【Globali】
欧州委員会で「クリスマス」論争(2021/12/17)
クリスマスシーズンのヨーロッパで、現在、欧州委員会内で語義に関する議論が展開されている。欧州委員会のヘレナ・ダッリ平等担当委員は、クリスマスを表現することは「十分に包括的ではない」として、10月末、包括的コミュニケーションに関する内部ガイドを発表し、その中で、クリスマスへの言及を削除するよう呼びかけた。しかし、非難の声が上がったため、その後ガイドは撤回された。
仏誌
『ルポワン』によると、欧州委員会のヘレナ・ダッリ平等担当委員は10月末に、包括的コミュニケーションに関するガイドの中で、12月25日をクリスマスの日と呼ばないことを推奨した。ガイドは、キリスト教の祝日に言及することは「全員がキリスト教信者であることを前提にしている」と主張していた。
仏誌『ヴァルール・アクチュエル』によると、ダッリ委員の提出したガイドは、すべてのコミュニティが参加できるように、クリスマスへの言及を禁止し、代わりに「休日」という表現を使用するよう勧告していた。...
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仏誌
『ルポワン』によると、欧州委員会のヘレナ・ダッリ平等担当委員は10月末に、包括的コミュニケーションに関するガイドの中で、12月25日をクリスマスの日と呼ばないことを推奨した。ガイドは、キリスト教の祝日に言及することは「全員がキリスト教信者であることを前提にしている」と主張していた。
仏誌『ヴァルール・アクチュエル』によると、ダッリ委員の提出したガイドは、すべてのコミュニティが参加できるように、クリスマスへの言及を禁止し、代わりに「休日」という表現を使用するよう勧告していた。「マリー」や「ジョン」といったキリスト教の名前も、欧州委員会の資料では、例題として使用することを禁止していた。
米メディア『ニューズマックス』は、こうした動きに真っ先に反論したのがバチカンだと伝えている。バチカン国務省長官のピエトロ・パロリン枢機卿は、「ヨーロッパは、その存在とアイデンティティは、様々な影響力によって成り立っている。しかし、主要な影響力の1つはキリスト教であったことを忘れるわけにはいかない。違いを破壊し、ルーツを破壊することは、まさに人間を破壊することを意味する」とガイドを糾弾した。
仏紙『ルフィガロ』などのフランスメディアは、フランスの欧州議員であるフランソワ=グザビエ・ベラミも12月15日に欧州議会で反論の意を唱えたことを報じている。ベラミ委員は、「信じられないが、このような日が本当に来た。欧州委員会がキャンセルするつもりでいたクリスマスを、今、救おうとしなければならない。ダッリ委員は、この言葉には十分な包容力がないと考えている。ヨーロッパを作ったルーツに手を伸ばすのは狂気の沙汰だ」と糾弾した。さらに、「クリスマスは単なるお祭りの口実ではない」と指摘し、「私たちが受け継いでいる世界が誕生した日であり、我々の時代の幕開け、年を数える基準」であり、イエス・キリストが誕生したことを祝う日であることを述べた。そして、「我々をつなぐものを否定することは、共通の文化に所属し同化していく可能性を破壊し、社会の崩壊への道を開き、対立を起こす共同体主義の要求につながる」と指摘した。ベラミ委員はさらに、11月には欧州評議会が「私たちは包括的でなければならないので、喜びはヒジャブの中にあると宣言する」というヒジャブ推進キャンペーンを行っていたことを指摘した。
なお、問題視されているガイドは、まだ欧州委員会の承認を受けていないものの、すでに一部の委員会部門に配布されており、スタッフへのトレーニングも現在行われているという。しかし、内部関係者は、「委員会では、共感できる人が少ないと思う」と述べている。
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