東京オリンピック;首相顧問を務める飲料メーカー大手サントリー社長が開催できるか不確かとコメント(2)【米メディア】
1月14日付GLOBALi「
東京オリンピック;首相顧問を務める飲料メーカー大手サントリー社長が開催できるか不確かとコメント」で報じたとおり、サントリーホールディングス社長がセットしたとされる米マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏(65歳)と菅義偉首相(72歳)間の電話会談で、同首相が“東京大会は必ずやりきる”と語ったと報道されたものの、同社長は、“現段階では東京大会が開催されるかどうかは不確か”だとのコメントを出した。そしてこの程、同社長が更に、“東京大会開催のための前提4条件”について米メディアに語っている。
1月26日付
『CNBCニュース』:「首相顧問、東京オリンピック開催のための前提4条件につき解説」
新型コロナウィルス(COVID-19)感染症が吹き荒れる中、今夏に延期された東京オリンピック・パラリンピックが果たして開催されるのか、かまびすしい議論が展開している。
直近で行われた世論調査の結果では、回答者の約80%が、今夏に東京大会を開催するのを望んでいないとした。
『ロイター通信』報道では、海外から多くの選手等が訪日することで、COVID-19感染が更に拡大することを恐れているためだという。...
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1月26日付
『CNBCニュース』:「首相顧問、東京オリンピック開催のための前提4条件につき解説」
新型コロナウィルス(COVID-19)感染症が吹き荒れる中、今夏に延期された東京オリンピック・パラリンピックが果たして開催されるのか、かまびすしい議論が展開している。
直近で行われた世論調査の結果では、回答者の約80%が、今夏に東京大会を開催するのを望んでいないとした。
『ロイター通信』報道では、海外から多くの選手等が訪日することで、COVID-19感染が更に拡大することを恐れているためだという。
英国の『ザ・タイムズ』紙が先週、日本政府は大会中止は止む無しとの考えに至っていると報じたところ、同政府はすぐさま、“事実無根”との公式見解を発表している。
そうした中、飲料メーカー大手サントリーホールディングス(前身の鳥井商店は1899年創業)の新浪剛史社長(61歳)は1月26日、『CNBC』のインタビューに答えて、今夏に東京オリンピック開催に漕ぎ着けるためには4条件をクリアせねばならないとコメントした。
同社長は菅義偉首相の経済顧問を務めているが(編注;内閣府経済財政諮問会議委員)、同4条件をクリアするために、“可及的速やかに必要な措置を講じなければならない”と強調した。
(4条件)
1. COVID-19感染を制御すること
新たな感染者数を激減させるため、無症状の感染者含めて、押し並べて“厳しく”検疫・隔離する必要がある。
2. 濃厚接触者トレース用アプリを皆が保持すること
昨年6月に、濃厚接触者が瞬時にトレースできるアプリを立ち上げたが、利用率が非常に低い。
『共同通信』によると、プライバシーの問題から抵抗を感じている人が多いというが、日本政府は、当該アプリで個人情報を収集することはないと訴えている。
3. COVID-19用ワクチン接種開始
ワクチン接種は、当初予定どおり2月から開始するようにすることは“絶対条件”である。
『ロイター通信』報道によると、日本政府はこれまでに、米ファイザー(1849年創業)、モデルナ(2010年創業)、及び英国アストラゼネカ(1999年創業)から3億1,400万回分のワクチンを手当て済みだという。
4. 大きなスポーツ大会の開催
例えばプロ野球の国際試合等、大きなスポーツ大会を開催することで実績を作ることが肝要である。
なお、日本政府は、大会中止との報道に真っ向から反論しているが、新浪社長初め多くの関係者は1月初め、大会が開催できるか不確かだとコメントしていた。
同社長は『ロイター通信』に対して同様のコメントを出していたし、国際オリンピック委員会(IOC)最古参のリチャード・パウンド委員(78歳、カナダ人弁護士、元競泳選手)も英国『BBC』のインタビューに答えて、“誰も触れようとしないので敢えて言うが、COVID-19感染爆発の現状化、大会を予定どおり開催できるとは言い難い”と表明していた。
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中外製薬;英国政府による同社製医薬品が新型コロナウィルス感染症治療に効果ありとの発表で株価急上昇【米・英国メディア】
世界中で猛威を振るう新型コロナウィルス(COVID-19)感染症については、ワクチン開発に注目が集まっている。しかし、防疫も重要ながら、焦眉の急は有効なCOVID-19治療薬の発見であろう。そうした中、英国政府がこの程、中外製薬(1943年設立)が開発した関節リウマチ用の医薬品がCOVID-19重症患者の治療に効果がみられたと公表した。それを受けて、同社の株価は急上昇している。
1月12日付米
『CNBCニュース』:「中外製薬株価、英国政府による同社製医薬品がCOVID-19治療に有効との発表を受けて急上昇」
中外製薬の1月12日株価が、取引途上で+16.26%も急上昇し、終値でも前日比+5.91%の値を付けた。
これは、英国政府が、同社の関節リウマチ用医薬品トシリズマブによってCOVID-19重症患者の治療に大きな効果が得られたとの発表を受けた結果である。...
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1月12日付米
『CNBCニュース』:「中外製薬株価、英国政府による同社製医薬品がCOVID-19治療に有効との発表を受けて急上昇」
中外製薬の1月12日株価が、取引途上で+16.26%も急上昇し、終値でも前日比+5.91%の値を付けた。
これは、英国政府が、同社の関節リウマチ用医薬品トシリズマブによってCOVID-19重症患者の治療に大きな効果が得られたとの発表を受けた結果である。
英国保健省(NHS)は1月7日、同社医薬品を“集中治療が必要となった重症患者に対して24時間以内にトシリズマブを投与したところ、死亡率が24%も改善する効果が得られた”との結果を公表した。
更に、“集中治療が必要となる期間も、平均7~10日も早められた”とも言及した。
(編注;英国との時差のため、1月8日株価には反映せず、翌営業日の1月12日となったものとみられる)
NHSのマット・ハンコック大臣(42歳)は、“(ワクチン開発に続いて)COVID-19感染流行問題から脱却する上でまたひとつの大きな成果が得られた”と強調している。
同政府は、この結果を踏まえて、トシリズマブを全国の集中治療室で使用するよう指導していくとする。
更に、同医薬品を中外製薬と共同開発したスイス製薬会社ロシュ(1896年設立)に対して、英国向けの供給を増やすようはたらきかけるという。
なお、ロシュは中外製薬の大株主(61.62%保有)でもある。
一方、ボリス・ジョンソン首相(56歳)は先週、感染力の高いCOVID-19変異種が蔓延し始めたとして、イングランド・カントリー全土に都市封鎖措置を講じている。
1月7日付『英国政府プレスリリース』:「NHS、COVID-19重症患者の集中治療期間を10日間も短縮可能な治療薬を提供許可」
NHSは1月7日、関節リウマチ用医薬品トシリズマブ及びサリルマブ(注1後記)によって、COVID-19重症患者の死亡率が24%も下がり、また、集中治療室での治療期間も最大10日間短縮できたことが分かったと発表した。
英国政府も資金援助している世界的医療機関共同組織REMAP-CAP(注2後記)英国拠点において、COVID-19重症患者に上記2種類の医薬品を投与した結果、上記のような目覚ましい成果を得られたことが確認されている。
従って、NHSは、英国全土のCOVID-19重症患者の集中治療に当たって、これら医薬品の使用を勧めることとする。
(注1)サリルマブ:商品名ケブザラ。米ニューヨーク州のリジェネロン薬品(1988年設立)及びパリ本社のサノフィ(1973年設立)が共同開発した関節リウマチ用医薬品。
(注2)REMAP-CAP:2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)や2012年の中東呼吸器症候群(MERS)の感染流行問題を契機に、世界中の医療機関が協力し、重症市中肺炎の最適な治療法を、早期に見出すことを目的とした大規模国際プラットフォーム。世界の主要な救命救急医療に携わる医療者、感染症の集団発生に対応できる医療者、その他にもウイルス、免疫の研究者や、統計学者などの多彩な専門家によって主導。日本を含めて、すでに北米、欧州、オセアニアなどの218拠点で、1100人以上の患者が登録。
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