安倍内閣支持率急落に海外メディアも懸念表明【米・英・中国メディア】(2017/07/16)
6月21日付
コラム【日本の世相と世界の動き・・No.123<首相の支持率>】の中で触れたとおり、6月の各大手紙の世論調査による安倍内閣支持率は、5月時に比べて▼6~12%下落し、36~49%となっている。そして、7月6日付Globali「安倍首相、都議選の失態をG-20サミット主導及び日欧EPA成立で名誉挽回」の中で、安倍首相は外交での成果を以て支持率を挽回すべく奔走していると触れた。しかし、その努力は全く奏功しなかった模様で、
『時事通信』の直近の世論調査の結果、支持率は初めて30%割れ、かつ、不支持率が48%と末期的な症状が現れたことから、同政権が推し進めてきたアベノミクスの将来はどうなるのか、また、安倍首相が主導する憲法改正に向けての政治的活動が後退させられることにならないか、更には、来年9月に予定されている自民党総裁選での安倍氏の3選も危うくなってしまうのではないかと、海外メディアも一斉に懸念を表明している。
7月14日付米
『CNBCニュース』:「経済アナリスト:安倍晋三首相の支持率急落で、市場は“アベノミクス”の持続性を疑問視と評価」
経済アナリストは、安倍晋三首相の直近の支持率下落が続くようだと、市場は“アベノミクス”(金融緩和、財政刺激策、構造改革の3本の矢)の長期的持続性を疑問視することになろうとコメントした。
『時事通信』が7月14日に公表した直近の世論調査の結果、安倍内閣の支持率は29.9%と初めて30%を割り、また、不支持率が48.6%まで上昇している。...
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7月14日付米
『CNBCニュース』:「経済アナリスト:安倍晋三首相の支持率急落で、市場は“アベノミクス”の持続性を疑問視と評価」
経済アナリストは、安倍晋三首相の直近の支持率下落が続くようだと、市場は“アベノミクス”(金融緩和、財政刺激策、構造改革の3本の矢)の長期的持続性を疑問視することになろうとコメントした。
『時事通信』が7月14日に公表した直近の世論調査の結果、安倍内閣の支持率は29.9%と初めて30%を割り、また、不支持率が48.6%まで上昇している。また、
『朝日新聞』の今週初め(7月11日)の報道でも、支持率33%、不支持率47%となっている。
なお、安倍政権は2017年の経済目標-国内総生産(GDP)の2017年度成長率を+1.5%、2018及び2019年度を+1.4%とする目標-を据え置いたままである。
同日付英
『デイリィ・メール・オンライン』(
『ロイター通信』配信):「直近の世論調査で、安倍内閣の支持率は30%以下に割り込む」
7月7~10日に実施した
『時事通信』の世論調査の結果、安倍内閣の支持率は、2012年の政権復帰以来最低値となる30%を割り込んだ。前回調査より15%もの落ち込みである。
加計学園問題や閣僚の失言などが逆風となっていると考えられるが、これによって、当初は可能性が高かった2018年9月の自民党総裁3期目の話も、危ぶまれるようになっている。
このため、安倍首相が主導している、米国から押付けられたとする現行憲法を、2020年までに改正に持っていきたいとする政治的活動についても、かなり後退させられる恐れがあるとみられる。
7月15日付中国
『新華社通信』:「メディアの世論調査:安倍内閣の支持率が急落して最低値を更新」
7月14日報道の
『時事通信』の世論調査結果では、(加計学園問題等で)安倍首相が説明責任を果たしていないと考える人が79.9%にも上っているが、十分説明しているとする人は僅か7.1%に止まっている。
また、
『日本ニュース・ネットワーク(NNN、日本テレビ系)』の先週の調査結果でも、安倍内閣支持率は、前回1ヵ月前に比べて▼7.9%の31.9%まで急落し、また、不支持率は同様+7.4%の49.2%まで急上昇している。
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支持率下落により内閣改造を目論む日本の安倍首相(2017/07/11)
2012年の政権復帰以来最低の支持率に沈み、安倍政権とアベノミクスの持続性に疑問を呈されている安倍首相は、7月の東京都議会議員選挙で惨敗した自民党の反転を期して、8月に内閣改造を行う。7月10日発表の朝日新聞による週末の世論調査では、安倍政権の支持率は33%で、前週から7ポイント低下した。一方、不支持率は47%で5%上昇した。安倍首相支持で知られる保守系の読売新聞とNTVや、公共放送のNHKによる世論調査も同様の結果を示した。...
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2012年の政権復帰以来最低の支持率に沈み、安倍政権とアベノミクスの持続性に疑問を呈されている安倍首相は、7月の東京都議会議員選挙で惨敗した自民党の反転を期して、8月に内閣改造を行う。7月10日発表の朝日新聞による週末の世論調査では、安倍政権の支持率は33%で、前週から7ポイント低下した。一方、不支持率は47%で5%上昇した。安倍首相支持で知られる保守系の読売新聞とNTVや、公共放送のNHKによる世論調査も同様の結果を示した。7月7~9日の読売新聞の世論調査によると、安倍首相の支持率は6月中旬より13ポイント低下し、36%となった。不支持率は41%から52%に上昇した。NTVの調査では支持率32%、NHKでは35%に下がった。安倍首相はG20首脳会議出席のため訪問中の欧州で記者団に対し、8月初旬に内閣改造を行うと述べた。
この内閣改造では問題のある発言や不祥事で批判された一部の大臣を交代させる予定だ。稲田防衛相は、東京都議会議員選挙で自民党候補の応援演説に際し、防衛省として応援すると発言し、公務員と防衛省の中立性を定めた法律に違反したとして非難されており、交代の予定だ。
安倍首相自身を含む一連のスキャンダルや共謀罪等重要法案の強行採決、経済改革の遅れで安倍首相は支持率を下げ、7月2日の東京議会議員選挙で自民党の大敗をもたらした。この低い支持率は、安倍首相が景気刺激策を実行して人気を回復させるか、それとも新たな自民党の指導者が選ばれるかにつながる可能性がある。
しかし、国会での政治基盤を欠く小池東京知事を除いて日本の野党は弱く、安倍首相の強い議会での基盤を考えると、この困難を乗り越えることができる可能性もある。安倍首相の共謀罪等の非経済政策は国民の理解を得られておらず、2020年までに日本の憲法を改正するという公約は、多くの有権者にとって優先課題ではない。安倍首相のスキャンダルは自民党内での政局につながった。安倍首相のライバルの石破氏は東京都議会議員選挙の敗北を契機に、安倍政権を批判し方向転換を要求している。また安倍首相の後継者とされている岸田外相も自民党の指導力を主張し始めた。安倍首相は、2018年秋に自民党総裁としての2回目の3年間の任期を終える予定である。2020年の東京オリンピックを自分の手で行う野望を果たすためには、党総裁選と、遅くとも2018年12月までに行われる総選挙に勝つ必要がある。
首相の友人が新しい獣医大学の政府からの承認を得る手助けをしたとのスキャンダルが現在進行中である 。7月10日、文部科学省の前川前事務次官は、意思決定プロセスは極めて不公平で不透明であったとし、明らかに首相官邸が獣医大学の承認に対して重大な影響を与えたと国会の聴聞会で語った。この聴聞会には安倍首相は出席しなかった。自民党は文部科学省の前事務次官の国会招致を繰り返し拒否してきたが、7月2日の東京都議会議員選挙で敗北した後、譲歩した。安倍首相の側近は、この問題は規制緩和の一環だとして問題ないと述べた。読売新聞の世論調査では72%の回答者が、新しい獣医大学に関するスキャンダルについて説明する必要があると回答した。
読売新聞は、安倍政権の支持率がわずか2カ月前に61%だったのと比較して、支持率の下落幅の大きさは衝撃的だと指摘し、これに安倍首相は大変残念に思うと繰り返しているが、国民の不信感はこれまでになく増えているとしている。また米国の日本に関するある専門家は読売新聞の世論調査は、自民党支持者を含む国民の信頼が崩壊していることを示唆しており、来月予定されている内閣改造はあまりにも遅すぎると指摘する。
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