【Globali】
米メディア;中国はAIIBで勝利の上、次はIMFのメジャー通貨入り目標(2015/04/09)
4月2日付「日米抜きで、中国主導のAIIBが船出」で報じたとおり、米国が、英国、豪州、韓国などの同盟国に対して、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参画に慎重な対応を求めていたにも拘らず、総勢50ヵ国余りの国が同行の設立メンバーへと名乗りを挙げた。これによって中国は、米国主導の世界金融体制において、アジア地域のいわば局地戦に勝利したと自負することから、次は本丸の国際通貨基金(IMF)において米国との覇権争いに臨むべく、“メジャー通貨(通貨バスケット、注後記)”への仲間入りを画策していると米メディアが伝えた。
4月8日付
『CNBCニュース(通信社ダウ・ジョーンズと大手TVニュースNBCが共同設立したニュース専門放送局)』は、「米国の抵抗にも拘らず、AIIB設立計画で成功を収めた中国は、今度は、やはり米国が時期尚早と反対している、IMFの通貨バスケットへの仲間入りを目指している。クリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事は、今年末の通貨バスケット見直し協議の際、米ドル、日本円、ユーロ、英国ポンドに人民元を加えるかどうか協議することになると発言したが、人民元での資本取引を認めない規制などが依然ネックになっている。...
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4月8日付
『CNBCニュース(通信社ダウ・ジョーンズと大手TVニュースNBCが共同設立したニュース専門放送局)』は、「米国の抵抗にも拘らず、AIIB設立計画で成功を収めた中国は、今度は、やはり米国が時期尚早と反対している、IMFの通貨バスケットへの仲間入りを目指している。クリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事は、今年末の通貨バスケット見直し協議の際、米ドル、日本円、ユーロ、英国ポンドに人民元を加えるかどうか協議することになると発言したが、人民元での資本取引を認めない規制などが依然ネックになっている。中国にとって、通貨バスケットに仲間入りすることで、各国に外貨準備の一部として人民元を保有してもらえることから、人民元の国際化が加速でき、また、引出し金利の低下や為替リスクの軽減などが期待できる」とし、「しかし、国際金融専門家の予想では、仮に通貨バスケット入りしたとしても、構成比は日本円、英国ポンドと同様の10%程度と、大きな影響力とはならないだろうという。実際、米国、英国、フランス、ドイツにおける2015年の人民元使用額は落ちており、しかも、米国の金融政策と中国の経済成長減速に伴い、人民元が対米ドルで大きく下落していることから、人民元を保有することによる為替リスクが懸念材料となっている」と報じた。
中国の李克強(リー・コーチャン)首相は、3月下旬に訪中したラガルド専務理事に、世界の金融安定に貢献したいと直接アピールし、また、中国人民銀行の周小川(ジョウ・シャオチュアン)総裁は3月末、年内に資本取引を基本的に可能とするように規制緩和すると発言している。
(注)通貨バスケット:IMFに加盟する国が持つ“特別引出し権(Special Drawing Rights、SDR)”に付随する単位を評価、算出するための基準となる、米ドル、日本円、ユーロ、英国ポンド。現行の通貨構成比は、2011年1月1日付で改正、実施されており、通常5年毎に見直しされる。
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