すなわち、フィリピン側は、中国沿岸警備隊が8月25日、日曜日にフィリピン漁船にぶつかったために、漁船のエンジンの故障に至ったと訴えた。
一方、中国側は、漁船が故意に沿岸警備船にぶつかろうとしたために水放射砲で対抗したと反論している。 今回の衝突も両国間で喧騒止まない南シナ海のサビナ環礁の水域で起こった。
中国側メディアによると、日曜日の昼下がりに中国の沿岸警備隊は、フィリピン漁船に対して取り締まりを強化することを申し合わせていたが、ちょうどその時、フィリピン漁船が問題のサビナ環礁に侵入したという。...
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すなわち、フィリピン側は、中国沿岸警備隊が8月25日、日曜日にフィリピン漁船にぶつかったために、漁船のエンジンの故障に至ったと訴えた。
一方、中国側は、漁船が故意に沿岸警備船にぶつかろうとしたために水放射砲で対抗したと反論している。 今回の衝突も両国間で喧騒止まない南シナ海のサビナ環礁の水域で起こった。
中国側メディアによると、日曜日の昼下がりに中国の沿岸警備隊は、フィリピン漁船に対して取り締まりを強化することを申し合わせていたが、ちょうどその時、フィリピン漁船が問題のサビナ環礁に侵入したという。
中国側公共テレビ局CCTVによると、「フィリピン船3002が、中国当局の許可なく、ナンシャ(スプラットレイ)諸島のシャンビン(サビナ)礁近くの水域に侵入した。」とまるで中国固有の水域であるかのように、中国名称を使用して伝えている。さらに、「フィリピン漁船が中国沿岸警備船の一艘に近づいたのでいつもの防衛手段で漁船にぶつかり放水した。 これらのフィリピン船取り締まり方法は、国際法や規定に順守している。」と補足説明を加えている。
中国は、南シナ海のほぼ全海域を中国の戦略的な海域を主張していて、多くの周辺国は競合国と見なしている。中国としては2016年に国際司法裁判所の
判決である、「中国の要求は国際法上、何の根拠もない。」ということを完全に無視していることになる。
中国とフィリピンの緊張関係は、過去数か月でさらに強くなり、南シナ海での両国の船舶間の相次ぐ‘にらみ合い’事件を起こしている。
8月24日土曜日には、中国がスプラットレイ諸島上でフィリピンの民間パトロール用の航空機にレーザー光線放射を行ったとしてフィリピン側が中国側を強く非難している。その前の金曜日には、中国は、フィリピン軍用機が、8月22日にサビナ環礁を上空侵犯したとして対抗措置を取ると予告していた。
このようにフィリピンと中国、両国間のにらみ合いはしばらく続きそうである。
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9月15日付米
『U.S.ニューズ&ワールド・レポート』:「プーチン氏:中国の疑問と懸念を認識」:
注目の中ロ会談が15日行われた。経済面での外交的成果は強調されたものの、両者からウクライナ侵攻への言及はされなかった。
アナリストや関係者からは、独裁者プーチンが正当化するロシアの軍事作戦への中国の「疑問と懸念」を認めたことが注目されている。プーチン氏は用意したコメントで、習氏の「ウクライナ危機へのバランスの取れた姿勢に非常に感謝している」と評価した。
このコメントは、「際限のない」パートナーシップを約束し、ロシアにとってのウクライナ、中国にとっての台湾において相互支援を誓った、2月の冬季五輪初日の侵攻前の会談時とは対象的なもの。実際、今回習氏は、ウクライナへの言及は一切しなかった。マイケル・マクフォール元駐ロシア大使はツイッターで、「これは驚きだ。習氏はプーチン氏を支持していない。全く団結していない」とコメントしている。
プーチン氏の補佐官からは、それほど中身のあるコメントは出ておらず、ロシアのラブロフ外相は、「中ロ首脳会談は通常どおり、素晴らしい内容だった。国際情勢に関するわれわれの評価は完全に一致している」としている。
先週、東部でのウクライナ軍の劇的反撃が伝えられ、ロシア軍が戦闘機を捨て敗走し、地元民に混じっているとの報道もある。以前からも、ロシア軍内部の腐敗や士気低下が露呈していた。ロシア国内でのプーチン氏の権力は健全だが、地方議会からの辞任要請など、政府内部からも反対勢力が増しているのも確かだ。
このタイミングでの首脳会談で、農業、経済、貿易側面に留め、中国がロシアへの軍事支援をする意志がないことを伝えるのは都合が良かった。中国の公式会議録では、ウクライナに言及せず、「地域の安全保障体制確立」や「台湾が中国の一部だという一つの中国主義への理解に感謝する」などの表現に留めている。
中国の英字新聞「グローバルタイムズ」では、ウクライナ侵攻を中ロ関係から切り離し、「現在の中ロ関係は歴史的発展と国益を考慮して築かれたものであり、軍事支援の必要性を排除すべき」とする専門家の意見を引用している。
米国は、中国が自国の利益となるよう、ロシアの情勢を利用した外交政策を行うとみている。過去20年間中国は、旧ソ連国との関係強化を進めてきたが、それらの国は、ウクライナ侵攻に大きな懸念を抱いている。
同日付米『ポリティコ』:「プーチン氏、ウクライナ戦争への中国の疑問と懸念認める」:
15日、中国がウクライナ侵攻に疑問と懸念を示していることを、ロシアのプーチン大統領が公に認めた。
ウズベキスタン・サマルカンドでの会談で、不機嫌なプーチン氏が、「中国の友人のウクライナ危機へのバランスの取れた姿勢」を評価すると述べた。このように中国との緊張関係を認めることは、侵攻直前、中国の冬季五輪を訪れ協調関係を宣言していた頃とは全く違っている。
ロシアのウクライナ侵攻開始後初となる首脳会談は、ウズベキスタンの上海協力機構(SCO)首脳会議に合わせて行われた。中国は、ウクライナ侵攻後への言及も行わなかったという。
中国国営CCTVによると、プーチン氏は、「世界では現在多くの変化が起きているが、唯一変わらないのは、ロシアと中国の信頼関係である」と述べたという。だが、中国語版では、「ウクライナ」への言及は全くなく、「限りない関係」への言及もなかったとされている。
ロシアとの関係で、習氏は良好な関係継続を迫られている。中国は、米国やNATO諸国に共に対抗する同盟国としてロシアの価値を認めているが、一方で、ロシアの戦争を支援することで、西側の反発を招き、制裁などにより経済関係を悪化させることは避けたいと考えている。
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