オリンピック・パリ大会が7月26日に幕を開ける。しかし、開会式及びトライアスロン・スイム競技が予定されているセーヌ川の水質が問題視されてきた。そうした中、フランス政府スポーツ相がこの程、水質問題改善をアピールすべく自ら同川で遊泳のデモンストレーションを行っている。
7月13日付米
『AP通信』、フランス
『AFP通信』は、スポーツ相がセーヌ川で遊泳デモンストレーションを行い、水質問題改善をアピールしたと報じている。
セーヌ川で遊泳デモンストレーションを行ったのは、スポーツ及びオリンピック・パラリンピック担当のアメリー・ウデア=カステラ大臣(46歳、2022年就任)である。
同大臣はパラリンピックのフランス代表団旗手のアレクシス・ハンカンカント選手(38歳、パラ・トライアスロン競技選手)とともに7月13日、トライアスロン競技が行われるアレクサンドル3世橋(1900年、パリ万博に合わせて建設)付近で泳いで、セーヌ川の水質問題は改善していることを自らアピールした。...
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7月13日付米
『AP通信』、フランス
『AFP通信』は、スポーツ相がセーヌ川で遊泳デモンストレーションを行い、水質問題改善をアピールしたと報じている。
セーヌ川で遊泳デモンストレーションを行ったのは、スポーツ及びオリンピック・パラリンピック担当のアメリー・ウデア=カステラ大臣(46歳、2022年就任)である。
同大臣はパラリンピックのフランス代表団旗手のアレクシス・ハンカンカント選手(38歳、パラ・トライアスロン競技選手)とともに7月13日、トライアスロン競技が行われるアレクサンドル3世橋(1900年、パリ万博に合わせて建設)付近で泳いで、セーヌ川の水質問題は改善していることを自らアピールした。
同大臣はニュース専門局『BFMTV』のインタビューに答えて、“約束通り(オリンピック開会までに)水質問題を解決した”と強調している。
同川は長い間大腸菌で汚染されていて、1923年以降遊泳禁止措置が取られてきていた。
なお、パリのアンヌ・イダルゴ市長(65歳、2014年初当選)も今週(7月15日の週)にセーヌ川で遊泳デモンストレーションを行う予定である。
また、エマニュエル・マクロン大統領(46歳、2017年初当選)も今年2月、自身もセーヌ川で泳ぐと表明しているが、“セキュリティ上の問題もあり、具体的日時は明かさない”としている。
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6月26日付米
『ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)』紙、英国
『BBCニュース』は、昨年3月に“スパイ容疑”で逮捕された米国人ジャーナリストが密室裁判にかけられようとしていると報じた。
『WSJ』ロシア特派員のエバン・ゲルシュコビッチ記者(32歳、『ニューヨーク・タイムズ』、『モスクワ・タイムズ』、『AFP通信』を経て2022年『WSJ』入社)は昨年3月29日、取材旅行先のエカテリンブルグ(モスクワの約1,770キロメートル東方)でロシア連邦保安庁(FSB、1995年設立、旧ソ連国家保安委員会(KGB)後継組織)によって逮捕された。
FSSは、米中央情報局(CIA、1947年設立)の命を受けて、エカテリンブルグ在のロシア戦車工場にかかわる機密情報を収集した“スパイ容疑”だとし、証拠等も揃っていると発表している。
ただ、15ヵ月余りも拘束した上で、6月26日にエカテリンブルグで開廷される裁判は非公開とされている。
『WSJ』欧州・中東・アフリカ担当部門のデボラ・ボール副責任者(ロンドン駐在)は、“これはインチキで突拍子もない手続きだ”と非難した上で、“ロシアにおける無罪率は1%未満であり、彼が無罪となる可能性は全くない”と悲観している。
同記者の逮捕当時、米政府及び『WSJ』は挙ってロシア当局の不当逮捕を厳しく非難し、同告発は全く受けいれられないと強く主張していた。
なお、同記者は最長20年の懲役刑が科せられる恐れがある。
一方、今回の同記者の密室裁判含めて、ロシア当局は対米強硬措置の一環で、後述どおり多くの米国人を逮捕し、また長期の懲役刑を宣告していることから、『WSJ』は、“ロシア政府は、海外で投獄されているロシア人を解放させるべく、そのための交換要員として米国人をロシア刑務所に投獄している”と強硬に非難している。
● ポール・ウィーラン(54歳、元海兵隊員)
・2018年12月、旅行先のモスクワに滞在中、FSBによってスパイ容疑で逮捕。
・本人も米政府も不当逮捕と主張するも、2020年6月に懲役16年の有罪判決が下され服役中。
● アルス・クルマシェワ(ロシア系米国人、米議会出資の『ラジオ・フリー・ヨーロッパ』所属ジャーナリスト)
・2023年10月、ロシア在住の母親の病気見舞いでカザン(モスクワの約900キロメートル東方)を訪問中にFSBによって逮捕。
・逮捕容疑は、外国エージェント(注後記)であることの申告義務違反だが、起訴状では、ロシア軍のウクライナ軍事侵攻を非難する内容を含んだ本を発行することによって“虚偽情報”を流布したとする容疑。
・裁判はこれからだが、最悪15年の懲役刑の恐れ。
● マーク・フォーゲル(63歳、アングロ-アメリカン・モスクワ校(1949~2023年)の元教師
・2021年8月にロシア再入国時、マリワナ所持で逮捕。
・医療用マリワナであると主張するも認められなかった上、2022年6月には、麻薬密売罪で14年の懲役刑が科され服役中。
● ゴードン・ブラック(34歳、在韓米軍所属の軍曹)
・今年5月、韓国からの帰国途上で立ち寄ったロシア極東ウラジオストックで逮捕。
・容疑は、韓国滞在中に知り合ったガールフレンドの私物窃盗及び脅迫。6月に3年9ヵ月の懲役刑宣告。
なお、ロシア側がこれらの逮捕・拘留米国人と交換したいと考えている人物の一人は、目下ドイツにおいて殺人罪で服役中のロシア人工作員ワディム・クラシコフ被告(58歳、2019年にドイツ避難中の反チェチェン活動家幹部を暗殺)と考えられる。
ただ、今年2月にウラジーミル・プーチン大統領(71歳、2000年就任)は捕虜交換の対象としてクラシコフのことを仄めかしていたが、今回のゲルシュコビッチ記者の裁判に関わる質問では、何ら言及していない。
(注)外国エージェント:一般的に外交使節の一員である外交官(公務員)として働く人に提供される保護・特権の範囲外で、外国の利益を積極的に遂行する個人または機関を指す。2017年制定のロシア「外国エージェント法」に基づき、当局への申告義務が課されている。
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