家庭用遺伝子検査キットの使用に専門家が警鐘(2019/10/17)
遺伝情報や病気リスクが調べられる市販の遺伝子検査が人気だが、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルによると、拡大解釈や誤った結果が出る場合も多く、今後の健康に関して明確な情報が欲しくて使用する気持ちは理解できるとしながらも専門家は警鐘を鳴らしている。
10月16日付英国
『BBC』は「遺伝子検査:専門家が家庭用検査キットに警鐘」との見出しで以下のように報道している。
サウザンプトン大学のチームがブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに寄稿した調査論文によると、家庭で行う遺伝子検査の結果は信頼できるものではなく、結果により治療を決めてはいけないと遺伝子学者は警鐘をならしている。検査が誤った認識や間違った不安につながるという。
この調査は、NHSによる遺伝的審査や親族の病歴や健康上のリスク要因の検査でなく、いわゆる消費者直販の遺伝子検査に関してである。...
全部読む
10月16日付英国
『BBC』は「遺伝子検査:専門家が家庭用検査キットに警鐘」との見出しで以下のように報道している。
サウザンプトン大学のチームがブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに寄稿した調査論文によると、家庭で行う遺伝子検査の結果は信頼できるものではなく、結果により治療を決めてはいけないと遺伝子学者は警鐘をならしている。検査が誤った認識や間違った不安につながるという。
この調査は、NHSによる遺伝的審査や親族の病歴や健康上のリスク要因の検査でなく、いわゆる消費者直販の遺伝子検査に関してである。
調査を行ったイギリス遺伝子医学会長のAnneke Lucassen教授は、ネットや店頭で販売される遺伝子検査で健康状態を判断し、治療や精密検査の判断材料にしてはいけないと述べる。ガンのリスクに繋がる欠陥遺伝子を持っているという誤った検査結果が出て、受診した患者を診てきたのだという。多くの場合 詳細よりも広範囲を重視した結果を出すようになっている。
一方、検査キットを販売する「23andMe」は、検査により多くの場合、患者の精密検査や予防治療に効果が挙がっているとする。検査プロセスは、非常に正確だと主張。
乳がんや卵巣がんのリスクの確率は数千ケースある。ある特定の遺伝的変異体を調べる場合、非常に高い確率で言い当てるという。これは医療機関との連携をサポートするもの。結果を持って医者に行き、確認検査を処方され、予防的治療に繋がった多くの実例があるという。
しかし専門家は、患者の好奇心だけで進めるべきでないという。多くの医者のもとへ、市販の検査結果を持って患者が受診し、「この検査結果をどういう意味にとればよいか」と質問するのだという。販売会社の中には、自分たちで必要なアドバイスやフィードバックをせずに、こうして医者に聞くようにアドバイスする所もある。医者に医者に時間を取らせ、NHSのリソースを使う。検査で利益を得ている企業の責任で行うべき。DNA情報を民間企業に渡すのも、個人や家族のプライバシー問題への懸念を高めるだろう。
10月17日付アイルランド『Irish News』(Independent)は「市販遺伝子検査に専門家が警鐘」との見出しで以下のように報道している。
市販の遺伝子検査は間違いである事があると専門家は警鐘を鳴らす。遺伝子検査では、自分の祖先(アイルランド系の血が入っているか)や病気にかかるリスク(ガンなど)、パーソナリティに関する情報、身体的能力、子どもの才能などが調べられるという。
ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルで専門家は、はっきりした結果を知りたいと検査キットを購入する人へ、データは複雑でケースバイケースだと指摘する。「偽陽性(誤検出)が発生する可能性があり、全く心配のない場合でも誤検出をする場合もあり、陽性の結果が出た人が、関連の病気を発症しないケースが殆どだ。遺伝子データは複雑で、容易に誤った解釈に繋がりやすい。」という。遺伝子検査キットを買う人は、はっきりした結果が出るのを見ることを期待している。この期待から市場やメディア報道が過熱し、使用者が検査結果を拡大解釈するリスクが生じているのだという。
閉じる
EU、新型電気自動車に車両の接近を知らせる装置の搭載を義務化(2019/07/01)
欧州連合(EU)圏内では、歩行者保護のため、7月から新型の電気自動車に対し、低速走行中にエンジン音を出す、車両接近通報装置の搭載が義務付けられる。
6月30日付英国
『BBC』は「電気自動車:安全上の理由で新型車には警告音装備へ」との見出しで以下のように報道している。
7月1日施行のEU新基準では、新型電気自動車には警告音装置をつけなければいけない。低公害車の走行音が静かすぎ、車が接近したことに気づきにくい歩行や自転車へに危険が及ぶとの懸念によるもの。4輪駆動の新型車両全てに、時速19キロ未満で後進中や走行中に従来型のエンジン音が鳴る車両接近通報装置(AVAS)の搭載が義務付けられる。...
全部読む
6月30日付英国
『BBC』は「電気自動車:安全上の理由で新型車には警告音装備へ」との見出しで以下のように報道している。
7月1日施行のEU新基準では、新型電気自動車には警告音装置をつけなければいけない。低公害車の走行音が静かすぎ、車が接近したことに気づきにくい歩行や自転車へに危険が及ぶとの懸念によるもの。4輪駆動の新型車両全てに、時速19キロ未満で後進中や走行中に従来型のエンジン音が鳴る車両接近通報装置(AVAS)の搭載が義務付けられる。EUは、運転車は必要な時に停止することも可能ではあるが、バック走行や減速走行している時が、歩行者との接触の危険が最も高くなる状況であるとしている。
エコカーの接近が音で判断しにくいと訴えてきた盲導犬協会は、この改正を評価しつつも、速度制限なく警報装置を作動すべきだとしている。
イギリスでは、2021年より新型車のみならず、全ての電気自動車にこの装置が義務付けとなる。英政府、2040年までにガソリン、ディーゼル車両の販売を禁止すると発表している。5月の新型車に占めるエコカーの割合は6.6%で、昨年同月の5.6%より増加。
同日付英国『Independent』は「歩行者の安全のため、新型低騒音車に車両接近通報装置の搭載義務化へ」との見出しで以下のように報道している。
道路上の他者を考慮し、全ての新型電気自動車に車両接近警報音装置が義務付けとなる。歩行者や自転車が低騒音の電気自動車の接近に気づきにくいとの懸念により、EUが新基準を設けた。これにより4輪駆動の新型車に従来型のエンジン音装置が義務付けとなる。
「地球の友」(米国環境保護圧力団体)が発表した新調査では、イギリスが2050年までに温室効果ガスをゼロにするという目標を達成するには、2030年までに全ての自動車を電気自動車にしなければならないとしている。また目標達成には、車両での移動を20%削減し、航空機移動を18%削減する必要があるとしている。
閉じる
その他の最新記事