フェイスブックとグーグル、ベトナム政府の検閲に協力(2020/12/07)
アムネスティ・インターナショナルは、フェイスブックやグーグルなどソーシャルメディア・プラットフォームが、ベトナム政府の検閲に加担しているとして、プラットフォーム企業を非難する新しい調査報告書を発表した。
米オンラインニュースメディア
『CNET』によると、アムネスティ・インターナショナルは、フェイスブックやグーグルからの情報だけでなく、人権活動家、ジャーナリスト、弁護士、作家、元良心の囚人など数十人にインタビューをして調査したところ、フェイスブックとグーグルの2つのソーシャルメディア・プラットフォームは、「検閲、軍事サイバー部隊、国家が支援するトロール行為」の場になっていることが判明したと報告している。...
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『CNET』によると、アムネスティ・インターナショナルは、フェイスブックやグーグルからの情報だけでなく、人権活動家、ジャーナリスト、弁護士、作家、元良心の囚人など数十人にインタビューをして調査したところ、フェイスブックとグーグルの2つのソーシャルメディア・プラットフォームは、「検閲、軍事サイバー部隊、国家が支援するトロール行為」の場になっていることが判明したと報告している。
オンライン検閲には、ベトナム政府に批判的とみなされたコンテンツのジオブロッキング(ユーザーの地理的な場所に基づいてインターネットコンテンツへのアクセスを制限すること)も含まれており、ベトナム当局は「日常的な利用者を沈黙と恐怖に陥れるために、これらのプラットフォーム上で高度な、嫌がらせ活動を展開している 」とも報告されている。
調査によると、ベトナムでは現在170人の良心の囚人が拘束されており、そのうち69人がソーシャルメディア上での活動が原因で逮捕された。活動には、ベトナム政府の新型コロナウイルスへの対応に批判的な投稿や、人権に関する情報の共有などが含まれていたという。
アムネスティ・インターナショナルの東アジア及び東南アジア地域副ディレクターであるミン・ユウ・ハー氏は「ベトナム当局は、政権にとっての実存的な脅威として、平和的なオンライン表現に注目し始めている」が、「これらのプラットフォームを武器にしようとするのではなく、表現の自由の権利を行使しただけで人々を罰するのをやめるべきだ」と訴えている。
報告書は、グーグルとフェイスブックは、政府からの圧力に従うことでベトナムでの収益を維持することに焦点を当てるのではなく、検閲や国が支援するトロール行為に対抗するためにもっと努力すべきであると述べている。
英『BBC』によると、フェイスブックは4月に、ベトナム政府からのコンテンツ削除要請に順守していくことを発表した。以降、同社の最新の透明性レポートによると、ソーシャルメディア・プラットフォームがベトナムでコンテンツを制限した回数は、2019年下半期の77回から2020年上半期の834回へと、983%増加している。
同様に、グーグルは2019年下半期に74件の「政府批判」投稿の削除要請を受け、上半期の44件から増加した。その中には、党や政府を批判した3000本以上のユーチューブ動画の削除依頼も含まれていたという。
ベトナムは、テクノロジー企業にとって東南アジア最大の市場の一つである。フェイスブックのベトナムからの収益は2018年には10億ドル(約1000億円)近くとなっており、東南アジアでの収益のほぼ3分の1を占めていた。グーグルも、主にユーチューブの広告により、同期間に4億7500万ドル(約48億円)を稼いだとされている。
ベトナムはこれまでソーシャルメディア企業を禁じたことはないが、今年4月、フェイスブックの2人の情報筋によると、地元ユーザーの「反国家」投稿の検閲を大幅に増やすことに合意するまで、地元のサーバーをオフラインにされたという。
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EU調査当局がグーグルのデータ収集方法を調査(2019/12/02)
欧州連合の独占禁止当局が以前にネット広告で独禁法に違反したとして制裁金を受けたグーグルを対象に、そのデータ収集慣行について再び調査しているという。
12月1日付
『ロイター通信』は「EUの独占禁止当局がグーグルのデータ収集を調査」との見出しで以下のように報道している。
欧州委員会によると、欧州連合の独占禁止当局がグーグルのデータ収集に関して調査しているという。世界一人気のインターネット検索エンジンであるグーグルは、近年の異例の違約金が科されていたが、今も監視が続いているようである。
欧米の競争監視当局が同社のデータ使用やそれによる収益を調査。...
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12月1日付
『ロイター通信』は「EUの独占禁止当局がグーグルのデータ収集を調査」との見出しで以下のように報道している。
欧州委員会によると、欧州連合の独占禁止当局がグーグルのデータ収集に関して調査しているという。世界一人気のインターネット検索エンジンであるグーグルは、近年の異例の違約金が科されていたが、今も監視が続いているようである。
欧米の競争監視当局が同社のデータ使用やそれによる収益を調査。「欧州委員会は、グーグルにデータ収集と使用の内容の関する予備調査の一環として、質問書を送付した。予備調査は継続している」とした。EUの焦点は、国内検索サービスやネット広告、広告をターゲットとしたサービス、ログインサービス、ウェブブラウザ等に関するデータ調査。欧州委員会のマルグレーテ・ベステアー委員は、過去二年でグーグルに対し8億ユーロ超の違約金を科しビジネス慣行の改善を指示している。グーグルは、データはサービス向上を目的に使用しており、ユーザーはいつでもデータの管理、削除、移動が可能だとしている。
同日付米国『CNET』は「グーグルが再びEUの独占禁止当局の調査対象となっているとの報道」との見出しで以下のように報道している。
EU独占禁止当局がグーグルのデータ収集慣行を調査しているとの報道。これにより、EUが近年記録的罰金対象となった同社の改善に疑念を抱いていることが明らかとなった。EU幹部によると、当局は同社がどのように、なぜデータを収集しているかに関する情報を求めているという。EUは、特にローカル検索サービス、オンライン広告、ウェブブラウザーの問題を注視しているという。グーグルはEUと今後も協議を継続するとしている。
一方、米政府当局の調査も、グーグルやその他シリコンバレーのIT企業の間でより厳しいものとなっている。司法省は7月、IT企業(グーグル、アップル、フェースブック、アマゾンなど)を対象としたより広範な独占禁止違反の調査を行うと発表。下院民主党も6月、IT企業への独自調査を行うと発表した。
グーグルが今年3月ネット広告で独禁法に違反したとして制裁金1.7億ドルの支払い(過去3年で3度目の制裁金)が命じられたのを受け、EUの調査は過去一年以内にも行われていた。
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