北海道の鹿部町の山林で親にしかられ、しつけで森に置き去りにされた後、行方不明になっていた7歳の男の子が自衛隊施設内で無事保護された事件では、奇跡的救出劇の真相への注目と、両親のしつけの仕方に賛否両論が繰り広げられている。この事件は置き去りという点で、海外主要メディアからも高い関心が寄せられたと日本の報道でも紹介されていた。道警は心理的虐待の疑いがあるとして両親を児童相談所に通告したそうであるが、各誌は、置き去りが虐待で行き過ぎとする意見と一方では強硬なしつけに理解を示す声もあるという日本国内での賛否の在り方と、ネグレクトによる起訴が必要ではないかとの意見が見られる。
6月3日付英国
『ガーディアン』は「森に置き去りの少年の驚異的サバイバル」との見出しで次のように報道している。
・自衛隊員による発見時、一週間人と対面していなくとも少年は怯まなかったし、涙もなく隊員の質問にしっかり受け答えした。7日間失踪した割には落ち着いておりパニックも見られないと医師も述べる。
・すべての親にとって当少年の失踪は悪夢であったが、数百頭の熊が生息する深い森の中にある自衛隊宿舎での彼の発見はいくつかの幸運が重なった結果だった。...
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6月3日付英国
『ガーディアン』は「森に置き去りの少年の驚異的サバイバル」との見出しで次のように報道している。
・自衛隊員による発見時、一週間人と対面していなくとも少年は怯まなかったし、涙もなく隊員の質問にしっかり受け答えした。7日間失踪した割には落ち着いておりパニックも見られないと医師も述べる。
・すべての親にとって当少年の失踪は悪夢であったが、数百頭の熊が生息する深い森の中にある自衛隊宿舎での彼の発見はいくつかの幸運が重なった結果だった。腕と脚にかすり傷程度で、両親に永久に捨てられたと信じ水も食料もなく3マイル(5km)狭い道を歩き数時間後自衛隊基地に入り、漆黒の森の夜は7℃まで冷え込んだ。捜索が続く中、多くの人が最悪の結果を予測、今週頭の捜索で野生の熊が見つかったことからもやんちゃな少年の失踪は最悪の結果を迎えるシナリオがよぎり始めていた。
・44歳の父親は行き過ぎた行動を病院で息子に詫び、少年は「OK」と答えた。少年置き去り事件は親のしつけか、はたまた虐待か日本で議論を呼んだ。少年発見後もオンライン上の両親への批判がやまず、しつけの限界値についての議論は加熱。初動の山菜獲りでいなくなったとの嘘でよけいに怒りと不信感は増したようだ。
・「共同通信」は警察は両親を育児放棄で起訴する用意があるとしたが現段階では不明。多くのソーシャルメディアは両親のしつけへの非難やある程度の理解の賛否で過熱しているが、少年の柔軟性と機転を称賛する声もある。
同日付米国
『CNN』は以下のように報道している。
・同事件は日本でしつけの仕方に関する議論を過熱させた。多くの人は両親のネグレクトを非難。しかし理解を示す意見もある。やさしく言い聞かせるのは理想的なしつけだが、多忙な日常生活では難しい時もある、と13人の子を持つTVタレントの「ビッグダディ」こと林下氏は述べている。
同日付英国
『ミラー』は以下のように報道している。
・ヒグマは人を殺してきた、20世紀の初め57年間で140人がクマに襲われ死亡している。1915年北海道の村で高さ2.7m、380Kgでのヒグマに襲われ7人死亡3人負傷。
同日付英国
『テレグラフ』は「熊が生息する森に罰として置き去りにされた日本の少年が両親と再会」との見出しで以下のように報道している。
・この事件を機に、日本のしつけ方法にスポットが当てられており、少年の両親の行動に対し社会的に注目を集める批評家や教育学者から意見が出ている。
・教育専門家として著名な尾木直樹氏もその一人で、ブログではこのような行動は非難に値し両親をすぐに逮捕するべき、としていた。一方、子育てのフラストレーションに注目し強くでる子育て法も時には必要だと同情する声もある。
・ツイッターでの盛り上がりからも国民の注目度合いが見て取れ、厳しいしつけはすべて虐待なのだろうか、というツイートもある。アルピニストも少年が一人で生き残ったのは信じられないほどの奇跡だとツイート。この事件は子どもとの関わりを考える良い機会となるやもしれない。
6月4日付米国
『NJ』は「世論調査:森にしつけで置き去りされた少年の両親を起訴するべき?」との見出しで以下のように報道している。
・「CNN」の報道によると、森に置き去りにされた7歳の少年は一週間後、無事生存が確認された。父親は「しつけを後悔、このような事態となったことを申し訳なく思う」と述べたが、当初当局には山菜取りでいなくなったと告げ、後になり石を車や人に投げつける少年への罰として熊の棲む森に置き去りにしたと認めた。
・警察は両親を起訴するか検討中であり、日本でこの事件は両親のしつけ方法についての議論を巻き起こしている。多くは両親のネグレクトを批判している。あなたは両親が起訴されるべきだと思いますか?
同日付米国
『マッシャブルアジア』は「悲劇が襲ったときソーシャルメディアはまず両親を責める」との見出しで以下のように報道している。
・ここ一週間インターネット上のユーザーは少年の安否確認に落ち着かない様子が見られ、「捨てる(置き去り)」という言葉が多数の老舗主要メディアの表題に踊った。
・数日前には米国オハイオのシンシナティの動物園で不注意で子どもをゴリラの檻に入れた事件では母親の保護責任を要求する50万人の署名があり親の保護責任に注目が集まっている。今回の事件では数分注意を払わず子どもを置き去りにし無視したが、保護監察を完全に放棄したわけでない。親が子に与えられる最大の脅威は、子を捨てることである。両親は今回、確かに捨てた。
・ソーシャルメディアは部分的には正しい。両親は責任があるし、子を物理的危険な状況にさらし心理的に不安な状況に置いた。大和少年の父親は公けに謝罪するビデオを作り、それを見た人は謝罪に感謝した。ソーシャルメディアは両親をしつける、という格好の役割をなした。
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