国連食糧農業機関(FAO)の最新の発表によると、世界の食料価格は12ヶ月連続で上昇しており(5月は前年同月比39.7%)、2011年9月以来の高水準となっている。国際通貨基金(IMF)の発表によると、世界の食料価格は、新型コロナウイルスのパンデミックによるサプライチェーンの混乱と輸送コストの高騰が原因で、数年来の高値にまで上昇しているという。
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『インディア・タイムズ』によると、IMFは、2021年は国際的な食料価格が2020年に比べて約25%上昇しているが、今年の後半には安定すると予想している。一方で、世界最大の食料輸入国である中国が食糧危機に直面することも懸念されている。
食品価格のインフレは、実際にはパンデミックの前から始まっていた。2018年の夏、世界最大の豚肉生産国である中国がアフリカ豚コレラの大流行に見舞われ、中国で飼育されていた豚の多くが殺処分された。...
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『インディア・タイムズ』によると、IMFは、2021年は国際的な食料価格が2020年に比べて約25%上昇しているが、今年の後半には安定すると予想している。一方で、世界最大の食料輸入国である中国が食糧危機に直面することも懸念されている。
食品価格のインフレは、実際にはパンデミックの前から始まっていた。2018年の夏、世界最大の豚肉生産国である中国がアフリカ豚コレラの大流行に見舞われ、中国で飼育されていた豚の多くが殺処分された。これにより、中国の豚肉価格は2019年半ばまでに史上最高値を記録し、世界の多くの地域で豚肉やその他の動物性タンパク質の価格に波及した。さらに、米中貿易摩擦の中で、中国が米国の豚肉と大豆に輸入関税を導入したことも影響した。
その後パンデミックが発生し、食品サプライチェーンの混乱、外食などのフードサービスから食料品小売へのシフト、消費者の備蓄などにより、多くの国で消費者の食品価格指数が上昇した。一次産品の需要が途絶えたため、食料やエネルギーを含む一次産品の生産者価格が急激に低下していたにもかかわらず、消費者食品インフレは2020年4月にピークに達した。
米『MBNC』によると、FAOが6月3日に発表したレポートによると、5月の平均食料価格指数は127.1ポイントで、4月から4.8%上昇し、2020年5月から39.7%上昇した。また、2011年2月のピーク時の137.6を7.6%下回っている程度となっている。
指標のうち、穀物価格指数の5月の平均値は前月比で6.0%、前年同月比で36.6%上昇した。主要穀物の中では、トウモロコシの価格が最も上昇し、前月比8.8%、前年同月比89.3%と、2013年1月以来の高水準となった。小麦は前月比6.8%、前年同期比28.5%の上昇となった。ロシアは直ちに、インフレ抑制のために食料品の輸出をさらに制限するという警告を発した。ロシア政府は、食品価格の上昇が続く中、砂糖や小麦粉などの主食の国内コストにすでに上限を設けている。
フィナンシャル・タイムズ紙は6月3日に、中国の穀物・大豆需要の急増が、世界の食料価格高騰の主な原因のひとつであると報じた。加えて、ブラジルでの深刻な干ばつや、バイオディーゼルを生産するための植物油の需要増も価格上昇の要因となっている。
中国税関総署によると、5月の中国の穀物および穀物粉の輸入量は前年同月比143.9%増となった。1月から5月までの穀物および穀物粉の輸入量は前年同期比190.5%増だった。そのうち、トウモロコシは前年同期比322.8%増、小麦は同88.9%増だった。大麦とソルガムの輸入量はそれぞれ139.1%、237%の増加となった。
昨年の中国の累積食料輸入量は1億4,262万トンで、前年比27.97%増となっている。昨年の中国の累積食料輸入量は1億4,262万トンで、前年比27.97%増だった。トウモロコシと小麦の輸入量はそれぞれ1,130万トン、838万トンと過去最高を記録し、前年比で135.7%、140.2%の伸びを示した。
中国が2020年に発表した報告書によると、第14次5カ年計画期間(2025年)末までに、中国では約1億3,000万トンの食糧が不足する可能性があり、そのうち約2,500万トンが穀物であるという。
米国を拠点とする中国の対外貿易と中国投資戦略の専門家であるマイク・サン氏は、中国は、今後数年間は食糧危機に陥らないかもしれないが、長期的には隠れた危険があると述べている。同氏は、中国は現在、主にトウモロコシや大豆などの飼料用穀物を大量に輸入している。また、食用の小麦も輸入している。短期的には、国内の穀物配給に加えてある程度の蓄えがあるので、中国の食料供給は問題ないだろうと説明している。しかし、長期的には、輸入への長期的な依存は、不測の事態や大災害が発生したときに、食糧危機を引き起こす可能性が高いと指摘している。
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