会を設けて各々4人ずつの若者代表に加わってもらう提案である”と表明した。
多くの若者を中心とした対政府抗議活動が、大統領府の周辺で50日余りも続いている。
彼らは、最悪の経済危機を引き起こしたとして、ゴーターバヤ・ラージャパクサ第8代大統領(72歳、2019年就任)及びその親族閣僚の責任を追及し退陣を求めている。
更に、1948年に英国から独立以来、これまでの政治トップが、経済的にも政治的にも危機に陥るような間違った統治をしてきたとして、抜本的な政治改革を要求している。
すなわち、独立後の45年間、時の大統領が大きな権力を掌握するシステムとなってきているが、ラージャパクサ現職大統領は2019年就任以来、大統領権限を益々強化すべく憲法改正を実施してきていた。
かかる背景もあって、若者を中心とした抗議活動は、スリランカが対外債務弁済不履行に陥り、調理用燃料・ガソリン・医薬品等必要物資が手に入らない状況になっていることから、首都コロンボやその他都市の住民まで巻き込んでほとんど毎日実施されている。
経済危機に喘ぐ同国の外貨準備高は激減し、目下は2週間分の必要物資輸入代金相当分しか保有していない。
政府発表では、今年期限を迎える70億ドル(約8,890億円)の弁済を一時停止している。
また、2026年までに弁済が必要な債務額は250億ドル(約3兆1,750億円)で、外貨建債務総額は510億ドル(約6兆4,770億円)にも上るという。
なお、5月9日に政府支援者が抗議活動グループに襲い掛かったことで暴動が広がり、議員を含めた9人が犠牲、閣僚の住宅等が放火されている。
この暴動を契機に、ラージャパクサ大統領の実兄であるマヒンダ・ラージャパクサ第24代首相(76歳、2019~2022年在任)が引責辞任に追い込まれていた。
同日付インド『NDTV』(1988年開局の民放TV)は、「スリランカ新首相、大統領及び内閣が議会に説明責任を果たすよう仕向ける政治改革を提案」として、大統領及び内閣の暴走を許さない体制とする政治改革案を提示したと報じた。
ウィクラマシンハ新首相は5月29日、大統領及び内閣がもっと議会に対して説明責任を義務付けるよう、憲法を改正する提案を準備していると語った。
スリランカでは、過去に前例のない金融危機に伴い、各地で反政府運動の暴動が発生しており、今月、ラージャパクサ首相及び全閣僚が退陣に追い込まれている。
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インドは昨年6月、国家の主権と安全保障に対する脅威を理由に、TikTok、WeChat、Helloといった広く利用されているソーシャルメディアプラットフォームを含む59の中国のモバイルアプリケーションを禁止した。今回、インド政府は同様の理由で、新たに54の中国製アプリを禁止したことを明らかにした。
インドの
『NDTV』と
『インディアTV』によると、インド電子・情報技術省は14日、国の安全保障に脅威を与えるという理由で54の中国製アプリを禁止したと発表した。同省は、「54のアプリは、様々な重要な権限を取得し、機密性の高いユーザーデータを収集しているとされている。これらの収集された実時間データは悪用され、敵対国にあるサーバーに送信されている」と声明で述べている。
禁止されたアプリは、「Sweet Selfie HD」「Beauty Camera」「Viva Video Editor」、「Garena Free Fire」、「Viva Video Editor」、「Tencent Xriver」、「Onmyoji Arena」、「AppLock」、「Dual Space Lite」などである。...
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インドの
『NDTV』と
『インディアTV』によると、インド電子・情報技術省は14日、国の安全保障に脅威を与えるという理由で54の中国製アプリを禁止したと発表した。同省は、「54のアプリは、様々な重要な権限を取得し、機密性の高いユーザーデータを収集しているとされている。これらの収集された実時間データは悪用され、敵対国にあるサーバーに送信されている」と声明で述べている。
禁止されたアプリは、「Sweet Selfie HD」「Beauty Camera」「Viva Video Editor」、「Garena Free Fire」、「Viva Video Editor」、「Tencent Xriver」、「Onmyoji Arena」、「AppLock」、「Dual Space Lite」などである。
インド政府は昨年6月にすでに59の中国系アプリを禁止し、その後9月には、「インドの主権と一体性、インドの防衛、国家の安全、公共秩序を害する」として、さらに118の中国製モバイルアプリを禁止した。インドは、2020年5月の中国との国境紛争以来、321のアプリをブロックしてきた。
中国は、中国製モバイルアプリの禁止を継続していくというインドの決定に反対し、世界貿易機関(WTO)の無差別原則に違反していると反論している。
インドのニューデリーに拠点を置く地政学・戦略問題の研究コンサルタント、パシクリット・ペイン氏は米『エポックタイムズ』に対し、「インドは、経済のデジタル化が進み、中国製アプリや中国製通信機器が脅威となっているため、サイバーセキュリティをより真剣に考えるようになっている」と語っている。
今週追加で禁止されたアプリは、モバイルゲームからビデオチャット、自撮りカメラアプリまで多岐にわたる。なお、今回の命令で禁止された最も人気のあるアプリは、シンガポールのゲーム大手「Sea」が所有するバトルロイヤルシューティングゲームの「Free Fire」で、同社の筆頭株主は、中国のハイテク大手テンセントである。
ニューデリーに拠点を置くシンクタンク「中国分析戦略センター」の研究員アビシェク・ダーベイ氏は、米『エポックタイムズ』の取材に対し、インド政府が2020年から禁止したアプリの多くが、インド市場向けに別の会社でリニューアルされたり、名前を変えられたりしてリブランディングされていたことを明らかにした。ダーベイ氏は、「中国は巨大な消費者人口を背景に、あらゆる抜け道を使ってインド市場に侵入している」と述べている。
一方で中国では、フェイスブック、ツイッター、グーグルを含む多くの欧米のウェブサイトやプラットフォームが禁止されている。ダーベイ氏は、「中国は外国のソーシャルメディアアプリやその他のモバイルアプリを中国国内に受け入れていない。あらゆる形の監視やスパイ活動から自分たちをより安全に保つためだ。中国共産党政府は、国民が世界と何らかの形でコミュニケーションをとることを望んでいない。政府が課している規制はすべて国内で非常に厳格に守られており、党はいかなる種類の情報交換の機会を与えないことにより、内部の安全を保証している」という。
中国は、急成長するインド市場に参加し、コントロールしたい一方で、自国の市場は独占したいのだとダービー氏は述べている。
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