米・英・フランス・ドイツ・中国メディア;安倍首相、真珠湾で慰霊(2016/12/27)
12月6日付
Globali「安倍首相、初めての真珠湾訪問決定」の中で、“安倍首相は、現職の大統領として初めて被爆地の広島を訪れ、平和宣言をしてくれたオバマ大統領の花道を飾るべく、クリスマス休暇で故郷のハワイに戻るオバマ氏を誘って、真珠湾を訪問することを決め、日米関係を強く印象付けることとした”と報じた。そして、日本の首相の真珠湾慰霊訪問について、欧米メディアは概ね好意的に報じているが、何かと日本に対抗しようとしている中国メディアは、偽善的な訪問と表現し、米国との和解というより悲惨な歴史を忘却の彼方に追いやろうとしているものだと酷評している。
12月26日付米
『CBSニュース』(
『AP通信』配信):「日本、真珠湾を歴史的再認識」
「●安倍晋三首相は12月26日、ハワイの米国立太平洋記念墓地にて献花。
●同首相は12月27日、バラク・オバマ大統領とともに初めてアリゾナ記念館(真珠湾攻撃の追悼施設)を慰霊訪問予定。
●今回の同首相の真珠湾訪問は、かつての敵国同士が戦後70年経って緊密な同盟関係を築くまでに至ったことを象徴するもの。...
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12月26日付米
『CBSニュース』(
『AP通信』配信):「日本、真珠湾を歴史的再認識」
「●安倍晋三首相は12月26日、ハワイの米国立太平洋記念墓地にて献花。
●同首相は12月27日、バラク・オバマ大統領とともに初めてアリゾナ記念館(真珠湾攻撃の追悼施設)を慰霊訪問予定。
●今回の同首相の真珠湾訪問は、かつての敵国同士が戦後70年経って緊密な同盟関係を築くまでに至ったことを象徴するもの。
●日本の首相では吉田茂氏が1951年、第二次大戦後初めて真珠湾を訪問しているが、当時アリゾナ記念館は建造されておらず(編注;1962年建造)。
●なお安倍首相は、2001年2月に米海軍潜水艦との衝突で沈没した実習船えひめ丸の9人の犠牲者を祀った慰霊碑も訪問。」
同日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「安倍晋三氏、日米関係深化アピールのため真珠湾訪問」
「●1941年の旧日本軍による真珠湾攻撃で、2,300人余りの米軍人が犠牲となり、これを契機に米国が第二次大戦に参戦。
●安倍首相はオバマ大統領と、両国首脳として初めて共同慰霊訪問するが、オバマ氏にとっては、ドナルド・トランプ次期大統領に引継ぐ前の最後の務め。
●オバマ大統領は今年5月、米軍投下の原爆で15万人余りが犠牲となった被爆地広島を、現職の大統領として初めて訪問。
●なお専門家は、好調な内閣支持率を背景に、安倍首相が来年の早い段階で総選挙に打って出るのではないかとの話もあり、真珠湾訪問もその一環の行動と分析。」
12月27日付フランス
『AFP通信』:「安倍氏、オバマ氏とともに真珠湾訪問」
「●安倍首相が、オバマ大統領と初めて共同慰霊訪問するアリゾナ記念館は、真珠湾攻撃で犠牲になった戦艦アリゾナの乗員1,177人を追悼する施設。
●ハワイ訪問直前、安倍首相は、今回の真珠湾訪問で悲惨な戦争を繰り返さないことを誓い、また、かつての敵国であった米国との真の和解を示す目的だとコメント。」
同日付ドイツ
『DW(ドイツ通信)』:「オバマ氏と安倍氏、象徴的な真珠湾共同訪問」
「●安倍氏は、オバマ氏の広島訪問での対応と同様、真珠湾訪問で謝罪の言葉を発信することはないと言われているものの、戦争の犠牲者への追悼の意を示し、不戦の誓いを新たにする意向。
●真珠湾攻撃によって、米軍の16隻の戦艦が沈没したり大被害を受け、また2,403人の米軍人・市民が犠牲となり、フランクリン・ルーズベルト大統領(当時)が第二次大戦への参戦を決断。
●なお、安倍・オバマ両氏が共同慰霊訪問するアリゾナ記念館には、毎年200万人余りが訪問。」
一方、同日付中国
『チャイナ・デイリィ』(
『新華社通信』配信):「安倍氏、和解というより歴史忘却のために真珠湾を偽善的訪問」
「●日本の政治評論家の中には、安倍首相の真珠湾訪問は、平和や日米関係をアピールするものというより、12月半ばのウラジミール・プーチン大統領訪日で大した成果を得られなかった事態を挽回するため、言わば選挙対策だと酷評。
●安倍氏は真珠湾訪問に当り、謝罪の言葉は述べない意向だが、旧日本軍の侵略戦争の犠牲になった他のどの国に対しても、謝罪の意を表明しようとせず。
●むしろ安倍氏は、絶対多数与党の力を借りて、平和憲法の変更等を行い、日本の再軍備化を画策。」
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米・英・ドイツ・中国メディア;日本の経済成長が予想以上に好調(2016/11/14)
安倍首相が重点政策としている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について、協定発効を阻もうとしているドナルド・トランプ氏が米大統領選に勝利したことで、日本経済は一種の“トランプ・ショック”に振り回されかねない状況である。そうした中、当該選挙結果が判明する前の話ではあるが、内閣府の発表では、第3四半期(7~9月期)の国内総生産(GDP)の伸び率が、前期比+0.5%、年率換算で+2.2%と、大方の予想以上に好調な結果となっている。
11月14日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース:「輸出回復で日本の経済成長が予想以上に好調」
「●内閣府の11月14日発表では、第3四半期のGDPが前期比+0.5%、年率換算で+2.2%と予想以上に好調な結果。
●2015年初め以来の高い成長率で、トランプ・ショックに見舞われた安倍晋三首相にとって、救いとなる数値。
●好調の主要因は、輸出が+0.5%と回復したこと。...
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11月14日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース:「輸出回復で日本の経済成長が予想以上に好調」
「●内閣府の11月14日発表では、第3四半期のGDPが前期比+0.5%、年率換算で+2.2%と予想以上に好調な結果。
●2015年初め以来の高い成長率で、トランプ・ショックに見舞われた安倍晋三首相にとって、救いとなる数値。
●好調の主要因は、輸出が+0.5%と回復したこと。
●なお、(GDPの6割を占める)個人消費は+0.1%。」
同日付米
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「日本の予想以上の経済成長の理由」
「●内閣府によると、輸出にカウントされる訪日外国人客の消費が、年率換算で+8.1%と予想以上に大きく伸びているが、他の経済指標はほぼ予想どおり。
●安倍政権は今年9月、28兆円(約2,600億ドル)の景気刺激策を発表したが、この効果が表れるのは来年で、一方、公共投資は第3四半期では前期比落ち込み。
●トランプ・ショックに見舞われた日本だが、トランプ新大統領が公約通りに国内インフラ投資を優先すれば、周り回って日本の対米輸出が増えるとの期待から、日本の株式市場が好調を維持。」
同日付英
『BBCニュース』:「輸出のお蔭で日本経済が予想以上に成長」
「●トランプ氏の自由貿易反対との主張に、日本の輸出企業は頭を痛めていたが、トランプ氏の勝利以降ドル高・円安が進み、同企業にとっては追い風。
●内閣府発表の第3四半期GDPが前期比+0.5%と、当初予想の+0.2%より遥かに良い結果。
●但し、専門家は、輸出頼みの経済成長は長続きしないと悲観的見方。」
同日付ドイツ
『DW(ドイツ通信)』:「日本の第3四半期の経済成長が+0.5%」
「●専門家は、経済成長を予想以上に押し上げた輸出は、第4四半期には減速するとの予測。
●日本銀行は11月初め、経済成長鈍化傾向を見て、2%物価上昇の達成時期を2019年3月と、最初に設定した目標時期よりも4年も繰り延べ。」
同日付中国
『新浪(シナ)英字ニュース』(
『北京時報』配信):「日本、7~9月期の経済成長が+0.5%だったと発表」
「●市場の予想値は+0.2%(年率換算+0.8%)だったが、大幅に上回る結果。
●円は、世界経済が不確実な際に安全策の一環で買われる通貨で、特に今年6月の英国の欧州連合(EU)離脱ショック以降、円高が促進。
●しかし、市場がトランプ・ショックに見舞われて以降、ドル高・円安が進んでおり、安倍政権にとっては良いニュース。」
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