ウォルマートの最近の動向:雇用環境改善とEコマース対応(2017/03/15)
世界最大の売上高と世界最大の雇用者数を持つ民間企業であるウォルマートの雇用環境改善、Eコマースでの競合と対応について以下のニュースで取り上げている。
3月14日、マサチューセッツ州のローカルニュースサイトの
『MASSLIVE.com』は、3月13日にウォルマートが勤務する店舗の第4四半期業績に応じてマサチューセッツ州の非正規従業員8,000人にボーナス160万ドルを支給すると報じている。これは、米国内の850,000人の非正規従業員に支払われるボーナス1億5700万ドルの一部である。米ウォルマートの第4四半期の売上高は、対前年同期比1.8%増で、2016年中で最高となった。...
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3月14日、マサチューセッツ州のローカルニュースサイトの
『MASSLIVE.com』は、3月13日にウォルマートが勤務する店舗の第4四半期業績に応じてマサチューセッツ州の非正規従業員8,000人にボーナス160万ドルを支給すると報じている。これは、米国内の850,000人の非正規従業員に支払われるボーナス1億5700万ドルの一部である。米ウォルマートの第4四半期の売上高は、対前年同期比1.8%増で、2016年中で最高となった。通年では米ウォルマートの非正規従業員は7億ドル以上のボーナスを支給される。ウォルマートは非正規従業員の能力開発プログラムを実施しているが、マサチューセッツ州の2,397人を含む全米で200,000人以上の非正規従業員を昇給、昇格させた。またマサチューセッツ州の1,285人を含む全米で150,000人以上の非正規従業員が、パートタイムからフルタイムに転換された。こうした非正規従業員への利益分配とボーナスは、非正規従業員に対する賃金に関するウォルマートへのここ数年の大衆による抗議や批判を受けてのものである。 2014年1月15日の
『MASSLIVE.com』はその内容を以下の通り報じている。米連邦政府はウォルマートに対し、低賃金の苦情を訴えた非正規従業員を解雇したことにつき労働法に違反するとして起訴した。米労働関係委員会は、全米最大の小売業者であるウォルマートが、賃金と労働条件について苦情を訴える適法な活動に参加した米14州の60人以上の非正規従業員を不法に解雇、懲戒または脅したと述べている。
一方、2月21日に発表されたウォルマートの第4四半期決算ではEコマースの売上が前年同期比29%増と好調だった。3月14日の
『Fortune』によればウォルマートは最近、ジェット・コム、ムースジョー、シューバイ等のEコマース企業の買収を積極的に手がけているが、ウォルマートの合併・買収戦略は、消費者の選択肢をオンラインに拡大することで、これまでにない新しい顧客層を開拓し、電子商取引の販売を強化することに重点を置くものだ。この結果、直近の四半期においてウォルマートのオンライン販売は前年同期比29%増加した。数四半期前は1桁増だった。同社のウェブサイトでは現在、3500万種類の品物を提供しているが、1年前の4倍以上の品物を提供している。ウォルマートのダグ・マクミロンCEOは消費者の選択肢を増やすため、品揃えを更に増加させたいと考えている。ウォルマートはまた、ウエブを利用して、リアル店舗をアマゾンよりも優れたものとしようとしている。例えば、同社のアプリを利用する同社系の薬局の顧客がレジの列待ちを避けられるエクスプレスレーンを利用できるようにするなどの方法で。
これに対して、2月14日の
『Business Insider』は、小売業の将来に不安を感じてウォルマート株式をほぼ全株、9億ドル分売却して航空会社の株式を数十億ドル分購入したバークシャー・ハサウィ社のウォーレン・バフェット氏の話を紹介している。アマゾンの現在の時価総額3,560億ドルと比較してウォルマートは2,980億ドルとなっている。昨年バフェット氏は、アマゾンとの競合に直面して、従来型の小売店が苦戦していることを認めた。「ブルームバーグ」によると、バフェット氏は2016年の年次株主総会で、アマゾンは巨大な力であり、すでに多くの人々を混乱させており、更に混乱させるだろうと述べ、それ以来ウォルマートの株式を売却している。同氏は、アマゾンの競合企業は、いくつかの分野で自分たちを含めて、有効な対策を見出していないと述べた。2014年末以降、ウォルマートの株価は21%低下したが、アマゾンでは119%上昇した。ウォルマートの元CEOマイク・デューク氏は2012年に、CEOとしての最大の後悔はアマゾンとの競争を促進するために電子商取引にもっと投資するべきだったと語った。ウォルマートはこれまで数十億ドルを電子商取引に投資してきたが、2015年のウォルマートのオンライン売上は137億ドルと、アマゾンの1070億ドルと比較してわずかだ。ウォルマートの全体の売上高は、アマゾンの収益の4倍以上の4,820億ドルで依然と先行している。バフェット氏の小売り業に対する先見性は、2005年のシアーズとKマートの崩壊を予測していた。バフェット氏によれば、小売業は動いている目標を撃つようなもので、長い間、不振の小売業を再生するのは難しいとしている。シアーズは何百もの店舗を閉鎖しており、メイシーズとJCペニーは、米国内の何百もの店舗を閉鎖している。ウォルマートはまだそうなっていないが、多くのアナリストは、米国の小売業は依然として店舗過剰であると指摘している。
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大手法律事務所のEメールがハッキング被害、ハッカーは中国政府とのつながり(アメリカ)(2016/12/13)
雑誌
『フォーチュン(Fortune)』によれば、中国政府と関係のある複数のハッカーが昨年、アメリカ大手法律事務所のパートナー(共同経営者)のEメールにアクセスしようとしていたこと、そしてときにはアクセスが成功していたことが分かったという。フォーチュン誌のタイトルは過激である。「独占記事:中国がアメリカ大手法律事務所からデータを盗む」となっている。
大手法律事務所には、クラバス・スワイン・アンド・ムーア法律事務所(Cravath Swaine & Moore:弁護士472人、事務所2か所)とヴェイル・ガートシャル・アンド・メンジェス法律事務所(Weil Gotshal & Manges:弁護士1,063人、事務所21か所)が含まれている。...
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雑誌
『フォーチュン(Fortune)』によれば、中国政府と関係のある複数のハッカーが昨年、アメリカ大手法律事務所のパートナー(共同経営者)のEメールにアクセスしようとしていたこと、そしてときにはアクセスが成功していたことが分かったという。フォーチュン誌のタイトルは過激である。「独占記事:中国がアメリカ大手法律事務所からデータを盗む」となっている。
大手法律事務所には、クラバス・スワイン・アンド・ムーア法律事務所(Cravath Swaine & Moore:弁護士472人、事務所2か所)とヴェイル・ガートシャル・アンド・メンジェス法律事務所(Weil Gotshal & Manges:弁護士1,063人、事務所21か所)が含まれている。クラバスによれば、侵害は限られており、情報が不適切に使用されたかどうかは分からないとしている。
ハッカーは以下の国際法律事務所からも情報を得ようとしていた。
クレアリー・ゴットリーブ・ステーン&ハミルトン法律事務所(Cleary Gottlieb)、メイヤー・ブラウン法律事務所(Mayer Brown)、レーサム・アンド・ワトキンス(Latham & Watkins)、コヴィントン・アンド・バーリング法律事務所(Covington & Burling)、デービス・ポーク・アンド・ウォードウェル外国法事務弁護士事務所(Davis Polk & Wardell)。
いくつかの事務所はハッカーの侵入や情報盗難を防ぐことができたという。事務所はフォーチュンの取材に対してコメントは拒否した。
今回ターゲットとなったのは法律事務所のパートナーであるが、これらの法律事務所が、合併、企業買収、知的財産などといった分野を扱っていることから、経済的な動機があるだろうとフォーチュンは伝えている。
フォーチュンによれば、昨年3月から94日間かけて、合計で7ギガバイトのデータが盗まれたという。メールにすれば何十万通にもなる。
連邦政府による調査は今も続いている。
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