欧州がウイグル弾圧で中国制裁決定、中国直ちに報復措置を発表(2021/03/23)
欧州(EU)が22日、新疆ウイグル自治区のイスラム教徒に対する弾圧を理由に中国当局者4人と1団体に対し制裁を発表した。中国政府は直ちに欧州の個人10人と4団体に対する制裁で報復した。
仏
『ル・ポワン』によると、EU外相は22日、2020年12月に制定された人権侵害の制裁リストに、中国・新疆ウイグル自治区の4人の指導者と1つの団体を含めることに合意した。EUと並行して、英国とカナダも、EUと同じ措置を採用し、米国も、EUが制裁対象とした4人の中国政府当局者のうち、2人を制裁対象としている。
EUの対中制裁措置は、EUへの渡航禁止と、EU内に保有する資産の凍結である。米国政府は、米国の制裁は、EUとカナダの制裁を「補完」するものであると述べている。...
全部読む
仏
『ル・ポワン』によると、EU外相は22日、2020年12月に制定された人権侵害の制裁リストに、中国・新疆ウイグル自治区の4人の指導者と1つの団体を含めることに合意した。EUと並行して、英国とカナダも、EUと同じ措置を採用し、米国も、EUが制裁対象とした4人の中国政府当局者のうち、2人を制裁対象としている。
EUの対中制裁措置は、EUへの渡航禁止と、EU内に保有する資産の凍結である。米国政府は、米国の制裁は、EUとカナダの制裁を「補完」するものであると述べている。
この決定に対して中国政府は、「中国の主権と利益を著しく損ない、嘘や偽情報を広めた」として、欧州議会議員を含む10人の個人と制裁措置を準備した「政治・安全保障委員会(PSC)」やNATO前事務総長のアナス・フォー・ラスムセン氏が代表を務めるデンマークのNPO法人「民主主義同盟」など、4つの団体に対し制裁を科した。制裁対象となった個人とその家族は、中国、香港、マカオへの出入りが禁止となる。
EUのジョセップ・ボレル外交部長は「この制裁は受け入れられない」、「中国はEUの懸念に何も答えず、顔を隠している」と非難し、「中国の制裁は、あらゆる人権侵害に対応するというEUの決意に影響を与えるものではない」と断言した。
制裁対象となったベルギーの議員サムエル・コゴラティ氏は、「独裁政権が国会議員とその家族をこのような形で攻撃することができることに、ゾッとする。」と述べ、「このような威嚇や脅迫は、私たちを止めることはできないだろう。むしろ、香港、チベット、そしてウイグル人を監禁する強制収容所が設置されている新疆での民主主義のために闘う決意を強めるものだ。」と語った。そして、「長すぎるヨーロッパの沈黙、時が過ぎると共に、共謀に値するようになった沈黙を破る時が来た。」と訴えた。
『フランス24』によると、制裁対象となった他の個人は、欧州議会対中関係代表部の会長であるドイツのラインハルト・ビュティコーファー議員、フランスのラファエル・グルックスマン議員、そして、新疆ウイグル自治区のウイグル人の窮状に関する報告で中国当局から強い反発を受けたドイツ人研究者エイドリアン・ゼンツ氏が含まれる。
ラファエル・グルックスマン議員は、「ウイグル人を擁護したことで、中国の制裁対象となり、わたしと家族全員が中国領土への渡航禁止、公的機関や中国企業との接触を一切禁じられたことを知った。これは私にとってレジオンドヌール勲章である」とツイートした。
『ロイター通信』によると、オーストラリア議会も22日、中国による「組織的な」人権侵害を非難する決議案を審議した。動議を提出した与党・自由党のケビン・アンドリュース議員は「新疆では世界で最もひどい組織的な人権侵害が行われている」と非難し、全ての主要政党の議員らが動議に支持を示した。動議はオーストラリア政府に、現代の奴隷を禁止する法律の施行と、強制労働が使われているサプライチェーンを特定するよう求めている。
人権活動家らは、中国北西部の収容所には100万人以上のウイグル人をはじめとするイスラム系少数民族が収容されていると推定しており、中国政府が強制労働を課し、女性に対し強制的な不妊手術を行っていると非難している。
閉じる
フランス、雇用者団体が再度ロックダウンの場合でも企業の経済活動維持を要求(2021/01/26)
フランス政府は27日に新たなロックダウンに入るべきかどうかを議論する予定となっている。再度ロックダウンに入る場合、新型コロナウイルスの流行が始まった昨年以来3回目となる。日本の経団連にあたる「フランス企業運動(Medef)」をはじめ、多くのフランスの雇用者、事業者団体は、新たなロックダウンに入る場合、店舗や企業が営業活動を続けるべきだと訴えている。
仏経済紙
『レゼコー』によると、フランスの経済界と経済・財務省は、ここ数ヶ月ですでに大打撃を受けてきた企業の経済活動を可能な限り温存しようとしており、今週中に3度目のロックダウンが決定されることを警戒している。経営者らは、「ロックダウン」を行う場合、営業活動の禁止にうんざりしている国民感情を考慮に入れて、ケースバイケースの制限措置をとらなければならないと訴えている。
マクロン大統領にとっても、ロックダウンは悩みの種となっている。...
全部読む
仏経済紙
『レゼコー』によると、フランスの経済界と経済・財務省は、ここ数ヶ月ですでに大打撃を受けてきた企業の経済活動を可能な限り温存しようとしており、今週中に3度目のロックダウンが決定されることを警戒している。経営者らは、「ロックダウン」を行う場合、営業活動の禁止にうんざりしている国民感情を考慮に入れて、ケースバイケースの制限措置をとらなければならないと訴えている。
マクロン大統領にとっても、ロックダウンは悩みの種となっている。疫学者たちがロックダウンの方向の提案しか上げてこないため、決断に悩んでいるという。しかし、大統領が大学での対面授業を20%に保つと発表したことにより、完全なロックダウンにはならない可能性が出てきたと予測されている。
『フランスアンフォ』によると、Medef副会長のパトリック・マルタン氏は、新たなロックダウンの可能性について、「ロックダウン措置を講じるのであれば、現実的な方法で講じること」を求めると述べ、前回のロックダウンの時のように生活必需品とそうでないものを論じることはやめて、感染元となっていないお店はすべて営業を続けられることを求めている。
仏政治ニュース誌『ル・ポワン』によると、Medef会長のド・ベジウ氏はラジオ放送局「RMC」のインタビューで「可能であれば学校も開校のままにしておくことを望んでいる。休校となった場合、これは経済的影響を及ぼすことになる。ロックダウンは可能な限り短くする必要がある。一部のセクターは非常に苦しんでいる」と述べている。
フランス商工会議所のピエール・ゴゲ会長も、営業活動の維持を主張している。経済的理由だけでなく、経営者たちが「精神的に大打撃を受けている」ためでもあるという。
ゴゲ会長は「BFMTV」に対しても「経済活動の継続が必須である。」と語っている。フランスで2月中旬まで続く冬セールの時期に「ロックダウン措置を取ることになれば、セール期間中の売り上げが台無しになる。在庫を処分できる唯一の道を閉ざすことになってしまう」と警告している。
また「経済活動の80%はある程度順調に進んでおり、5%は危機の恩恵を受けて非常に好調だが、15%はサプライヤーを含む業界全体が苦しんでいる。援助は必ずしも十分ではなく、今後の展望が見えないことは精神的に非常に難しいものがある」と指摘し、だからこそ、「何が何でも営業活動を維持しなければならない」と付け加えた。
一方で順調にいっている業界に対しては、「支援を緩めていくことを考えなければならない」と述べ、逆に「国によって休業を余儀なくされた飲食店経営者に対しては、これまでどおりの支援を続けなければならない。」と指摘している。
閉じる
その他の最新記事