米大統領選挙:2候補撤退で共和党はトランプ指名確実
米大統領選の共和党候補者指名争いで、3日のインディアナ州予備選圧勝後、実業家のトランプ候補の指名がほぼ確実となり、ケーシック氏との協定もむなしく2位のテッド・クルーズ上院議員が惜しくも撤退を表明。ケーシック氏も同日集会で「インディアナ州に全てを注いだが、有権者はもう一つの道を選んだ。」と続いて撤退を表明。これで共和党のトランプ氏、民主党のクリントン前国務長官、好戦を続けるサンダース上院議員の3名が残された。「トランプ大統領」誕生が現実味を帯び、今後も緊張の続く展開となっている。
5月5日付米
『CNN』は「ジョン・ケーシックが大統選から撤退」との見出しで以下のように報道している。
・テッドクルーズの撤退によりドナルド・トランプが確定候補となり、同氏への最後の挑戦者となる羽目になった後ケーシック氏は撤退を表明。オハイオ州コロンバスで報道陣に「神はすべての人同様に私に使命を与えたと常に語ってきたが、今日選挙戦から撤退し、人生の目的を全うする新たな使命に向かう決心をした」等と述べた。...
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5月5日付米
『CNN』は「ジョン・ケーシックが大統選から撤退」との見出しで以下のように報道している。
・テッドクルーズの撤退によりドナルド・トランプが確定候補となり、同氏への最後の挑戦者となる羽目になった後ケーシック氏は撤退を表明。オハイオ州コロンバスで報道陣に「神はすべての人同様に私に使命を与えたと常に語ってきたが、今日選挙戦から撤退し、人生の目的を全うする新たな使命に向かう決心をした」等と述べた。ケーシックは共和党では風変りでオハイオ州での医療助成制度のように民主党寄りの姿勢を取り、自身も候補が乱立する共和党より民主党から立候補したほうが良かったかもと冗談を言うほどだった。
5月3日付米
『TIME』は「なぜテッド・クルーズの大きな賭けは外れたのか」との見出しで以下のように報道している。
・クルーズ氏の後悔の根底には2012年上院議員に立候補した時に徹底した保守主義でないと当選出来ないとしたことに遡る。共和党の参謀ほぼ全員が認めるように、予備選で中道右派の保守主義候補でスタートし、本選挙で中道にシフトする方法でないと勝てないとする。5000万人以上も自称キリスト教福音主義の有権者がミッド・ロムニー(2008、2012年大統領選立候補)の時代にいた。右派では躍進できないとみたクルーズ氏は神と銃の信者だとし人民主義に向かう。2014~15年にかけ白人福音主義者や超保守派に働きかけてきたが、結果は多数がロムニーを支持していた。今年、有権者は政治に純粋さを求めてはいなかった、憲法を謳うより怒りのはけ口を求めた。クルーズ氏は完全に読み間違いをした。
5月4日付米
『ニューヨークタイムズ』は、「トランプ大統領?その発言と見解」との見出しで以下のように報道している。
・トランプ大統領が就任したら、まず就任式の日、豪華な祝賀会を催し、移民に関するオバマ体制の解体から始め組織運営を国内に留めるべく厳しい政策を打ち出すだろう。就任100日までに、メキシコ国境の壁の原案が完成、イスラム教徒の移民排斥法が施行され、連邦準備金の監査が始まり医療費負担適正化法が廃止される。トランプ氏は「今国民はトランプ大統領になったらどうなるのかと不安だろうが、すべて問題ない。国を不安定にするために大統領に立候補したのではない。」と述べる。
・就任初日から副大統領らと共に時間を無駄にすることなく外交問題に対応する軍事力強化、内政安定のための議論で良い国にするために働く。ツイートはあまりしなくなるがメッセージは国民、国外に分かりやすいように伝える。しかし連邦議会議事堂での就任式典では、批判的な抗議デモがナショナルモールでも起こるやもしれない。
・トランプ氏は11月までの半年間、共和党、民主党、無党派とも融合するよう努めるという。「全員に好かれる大統領とは思っていない。この国の状況は深刻で、国民もビジネスも散々な状況だ。早急に大きな改革をするために立候補したのだ。」
・近代アメリカにはトランプ政権のようなものはなかった。政治に縁のないビジネスの巨匠やタレントまでもが知事に当選している。トランプ大統領は前代未聞だが、歴史学者は、組閣や上院議員が招集され国を任せられると判断されれば、国民は慣れてくると指摘する。大統領を専門とする歴史学者のロバート・ダレック氏は、「トランプ氏はそつなくこなすだろうが、官僚や憲法に従うと、同氏の仕事量は膨大だが権限は先代より限られたものとなる。変革するとしている貿易や移民に関しても国会が介入し賛否が起きる。大統領は王ではない。」とする。
同日付米
『NPR』は「民主党のために撤退しない、とバーニー・サンダース」との見出しで以下のように報道している。
・ヒラリー氏から票を奪うために撤退しないのかとの質問にサンダース氏は、この国の政治活動のレベルを高めるために政治改革を継続するためだと答えた。国と民主党のために活発な議論を展開し国民に政治に参加してもらいたい。11月の本選で民主党に勝利を導きたい。投票率が上がれば民主党は共和党に勝てるとした。
・政治的対話を活発にするために出来る事はすべてやるつもりだ。若者、労働者階級は政治に参加してほしい。
・来月14日のワシントンD.C.で行われる最後の予備選挙まで出馬し続ける。細い道ではあるがまだ勝てる望みを捨てたわけではない。
・残りの代議員の82%の獲得が必要であるにも関わらず、過去ワシントン州で73%、ユタ州で79%獲得した自信から、今後のオレゴン州やカリフォルニア州での多数票獲得にも望みを賭ける。
・最新の調査では、ウェストバージニア州で勝算の見込みだが、その後の州での見方は厳しい。カリフォルニアとニュージャー州ではクリントン氏に勝算がある。
・スーパー代議員が考えを変える期待もある。(サンダース氏が出馬する以前から)クリントン派の代議員にも、トランプ氏に勝てる候補を見極めて欲しい。クリントン氏が大統領に相応しいとは言わないが、トランプ氏が11月に勝利するのは押さえたいと述べた。
5月5日付英
『BBC』は以下のように報道している。
・有権者が既成の古い規範にうんざりし、怒りをため反抗的になっていることが米国大統領選挙によく表れている。トランプの台頭、ジェブブッシュやマルコルビオ等の主流派の失敗、クリントン候補のライバルサンダース候補の台頭で顕著となっている。
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自動運転車で社会はどう変わる?
アメリカではグーグルをはじめ数社のコンピュータ制御された自動運転車が既に街中を走り実験が行われている。自動車事故の多くは不注意や居眠りなどの人的ミスとされるため、自動運転の最大のメリットは事故防止だと言われている。長距離バス、トラック、また高齢ドライバーの事故防止にも期待出来そうである。しかし技術革新という以上に社会、経済にも大きく影響するため慎重に扱う必要がある。
2月22日付米
『NPRニュース』は、「次に自動運転車に何が必要?」との見出しで次のように報道している。
・コンピュータに運転を任せるかとの質問に正確で障害がないのならと答える人に対して自分で運転したい、運転を楽しみたいと答える人もいる。ミシガン大学の調査によると、9割のアメリカ人は自動運転車に懸念を抱いているという。
・米運輸長官アンソニー・フォックス氏へのインタビューによると、自動または接続された車により事故は8割減らせるという。...
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2月22日付米
『NPRニュース』は、「次に自動運転車に何が必要?」との見出しで次のように報道している。
・コンピュータに運転を任せるかとの質問に正確で障害がないのならと答える人に対して自分で運転したい、運転を楽しみたいと答える人もいる。ミシガン大学の調査によると、9割のアメリカ人は自動運転車に懸念を抱いているという。
・米運輸長官アンソニー・フォックス氏へのインタビューによると、自動または接続された車により事故は8割減らせるという。
・カリフォルニアの自動車省では自動運転車への免許所持者の同乗の義務付けが検討されている。
・米運輸省が懸念していることは自動運転機能が自動車にある場合、運転免許証を付与するための講習をどのように行うか。
・運転者の安全基準に従って運転されている車を標準としている現在に対し、技術革新に伴い政府がどう先手を打っていくかが問われる。
同日付英
『Phys.org』は、「自動運転車は革命に違いないが良い側面だけでない」との見出しで次のように報道している。
・自動運転技術は、単に技術的装置でなく経済と社会に変化をもたらすものである。自動運転の影響を研究した南イリノイ州立大学の教授は「よい結果をもたらすとは限らない」という。
・良い面で、まずは事故の減少が期待できる。米国における9割以上の交通事故が運転手の過失によるものであり、人間のように注意散漫にならず、大幅に安全運転となる。周りの状況を繊細なセンサーでリアルタイムに感知できる。
・半自動運転車と呼ばれる車でも、ブレーキや車線維持機能がついていており、事故を減らし多くの命を救うことができる。
・また渋滞を減らし、車の流れをスムーズにする。センサーと素早い反応時間で、車間距離も人の運転より短くなると専門家はいう。
・また、事故の可能性が低くなるので車体は軽く出来るため燃費も向上する。渋滞が減れば大気汚染、温室効果ガス排出も減らすことが出来る。ロボットの運転手に車のキーを渡すことで乗車する人は運転中仕事をしてもよく、くつろぐことも可能になる。
・米ユーバー株式会社(タクシー配車システム)等の企業は、一定地域で個人限定のサービスへの利用を模索しており、高齢の為運転できなくなった人や障害のある人、マイカーを所有出来ない人を対象とする。
・しかし、欠点もある。事故の減少だけみると、それに関わる分野、整備工場、車の保険、病院の救急。車の運転で生計を立てていた人、タクシー、トラック、バスの運転手などの失業につながる。
・一方で意図しない影響として、車の渋滞の負担感か減るためより多くの人が車通勤するようになり逆説的に大気汚染と渋滞を加速させるかもしれない。休暇には、多くの人が車で長距離旅行に出かけるようになるかもしれない。様々な観点から影響を予測することが重要である。
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