7月17日付
『AP通信』は「オバマがマンデラ演説で暗にトランプ批判」との見出しで以下のように報道している。
ネルソン・マンデラ生誕100年を祝いヨハネスブルクで行われた演説で、オバマ氏は“アパルトヘイト活動家だったマンデラ氏の偉業が危機に瀕している。”、“数年前には想像もできなかった急速な速さで”恐怖、怒り、緊縮の政治“が広がっている等として名前を出さずにトランプ政権の政策を批判した。また、現代を「不明瞭な時」とし、日々のニュースには不穏な見出しが躍っているとした。観客はスタンディングオベーションで答えた。
オバマ氏にとって引退後初のアフリカ訪問で、先にケニヤで亡き父の故郷に立ち寄っていた。多くの南アフリカ国民はオバマ氏をその革新的役割と米国や世界での人種的平等への功績から、マンデラの後継者とみなしている。
ハネスブルクのウィットウォーターズランド大学国際関係学教授は、「マンデラを偲ぶ舞台にありながらオバマはトランプを雄弁に非難した。この演説が米ロ会談直後だったというのは絶妙なタイミングだ。昨日トランプとプーチンが並んで立っていたが、今は対するオバマとマンデラがチームを組んでいる。」としている。
引退後オバマ氏はトランプ政権を公けにコメントすることは避けてきた。
同日付英国『TIME』は「“我々は分岐点に立っている”引退後初の大演説でバラク・オバマが言ったこと」との見出しで以下のように報道している。
火曜、大統領引退後初めて1万5千人の観客を前に、オバマ氏はマンデラ生誕100周年を記念する演説を行った。南アフリカの指導者に関しては、国際政治上の進展と民主主義を進めた点での貢献を讃え、民主主義へ立ち上がることの重要性や現在の政治について語り、トランプ大統領には言及せずに批判を交えて演説した。
「周囲を見ると、 絶対的指導者による政治が優勢になり、権力者は、民主的な施設や規範を蝕んでいる。政治駆け引きが多く、客観的真実がなおざりにされている。」等とした。
ロシア選挙介入問題にも言及し、「ソーシャルメディアが憎悪やパラノイア、陰謀の有効な拡声器であることが証明された」と述べている。
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米大統領選の共和党候補者指名争いで、3日のインディアナ州予備選圧勝後、実業家のトランプ候補の指名がほぼ確実となり、ケーシック氏との協定もむなしく2位のテッド・クルーズ上院議員が惜しくも撤退を表明。ケーシック氏も同日集会で「インディアナ州に全てを注いだが、有権者はもう一つの道を選んだ。」と続いて撤退を表明。これで共和党のトランプ氏、民主党のクリントン前国務長官、好戦を続けるサンダース上院議員の3名が残された。「トランプ大統領」誕生が現実味を帯び、今後も緊張の続く展開となっている。
5月5日付米
『CNN』は「ジョン・ケーシックが大統選から撤退」との見出しで以下のように報道している。
・テッドクルーズの撤退によりドナルド・トランプが確定候補となり、同氏への最後の挑戦者となる羽目になった後ケーシック氏は撤退を表明。オハイオ州コロンバスで報道陣に「神はすべての人同様に私に使命を与えたと常に語ってきたが、今日選挙戦から撤退し、人生の目的を全うする新たな使命に向かう決心をした」等と述べた。ケーシックは共和党では風変りでオハイオ州での医療助成制度のように民主党寄りの姿勢を取り、自身も候補が乱立する共和党より民主党から立候補したほうが良かったかもと冗談を言うほどだった。
5月3日付米
『TIME』は「なぜテッド・クルーズの大きな賭けは外れたのか」との見出しで以下のように報道している。
・クルーズ氏の後悔の根底には2012年上院議員に立候補した時に徹底した保守主義でないと当選出来ないとしたことに遡る。共和党の参謀ほぼ全員が認めるように、予備選で中道右派の保守主義候補でスタートし、本選挙で中道にシフトする方法でないと勝てないとする。5000万人以上も自称キリスト教福音主義の有権者がミッド・ロムニー(2008、2012年大統領選立候補)の時代にいた。右派では躍進できないとみたクルーズ氏は神と銃の信者だとし人民主義に向かう。2014~15年にかけ白人福音主義者や超保守派に働きかけてきたが、結果は多数がロムニーを支持していた。今年、有権者は政治に純粋さを求めてはいなかった、憲法を謳うより怒りのはけ口を求めた。クルーズ氏は完全に読み間違いをした。
5月4日付米
『ニューヨークタイムズ』は、「トランプ大統領?その発言と見解」との見出しで以下のように報道している。
・トランプ大統領が就任したら、まず就任式の日、豪華な祝賀会を催し、移民に関するオバマ体制の解体から始め組織運営を国内に留めるべく厳しい政策を打ち出すだろう。就任100日までに、メキシコ国境の壁の原案が完成、イスラム教徒の移民排斥法が施行され、連邦準備金の監査が始まり医療費負担適正化法が廃止される。トランプ氏は「今国民はトランプ大統領になったらどうなるのかと不安だろうが、すべて問題ない。国を不安定にするために大統領に立候補したのではない。」と述べる。
・就任初日から副大統領らと共に時間を無駄にすることなく外交問題に対応する軍事力強化、内政安定のための議論で良い国にするために働く。ツイートはあまりしなくなるがメッセージは国民、国外に分かりやすいように伝える。しかし連邦議会議事堂での就任式典では、批判的な抗議デモがナショナルモールでも起こるやもしれない。
・トランプ氏は11月までの半年間、共和党、民主党、無党派とも融合するよう努めるという。「全員に好かれる大統領とは思っていない。この国の状況は深刻で、国民もビジネスも散々な状況だ。早急に大きな改革をするために立候補したのだ。」
・近代アメリカにはトランプ政権のようなものはなかった。政治に縁のないビジネスの巨匠やタレントまでもが知事に当選している。トランプ大統領は前代未聞だが、歴史学者は、組閣や上院議員が招集され国を任せられると判断されれば、国民は慣れてくると指摘する。大統領を専門とする歴史学者のロバート・ダレック氏は、「トランプ氏はそつなくこなすだろうが、官僚や憲法に従うと、同氏の仕事量は膨大だが権限は先代より限られたものとなる。変革するとしている貿易や移民に関しても国会が介入し賛否が起きる。大統領は王ではない。」とする。
同日付米
『NPR』は「民主党のために撤退しない、とバーニー・サンダース」との見出しで以下のように報道している。
・ヒラリー氏から票を奪うために撤退しないのかとの質問にサンダース氏は、この国の政治活動のレベルを高めるために政治改革を継続するためだと答えた。国と民主党のために活発な議論を展開し国民に政治に参加してもらいたい。11月の本選で民主党に勝利を導きたい。投票率が上がれば民主党は共和党に勝てるとした。
・政治的対話を活発にするために出来る事はすべてやるつもりだ。若者、労働者階級は政治に参加してほしい。
・来月14日のワシントンD.C.で行われる最後の予備選挙まで出馬し続ける。細い道ではあるがまだ勝てる望みを捨てたわけではない。
・残りの代議員の82%の獲得が必要であるにも関わらず、過去ワシントン州で73%、ユタ州で79%獲得した自信から、今後のオレゴン州やカリフォルニア州での多数票獲得にも望みを賭ける。
・最新の調査では、ウェストバージニア州で勝算の見込みだが、その後の州での見方は厳しい。カリフォルニアとニュージャー州ではクリントン氏に勝算がある。
・スーパー代議員が考えを変える期待もある。(サンダース氏が出馬する以前から)クリントン派の代議員にも、トランプ氏に勝てる候補を見極めて欲しい。クリントン氏が大統領に相応しいとは言わないが、トランプ氏が11月に勝利するのは押さえたいと述べた。
5月5日付英
『BBC』は以下のように報道している。
・有権者が既成の古い規範にうんざりし、怒りをため反抗的になっていることが米国大統領選挙によく表れている。トランプの台頭、ジェブブッシュやマルコルビオ等の主流派の失敗、クリントン候補のライバルサンダース候補の台頭で顕著となっている。
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