アメリカでは、白人警察官による黒人男性暴行事件を機に、連邦下院で包括法案が提出されるなど警察改革を求める声が高まっている。アメリカの警察では新人警察官になるまでの訓練が他国より短く、武力の行使に焦点が置かれてきた背景があるという。
6月10日付英国
『CBS』は「警察官の研修期間、アメリカでは週単位だが海外では年単位の訓練も」との見出しで以下のように報道している。
ミネアポリス警察学校では、武器を持ち巡回に出ることが許されるまでの新人研修は16週間で、その後半年は訓練官とペアを組み指導を受けることとなる。
5月25日、2人の新人警察官が黒人男性を押さえつけ、1人が膝で首を9分間圧迫する事件が起きた。殺人罪が言い渡されたこの事件は、警察による取り締まりのやり方を問う全国的なムーブメントに発展した。...
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6月10日付英国
『CBS』は「警察官の研修期間、アメリカでは週単位だが海外では年単位の訓練も」との見出しで以下のように報道している。
ミネアポリス警察学校では、武器を持ち巡回に出ることが許されるまでの新人研修は16週間で、その後半年は訓練官とペアを組み指導を受けることとなる。
5月25日、2人の新人警察官が黒人男性を押さえつけ、1人が膝で首を9分間圧迫する事件が起きた。殺人罪が言い渡されたこの事件は、警察による取り締まりのやり方を問う全国的なムーブメントに発展した。
数年間の厳しい訓練や教育を経て初めてバッジを付けた警察官になれる他国の警察からみると、今回の事件はアメリカの旧式訓練システムの良い例である。ジョンジェイ刑事司法大学の警察科学Maria Haberfeld教授(イスラエルの元警部補)は、「アメリカは非常に遅れている。全米に18000の警察署があり、全国的な基準がないのが問題だ」という。各警察学校の訓練は10週間~36週間と幅がある。欧州国など多くの国で課される年単位の教育とは雲泥の差だ。
フィンランドとノルウェーの警察訓練は注目すべきだ。3年間の警察大学に通い、学士号に匹敵する学位を取得する。ノルウェー警察大学(Politihøgskolen)のRune Glomseth教授は、ノルウェーでは警察活動をアカデミックな分野と捉えられているという。教師や看護師等と同質の教育を3年間受ける。1年目は社会の中での警察の役割と倫理を学び、2年目は実際の警察官から実習練で学び、3年目は調査と学位論文に焦点を当てる。
一方、アメリカの警察署の多くは、十分なキャリアを持つ忙しい現役警察官は新人の訓練に時間を割けず、自らも訓練を受けた経験もない高齢の警官か、経験の浅い若い警官等質の劣る人が教育係となるのが常なのだ。
一方でノルウェーでは、訓練官となるのは重要なキャリア目標と成りうるもので、フィンランドでも状況は似ている。警察は武装しているが銃を使うのは年に10回程で滅多に使用しない。緊急事態にしか使用してはいけない決まりがあるためだ。フィンランド国民の9割以上が警察を信頼している。また、インターンを含む3年間の大学を終えても、3割の学生は最終成績判定で銃や権力を与えるのに十分な信頼できるか見るための面接や心理学テストが科される。武力行使の訓練は、訓練開始後4か月からとなる。ミネアポリスでは新人警官は既にバッジと銃を与えられている時期だ。その前に訓練生は、既に法律、犯罪法、人間の権利等の背景知識を学んでいる。アメリカでも教育を変えられないことはない。
6月7日付米国『Axios』は「アメリカの崩壊した警察訓練システム」との見出しで以下のように報道している。
アメリカの警察の構造的な欠陥は、最初の訓練から始まっている。概ね、武力の必要性を減らす以上に、武力の行使に焦点を当てている。法執行機関の専門家によると、自己の責任に任せる事が最も大事だが、共感、公平さ、緊張緩和を焦点とした訓練をすることで、警官とコミュニッティとの間の暴力やいざこざを減らすことになる。
全米には18000以上の警察署があるが、警官の訓練内容に関し、連邦のスタンダードが存在しない。そしてその訓練内容も共感とは関連性がないものである。もっとも大事なのは、いつどのように武力行使するかである。
警察署では戦術訓練は十分に行われているが、「社会的交流」には重点を置かない、実際には10人に9人の検察官は彼らの仕事は「普通の会話」だと言っているという。
警官官による人命にかかわる銃撃回数は、「撃たないルール」に従い撃たないようにすれば、半減する事が出来る。その反面、対立状態が長引くことになり、警官の数も必要で、イライラすることも多くなるだろう。だが、市民の命の価値を考えると、これは難しいことではない。
全国的に拡大した白人警官による黒人殺害事件を発端としたデモは、2014年ミズーリ州ファーガソンで起きた黒人青年殺害事件を彷彿させるものだった。当時のオバマ政権は、21世紀警察に関する対策本部を結成、緊張状態で距離を保って緊張を緩和する戦術など、警察訓練の向上を提起している。
このファーガソン事件の後に、緊張緩和が注目され、1人あたり15%の死亡に至るケースを減らせるとの結果が出ている。
だが推奨されているにもかかわらず、多くの警察署は行っていない。ミネアポリス警察署は、危機介入訓練の一環として、緊張緩和戦術を教えている。各団体は、武力行使の全国基準設定など、連邦、州レベルでの改革を推奨している。
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米国では国土安全保障省を交えたハリケーン対策に関する会合で、トランプ大統領が、ハリケーンがアメリカに上陸する前に核で破壊するのはどうかとの提案をしていたという。トランプ大統領はツイッターで「そんな事は言っていない」と投稿している。
8月25日付米国
『ビジネス・インサイダー』は「トランプがハリケーンの米国上陸を止めるため核を落とす案を提案していたとの報道」との見出しで以下のように報道している。
トランプがハリケーンが米国へ影響する前に核を落とし上陸を阻止する案を出していたとAxiosが報じた。
これを国土安全保障省の高官らに何度も提案、日付は不明だが、「分かった分かった、核はどうだ?アフリカ沖で発生し大西洋を通過する間、 ハリケーンの中心に核を落として破壊する。...
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8月25日付米国
『ビジネス・インサイダー』は「トランプがハリケーンの米国上陸を止めるため核を落とす案を提案していたとの報道」との見出しで以下のように報道している。
トランプがハリケーンが米国へ影響する前に核を落とし上陸を阻止する案を出していたとAxiosが報じた。
これを国土安全保障省の高官らに何度も提案、日付は不明だが、「分かった分かった、核はどうだ?アフリカ沖で発生し大西洋を通過する間、 ハリケーンの中心に核を落として破壊する。何故できない?」と述べたという。会議にいた者は、「はい、調査します」と答えたという。複数回こう提案する大統領に対し、会議参加者は驚き、いったいどうしたものかと嘆いていたという。
トランプ大統領は2017年プエルトリコを襲ったハリケーン(マリア)への対応等、自然災害対応で手厳しい批判を受けてきた。被災地訪問の際、ハリケーンは「本物の大災害でない」等と発言、援助金にも不平を並べた。
このような批判に備え、政権は今年のハリケーンシーズンに向け万全な対策を重ねてきた。過去の被災地域が再度被災する可能性が高いが、復旧活動中で準備が追いついていない。
高官は、大統領のハリケーン上陸を阻止するという目標は悪くないとする。この案は以前から囁かれていたもので、最初にアイゼンハワー時代の科学者により提唱されたが、専門家はの間では実効性がないとの認識がもたれている。国立海洋大気庁も、放射性降下物が環境に与える影響を懸念し、この案を否定するデータ資料をだしている。
8月26日付ロシア『スプートニク』は「トランプがハリケーンに核を落とす案を出したとの報道がSNS上で嵐を呼ぶ」との見出しで以下のように報道している。
以前からハリケーンを核で破壊する考え方はあったが、米海洋大気庁は熱帯サイクロンの資料で、危険を伴い上手くいかないとのデータを出している。
トランプ大統領が国土安保高官へ何度かこの提案をしたとの報道を受け、SNS上では様々な反応がみられた。
ツイッター上では、提案を真剣に考える声、懸念を表する声など率直な意見交換がなされた。トランプは本当にメディアを操るのが上手だな等と、面白がる声も聞かれた。
ところで、トランプ大統領はツイッターで「これは全く馬鹿げている、そんな事は言っていない」と投稿している。
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