フィンランド大統領選決選投票;どちらが勝ってもNATO新加盟国として対ロシア強硬姿勢不変【欧米メディア】(2024/02/10)
フィンランドは議院内閣制を敷いていて、議会が国権の最高機関であり、首相が行政府のトップとして政治を切り盛りしている。ただ、外交及び安全保障政策では大統領が強い影響力を持っていて、サウリ・バイナモ・ニーニスト大統領(75歳、中道右派の国民連合党所属、2012年就任)主導で、中立・非同盟主義から北大西洋条約機構(NATO、1949年設立)への加盟という歴史的大転換を成し遂げた。そしてこの程、現大統領の任期満了に伴って、二候補の間で決選投票が行われるが、どちらが勝っても、対ロシア強硬姿勢は不変とされている。
2月8日付
『ロイター通信』、
『AFP通信』、及び2月9日付
『AP通信』は、2月11日に実施されるフィンランド大統領選決選投票では、どちらの候補が勝っても現大統領が主導したNATO加盟、対ロシア強硬姿勢に変更はないだろうと報じている。
フィンランドでは2月11日、同国現職大統領の任期満了に伴う投票が行われる。
第一回投票は、1月28日に実施(投票率74.9%)されたが、8人の立候補者のいずれも過半数の得票を得られず、上位二者による決選投票が行われることになったものである。...
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2月8日付
『ロイター通信』、
『AFP通信』、及び2月9日付
『AP通信』は、2月11日に実施されるフィンランド大統領選決選投票では、どちらの候補が勝っても現大統領が主導したNATO加盟、対ロシア強硬姿勢に変更はないだろうと報じている。
フィンランドでは2月11日、同国現職大統領の任期満了に伴う投票が行われる。
第一回投票は、1月28日に実施(投票率74.9%)されたが、8人の立候補者のいずれも過半数の得票を得られず、上位二者による決選投票が行われることになったものである。
下記候補者が決選投票に臨むが、同国大統領として影響力を有する外交及び安全保障政策では、ほとんど差異がみられない。
従って、どちらが勝っても、サウリ・バイナモ・ニーニスト現大統領の主導で歴史的転換となったNATO加盟(2023年4月正式加盟)、対ロシア強硬姿勢に変更はないとみられる。
● アレキサンデル・ストゥブ氏(55歳、国民連合党所属):1月28日の第一回投票における得票率は27.2%で第1位。
・2004~2008年欧州議会(欧州連合立法府)議員。
・2008~2011年外相。
・2011~2014年欧州及び貿易担当相。
・2014~2015年首相。
・2015~2016年財務相。
・2017年欧州投資銀行(1958年設立)副総裁就任。
・2024年2月1、2日に発生した大規模労組ストライキについて、遊説中に出された記者団の質問に対して、“内政は首相・議会が担うとする同国政治体制より、労働市場の問題に干渉する意向はない”と表明。
● ペッカ・ハービスト氏(65歳、環境政党である緑の同盟所属):第一回投票での得票率は25.8%で第2位。
・1995~1999年環境相。
・2012年及び2018年の大統領選に立候補したが、いずれもニーニスト氏に敗北。
・2013~2014年国際開発担当相。
・2019~2023年外相。ロシア友好・非同盟という長い歴史に見切りをつけ、NATO加盟に向けて主体的活動。2022年5月、NATO加盟申請書に署名。また、同年11月にウクライナ首都を訪問し、“ロシアによるウクライナ軍事侵攻を猛烈に非難する”と表明。
・大規模ストについての記者団質問に対して、“大統領としては表には立てないものの、少なくとも、舞台裏で当事者を招いて対話を促す意向だ”と発言。
・ゲイであることを公表しており、もし当選すると、同国初のLGBTQ(性的少数者の総称)大統領となるが、外交戦略等で対立候補との差異がみられないことから、ゲイであることで同国の開放性及び寛容さを高めるのに貢献しているとの評価があり、追い風となる場合もある。
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電子タバコ:豪州に続いて英国でも若年層への販売禁止措置【欧米メディア】(2024/01/30)
1月29日付
『BBCニュース』、
『ロイター通信』、
『AFP通信』等は、英国政府が早ければ年内にも、電子タバコの若年層への販売禁止措置等を織り込んだ法律を制定する意向だと報じている。
リシ・スナク首相(43歳、2022年就任)は1月29日、若者に蔓延してニコチン依存症を助長している電子タバコについて、若年層への販売禁止措置等を織り込んだ法律を早晩制定したいと表明した。
首相表明に関し、保健・社会保障担当国務長官のビクトリア・アトキンス氏(47歳、2023年就任)は同日、『BBCニュース』のインタビューに答えて、“ロンドン市内の10万人余りの子供たちが電子タバコを吸引していることが判明したため、この販売を禁止する措置を講じることで、若者のニコチン依存症を防ぐことが可能になる”とコメントしている。...
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1月29日付
『BBCニュース』、
『ロイター通信』、
『AFP通信』等は、英国政府が早ければ年内にも、電子タバコの若年層への販売禁止措置等を織り込んだ法律を制定する意向だと報じている。
リシ・スナク首相(43歳、2022年就任)は1月29日、若者に蔓延してニコチン依存症を助長している電子タバコについて、若年層への販売禁止措置等を織り込んだ法律を早晩制定したいと表明した。
首相表明に関し、保健・社会保障担当国務長官のビクトリア・アトキンス氏(47歳、2023年就任)は同日、『BBCニュース』のインタビューに答えて、“ロンドン市内の10万人余りの子供たちが電子タバコを吸引していることが判明したため、この販売を禁止する措置を講じることで、若者のニコチン依存症を防ぐことが可能になる”とコメントしている。
国民保健サービス(NHS、1948年設立)が実施した2021年における喫煙・飲酒・薬物使用調査によると、首都圏の11~15歳の子供の15%、約10万1千人が電子タバコを吸引した経験があり、更に1万3,500人以上が定期的に使用しているという。
政府が発表した別の数字によると、過去3年間で電子タバコを吸う子供の数は3倍に増えている。
世界保健機関(WHO、1948年設立)は昨年12月、すべての電子タバコフレーバーを禁止すべきだと発表している。
しかし、業界団体や英国電子タバコ産業協会(2018年設立)は、電子タバコはタバコよりも健康リスクが大幅に低く、電子フレーバーが喫煙者の切り替えを促す鍵となっていると主張している。
これに対して、関連立法を検討する閣僚は、“特に子供向けに販売されている電子フレーバーを制限し、店頭での電子タバコの陳列方法を変更して、子供たちの目の届かないところ移動させる等の措置が必要だ”としている。
更に、“子供に電子タバコを違法に販売していることが判明した店には、100ポンド(約1万8,800円)の罰金を科し、また、ニコチンパウチ等の電子タバコの代替品も子供向け販売を禁止にする”としている。
同禁止措置は、2024年末か2025年初頭に発効させる意向であるとする。
アトキンス長官は、『BBCニュース』から保守党右派からの反対の動きについて問われ、“かつて、英国のパブ(パブリック・ハウスの略で酒場の意)に入るとタバコの煙で濛々としており、とても禁煙を言い出せる雰囲気ではなかったが、現在では、公共の場で誰かがタバコに火を付けようとすると一斉に非難の目が向けられる時代になっている”として、立法化を進めるのに障害になることはないとコメントしている。
なお、「喫煙と健康活動グループ(ASH、1971年設立)」のデボラ・アーノット代表理事は、“喫煙は、肥満・飲酒・交通事故・違法薬物・HIV(エイズ)による死亡を合わせたよりも奥の死者を出している”とし、“新型コロナウィルス感染症発生時の死者数よりも多く、今こそこの惨劇を終焉させるための対応が急務だ”と訴えている。
(注)電子タバコ:化学物質が入った液体を蒸気化して吸うタバコ。バニラやグミ等何千種類もの電子フレーバーが付けられたものも販売されていて、若年層にも広がっている。
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