アメリカ司法省が連邦政府での死刑執行を16年振りに再開すると発表した(州単位では死刑は存続している)。既に死刑囚5名への刑執行が年末から行われる予定だという。これはトランプ政権による麻薬・凶悪犯罪対策の一環とされる。一方、次期大統領選の民主党候補ジョー・バイデン元副大統領は、死刑廃止を唱えており、死刑再開を巡る選挙討論の行方も注目される。
7月25日付
『ロイター通信』は「司法省が死刑再開、5人の刑執行予定」との見出しで以下のように報道している。
バー司法長官が議会両院と大統領が死刑再開を承認したと発表。「我々は被害者や遺族に対し、司法制度により課された判決を前に進める義務を負っている」としている。
前回の連邦地裁での死刑執行は2003年で、それ以降、歴史的に執行に使用されてきた薬物を巡り刑執行は延期を重ねてきた。...
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7月25日付
『ロイター通信』は「司法省が死刑再開、5人の刑執行予定」との見出しで以下のように報道している。
バー司法長官が議会両院と大統領が死刑再開を承認したと発表。「我々は被害者や遺族に対し、司法制度により課された判決を前に進める義務を負っている」としている。
前回の連邦地裁での死刑執行は2003年で、それ以降、歴史的に執行に使用されてきた薬物を巡り刑執行は延期を重ねてきた。麻薬取引や銃乱射事件の増加に伴い、トランプ大統領は死刑の執行を司法省に要求してきた。政権発足当初、セッションズ元司法長官は、連邦刑務所局に対し、死刑再開に必要な対策を精査するよう要求、
昨年3月には麻薬中毒危機撲滅対策の一環として、麻薬ディーラーや密売人事件での導入検討を要求していた。
一方上院司法委員会の 民主党幹部はこの決定は間違いだと反論。米国世論は1990年以降減少している死刑に賛成との世論調査が出ている。EU諸国は死刑を廃止しており、グレテス国連事務総長は、全面的に死刑に反対の立場を表明している。
米国最高裁では執行方法で議論が分かれており、リベラル派の判事は、現行の執行方法は合衆国憲法修正第8条に違反し残酷であるとしながら、麻薬注入にも疑問を呈している。多数派の保守判事(2人はトランプ指名)は、賛成の立場は示していない。
現在、62人の連邦受刑者(ボストンマラソン爆破テロ犯を含む)がいるが、その内41・9%が黒人、43.6%が白人、11.3%がラテン系、1,6%がアジア系や原住民族。ほぼ半数の死刑判決はテキサス、バージニア、ミズーリからの受刑者が占めており、死刑判決自体に地理的、人種的バイアスがあると指摘する声もある。
司法省は重大事件、性犯罪者の5人の死刑執行を予定しており、今後も更なる執行を予定しているとしている。
26日付米国『NBC』は「トランプ政権の司法省が、バイデン時代連邦死刑判決を受けた5人の死刑執行を計画」との見出しで以下のように報道している。
トランプ政権の司法省が死刑執行を予定している5人の死刑囚のうち、4人は2020年大統領選の民主党候補ジョー・バイデン氏が支持した犯罪防止法の条項が適用され、死刑判決が下っているという。
司法省は、バイデン氏が連邦死刑廃止の立場を表明した2日後の25日、死刑執行再開を発表。5人の死刑囚は12月~来年1月にかけて死刑が執行される予定だが、その一人のBourgeois死刑囚は、バイデンが支持した1994年制定の連邦犯罪防止包括法、又は、彼が賛成票を投じた1988年の薬物乱用防止法が適用されているという。
バイデン氏はツイッターで、「1973年以来160人へ死刑判決が下ったが、後に無実が判明している。正しい判断か確証がないため、死刑執行は廃止すべきだ。」と投稿。
バイデンの方針転換と時を同じくした今回のトランプ政権の動きで、次回デトロイトで開かれる民主党討論会でのバイデン氏の主張が注目される。バイデン氏の方針転換は、他の民主党候補と歩調を合わせるものだが、仮に今後トランプと本選挙で対戦となれば、同氏が左派寄りだと民主党有権者に訴える材料をトランプ氏に与えてしまうものとなるだろう。
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PayPalの創業者で、シリコンバレーで大きな影響力を持つピーター・ティール氏は、ドナルド・トランプ大統領に挑む2020年の大統領選挙で最も恐れるべき民主党候補としてエリザベス・ウォーレン上院議員を挙げている。
7月15日付米国
『FOX』は「ピーター・ティールがタッカー・カールソンに語った2020年の選挙で最も恐れる民主党候補」との見出しで以下のように報道している。
資産家で投資家のピーター・ティールは、2020年の選挙を前に、ある一人の民主党候補を懸念しているという。それはマサチューセッツ州選出のエリザベス・ウォーレン上院議員。タッカーカールソン・トゥナイトで明かした。他の民主党候補者は独自の政治姿勢を強調する中、彼女は経済政策をキャンペーンで提唱しているという。...
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7月15日付米国
『FOX』は「ピーター・ティールがタッカー・カールソンに語った2020年の選挙で最も恐れる民主党候補」との見出しで以下のように報道している。
資産家で投資家のピーター・ティールは、2020年の選挙を前に、ある一人の民主党候補を懸念しているという。それはマサチューセッツ州選出のエリザベス・ウォーレン上院議員。タッカーカールソン・トゥナイトで明かした。他の民主党候補者は独自の政治姿勢を強調する中、彼女は経済政策をキャンペーンで提唱しているという。「彼女を最も恐れている。経済について議論しているのは彼女だけだ。これが最大の懸念だ」とする。また他の候補が印象が薄く、今ひとつパッとしないとも述べている。ティール氏は2016年共和党全国党大会で、ゲイのゲストとして初めて演説をした人物。
同日付米国『CNBC』は「投資家でトランプ支持者のピーター・ティールはエリザベス・ウォーレンが最も“危険”な民主党候補だと考えている」との見出しで以下のように報道している。
初期のFacebook投資家でトランプ支持者のピーター・ティールが大統領選の民主党候補に意見を述べている。FOXニュースの「タッカーカールソン・トゥナイト」でエリザベス・ウォーレンを最も恐れていると発言。彼女だけが経済について議論していた。その点が最も気になったとしている。他候補は独自性のある政策を強調し、一様に印象が薄いとした。
ティール氏は2016年大統領候補のドナルド・トランプ氏を支持することを表明し、IT業界からは異例なことに、共和党全国党大会で演説を行った。昨年にはトランプの再選キャンペーンに向けて共和党全国委員会へ献金を行っている。
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