既報どおり、習近平(シー・チンピン)氏は、昨年10月の共産党大会で総書記として2期目の指導体制が承認され、今年3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で国家主席の任期が無期限とされた。そこで、半永久的に権力を掌握することになった習氏は、これまで以上にメディア・コントロールを強化し、反政府運動等に繋がりかねない一切の芽を摘む強権支配を仕掛けようとしている。更に、国営メディアを
『ボイス・オブ・チャイナ』に一本化して、中国国家理念を喧伝するプロパガンダ大媒体を組織する意向である。
3月21日付
『ロイター通信米国版』:「中国、新たな監視組織を設けて更にメディア・コントロールを強化」
『ロイター通信』は3月21日、習近平指導部の下、ニュース・インターネット・映画等のメディア管理を強化するための新たな監視体制が敷かれると報道したが、国営『新華社通信』もこれを追認した。
最高指導機関である党中央委員会の3月19日付資料によると、これまでメディアを監督してきた国家新聞出版広電総局が今月初めに解体され、代わって、プロパガンダ・政治的信念・文化的娯楽の観点から、より直接的に管理・監督する新組織を立ち上げるとする。...
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3月21日付
『ロイター通信米国版』:「中国、新たな監視組織を設けて更にメディア・コントロールを強化」
『ロイター通信』は3月21日、習近平指導部の下、ニュース・インターネット・映画等のメディア管理を強化するための新たな監視体制が敷かれると報道したが、国営『新華社通信』もこれを追認した。
最高指導機関である党中央委員会の3月19日付資料によると、これまでメディアを監督してきた国家新聞出版広電総局が今月初めに解体され、代わって、プロパガンダ・政治的信念・文化的娯楽の観点から、より直接的に管理・監督する新組織を立ち上げるとする。
この一環で、既存の『中国中央テレビ(CCTV)』、『中国環球テレビ・ネットワーク(CGTN)』、『国家ラジオ放送局』及び『国家国際ラジオ放送局』が統合され、新たに『ボイス・オブ・チャイナ』に一本化される。
なお、上記の他、金融から食料安全政策までのあらゆる分野で、それらを管理・監督してきた組織が、近年にないほど大規模に改編される。
同日付英『ザ・ガーディアン』紙:「中国国営メディアが統合されプロパガンダ(組織宣伝)大媒体が出現」
『新華社通信』の3月21日付の通告によると、従来の中国国営テレビ・ラジオ放送局が一本化され、世界最大規模のプロパガンダ媒体が新たに組織されるという。
同通信によると、新組織の下で、共産党の理念・ガイドライン・政策をより広く、速やかに大衆に直接届けることを目的とするとしている。
習国家主席はかつて、国営メディアは共産党の政策に忠実であらねばならないと発言していたが、それに沿って、正に厳しい管理・監督体制が敷かれることになるとみられる。
なお、習指導部は、メディア以外のあらゆる分野の省庁について、共産党の管理・監督が更に密にできるよう、大幅な改編を行う予定である。
一方、3月22日付中国『人民日報』:「国際社会が中国を更に理解するため、新組織の『ボイス・オブ・チャイナ』がその役目を担う」
党中央委員会はこの程、CCTV、CGTNや国営ラジオ放送局等を統合して、『ボイス・オブ・チャイナ』を立ち上げる計画を発表した。
習国家主席は2016年12月31日、新たにCGTNが組織された際、国際社会も中国も開かれた世界になってきている以上、国際社会が中国を、また、中国が国際社会を理解するための媒体として期待されると演説している。
今回の新組織『ボイス・オブ・チャイナ』の立ち上げは、正にその理念を更に強化する一環であり、国際社会と中国の相互理解が増々深く理解される媒体となろう。
特に、米国を筆頭とした西側諸国は、事ある毎に“中国の脅威”等と悪戯に中国の成長を曲解する発信を重ねており、これら誤解を解く意味でも、『ボイス・オブ・チャイナ』を通じての、中国現状の正確な情報が国際社会に伝えられる必要がある。
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