2月28日の
『ロイター』によれば、波乱のスタートを切ったトランプ米大統領は演説で経済計画の詳細な説明や、より融和的な発言をするかどうかが焦点だ。世界の金融市場はトランプ米大統領が税制改革、インフラ支出の増加、規制緩和をどう実行するかに注目している。ホワイトハウス関係者によると、この演説では激戦となった米大統領選挙と米大統領就任後初期の段階で分裂した米国の統一に向けたいくつかのメッセージがある予定だ。リアル・クリア・ポリティクスにがまとめた最新の世論調査の平均では、トランプ米大統領の支持率は平均約44%と、米国の新大統領としては低い。1月20日の米大統領就任演説で米国の暗い影を描き、「米国の大虐殺」に言及したトランプ米大統領は先週、ロイター通信に対し今回の演説は楽観的なスピーチになると述べた。2月28日の
『MarketWatch 』によれば、2月27日夜の段階で演説の内容はまだ作成中とのことだ。
「ロイター」、「MarketWatch」によればトランプ米大統領の議会演説での注目点は主に次の5つが挙げられる。
1.移民
トランプ米大統領は国境警備の強化、退役軍人の待遇改善を含む公安問題に演説の力点を置く予定だとショーン・スパイサー米報道官は2月27日の午後に述べた。また7カ国からの訪問者への入国制限と新たな移民に関する指針についての発表は予定に無く。また、大統領が考えている移民に関する立法案も無いとのことだ。またスパイサー米大統領報道官は「移民や国境の安全保障へのコミットメントと、それが国家の安全保障だけでなく、経済にどのような影響を与えるか述べるだろう」と語った。
2.医療保険制度
バラク・オバマ前米大統領の署名した医療保険制度(オバマ・ケア)のトランプ米大統領による改正案は明らかにされていない。オバマ・ケアを廃止し置き換える方法を見つけようとする共和党の努力は、下院による新法案が保険医療費を削減しないとしている党保守派の抵抗に遭っている。
3.税制改革・貿易
個人や企業に対する減税案の内容はまだ説明されていない。国際貿易協定の再交渉の戦略が不明だ。
4.インフラストラクチャー整備
米国の道路や橋を作り替える計画に伴う支出の急増をどうまかなうかまだ説明していない。
5.防衛費の大幅な増加
防衛費の大幅な増加を計画しているが、それは非防衛部門の連邦政府機関の予算を相殺で削減することが必要で、議会での反対に直面する可能性がある。
2月28日の
『CNBC』によれば12日間連続で上昇してきたNY株式市場のダウ平均も、2月28日、米大統領演説待ちでの様子見と、発表された重要な経済指標の結果から反落した。「投資家は米大統領演説のニュースで株を売る可能性がある」、「投資家は噂で買っているので、トランプ米大統領が市場の望んでいるものを提供しない場合、これまでの買いが売りに回るだろう」と、50パーク・インベストメンツのアダム・サルハン最高経営責任者は語った。
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