まず17日午前には、2万2千人の教師と支持者が林鄭月娥行政長官の住居までの行進に参加した。主催者によると、政府に反対するデモの一貫だという。一方、同じく17日、政府を支持するデモが別の地区で開催された。参加者の数は、主催者発表で47万6千人、警察はこのデモへの参加者を10万8千人としている。
さらに18日に行われた抗議集会は、土砂降りの雨、警察の禁止命令、中国政府からの圧力にもかかわらず11週連続の大規模な抗議活動となった。...
全部読む
まず17日午前には、2万2千人の教師と支持者が林鄭月娥行政長官の住居までの行進に参加した。主催者によると、政府に反対するデモの一貫だという。一方、同じく17日、政府を支持するデモが別の地区で開催された。参加者の数は、主催者発表で47万6千人、警察はこのデモへの参加者を10万8千人としている。
さらに18日に行われた抗議集会は、土砂降りの雨、警察の禁止命令、中国政府からの圧力にもかかわらず11週連続の大規模な抗議活動となった。主催者は170万人が参加したと主張し、警察は参加者の数を12万8千人と推定した。なお『CNN』によるとどちらの数字も確認が取れていないという。ただ行動そのものは、最近の週末のデモの中では最も穏やかなデモとなった。
先週空港で繰り広げられた抗議活動の暴力的な映像は大きく報道された。にもかかわらず多数の市民が参加したことで、抗議運動がまだ幅広い支持を集めていることを示すものとなった。なお空港での行動については、一部の活動家は謝罪を表明していた。
18日の集会は、「逃亡犯条例」改正問題への抗議活動が始まる以前から民主主義を求めて活動していた団体により主催された。また、今回のデモは、ここ数週間警察と参加者の間の暴力的対立がエスカレートする中で、抗議活動が今後も続きうるのかを示唆するものになると考えられていた。
警察はデモ行進を許可しなかったが、現地時間午後6時には、抗議活動参加者が主要道路を埋めつくす状況になった。参加者の多くは、反政府運動を連想させる色となった黒色の衣服を身に着け、プラカードを掲げ、スローガンを繰り返し唱和しながら、行進した。行進する人々の中には、「平和的、理性的、非暴力」といった言葉を掲げるスローガンを掲げる人もいた。一部の参加者は警察署前に集まったが、警察が対応し始めると、警察署前の参加者は行動をさらに拡大することなく、立ち去った。政府の報道官は「抗議活動はおおむね平和的だったが、交通網はひどい悪影響を受けた」と語った。
2か月に及ぶ抗議活動の中でも、特に先週の空港での暴力的行動により、香港の国際的なイメージは低下していた。また政府は今週、経済的にも悪影響が出ていることを認めた。しかし抗議活動参加者の側にも、暴力的行為が及ぼす悪影響について意識し始めた兆しが見られた。17日に行われた抗議活動の参加者も数万人に及んだが、行進は平和的に民主主義を要求するものとなった。これについて主催者は、「近隣の平穏を取り戻す」ことが目的だったとした。
しかし、市民の意思は変わっていないようだ。
IT企業に勤めるという43歳の参加者は、「次に何が起こるかわからない。しかし市民として私たちができることは、行動を続け、平和的に抗議し、政府と体制に私たちの要求を知らせることだ」と語った。
もう一人の男性の参加者は、自分は警察の暴力に抗議していると語り、「政府は私たちの声を聴いてほしい。逃亡犯条例改正を撤回し、警察の対応を調査する独立した調査委員会も設置してほしい」と語った。「この2か月、多くの出来事があったが、希望を失ってはいけないし、戦い続けるべきだ」とも話した。
中国政府の圧力が大きくなりつつあるとみられている。しかし23歳の参加者は、「中国政府は私たちのことを暴徒だと喧伝しているが、今日の行進は、私たちが暴徒ではないということを示すためのものだ」と語った。また「戦いをやめるということではない。要求が受け入れられるまで、どのような行動であれ、必要な活動を続ける。ただ、今日は一休みして、また状況を見極める」と話した。
ある参加者は、警察にやじを飛ばす参加者に対して、「今日は平和的な行進なんだ。罠にはまるな。世界が見ているぞ」と叫び、その場から離れるよう促していた。また夜遅くには、一部の参加者が、他の参加者に、帰宅して休むよう促す姿も見られた。
24歳の参加者は、「今日はとても暑く、雨も降っていた。正直言って参加するのは苦痛だ。だけど参加するしかない。それ以外に選択肢はないから」と話し、「政府が我々にそれ相応の敬意を示すまで、続けなければならない」とも話した。
「若い時には、こんなことは考えなかった。でも息子が言うのよ。『2047年以降、僕はどうなるんだ?』ってね」と、歴史の教師だという参加者は語った。2047年には、香港に一国二制度を認める合意が期限切れを迎える。「何度でも来るわ。どういう結末になるかはわからない。でも戦うわ」と彼女は話した。
18日の集会に参加した、以前ジャーナリストとして働いていたという60歳の女性は「我々は香港人。自分たちの未来のためにここに来ている。十代の若者に同情するわ」と話した。また、暴力的になったのはほんの一部の参加者で、行政機関や警察の圧力でそうなったのだ、とも話した。「本当に、私たちは平和と自由を求めているのよ」と語った。
閉じる