フランス調査結果、孤立した暮らしをするフランス人が増加
フランス財団が4日に発表した調査結果によると、700 万人以上のフランス人が「孤立」して生活しており、社会的関係はたまにしか持てていないことが明らかになった。同財団は、若者の間でも広がりつつある「孤立」の増加を懸念している。
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『ルポワン』は、フランス社会に悪いものが広がりつつあると報じている。4日に発表されたフランス財団の「孤立」に関する第10回年次報告書によると、「フランスにおける孤立した人は、2010年には9%の人に当てはまったのに対し、現在では14%となっており、過去10年間で増加している」ことが判明した。
「孤立した」人とは、家族、友人、近所の人、仕事の同僚、またはコミュニティネットワークの知人などと、面と向かっての接触機会をほとんど持たず、せいぜい、年に数回という人を指す。...
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『ルポワン』は、フランス社会に悪いものが広がりつつあると報じている。4日に発表されたフランス財団の「孤立」に関する第10回年次報告書によると、「フランスにおける孤立した人は、2010年には9%の人に当てはまったのに対し、現在では14%となっており、過去10年間で増加している」ことが判明した。
「孤立した」人とは、家族、友人、近所の人、仕事の同僚、またはコミュニティネットワークの知人などと、面と向かっての接触機会をほとんど持たず、せいぜい、年に数回という人を指す。なお、世帯員は考慮に入れていないため、一人暮らしでなくても孤立した人となる可能性がある。
15歳以上の3,000人を対象に行ったこの調査によると、高齢者や裕福ではない人々が最も孤立しているものの、孤立は、若い世代を含む人口の全カテゴリーに広まりつつあることが確認された。2020年、18歳から29歳の13%が孤立していると回答したのに対し、10年前はわずか2%だった。
フランス財団代表のアクセル・ダヴザック氏はラジオ局「RTL」のインタビューで、若者世代での孤立の急増は、「デジタルなつながりは他の人と面と向かって会うことと取って代わるものではない」ことを示しているとコメントしている。
ダヴザック氏はまた、農村地域の若者が住宅、雇用、移動手段を手に入れようとする際に直面する困難についても言及している。「多くの若者は、家、村、住んでいる場所を離れる手段を持ち合わせていない」状況の中、「他の人の視線がひどいため、自分のうちに閉じこもっていく」とし、「SNSがあるがゆえに、友人を持つことや関係性を持てるネットワークに属することがより重要になっている」と指摘している。
『ロシアトゥデイ』によると、全世代を通して、「不信感や疑いが広がっている」ことも明らかになった。調査対象者のうち、「一般的に他の人を信頼することは可能」だと回答した人は33%にとどまり、2012年に比べて13ポイント減少している。
最初のロックダウン以前にすでに孤立していた人たちは、人口全体よりもロックダウンの影響をあまり受けなかったことも判明した。以前から孤立していた人の24%は、ロックダウンによる社会的交流の欠如に特に影響を受けなかったと回答している。孤立していない人は9%だった。
『ウエストフランス』によると、この孤立の影響を最も受けやすい年齢層は高齢者となっており、3人に1人が孤独な状況にあるという。フランス財団は、高齢者の3分の1がご近所との関係のみを持っているが、ご近所関係は年々弱くなる傾向にあるとも指摘している。
また、高所得者の間でも、2016年から2020年の間に、孤立して暮らす人の割合が6%から11%に増加している。2020年、フランス人全体の22%が1つのネットワークだけで持続的な関係性を持っていると回答したが、ネットワークは、事故や死亡、離婚、解雇、病気などでなくなってしまう可能性もあるため、フランス人全体が壊れやすい社会的関係性の中で暮らすようになっている。
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香港、若き著名民主派活動家3名を収監
黄之鋒(ジョシュア・ウォン)や周庭(アグネス・チョウ)氏ら3人の民主派活動家が23日、香港の法廷に召喚された。3人とも有罪を認める意思を示し、身柄を拘束された。彼らは、昨年6月に「逃亡犯条例」改正案に反対するため警察本部を包囲するデモに参加し、違法な集会を組織した罪などで起訴されていた。量刑は12月2日に言い渡される。
仏
『ルポワン』は、香港で最も有名な民主派活動家の一人である黄之鋒(ジョシュア・ウォン)と他の著名な活動家2人が、23日に行われた裁判の結果、有罪判決が下され、即日身柄を拘束されたと報じている。
香港は昨年、ほぼ毎日のように中国の半自治区への影響力を糾弾するデモが行われ、1997年に北京に引き渡されて以来、最も深刻な政治的危機を経験した。しかし、連日続く大規模デモにもかかわらず、香港政府はデモに譲歩せず、民主派活動家を精力的に取り締まることで対応してきた。...
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『ルポワン』は、香港で最も有名な民主派活動家の一人である黄之鋒(ジョシュア・ウォン)と他の著名な活動家2人が、23日に行われた裁判の結果、有罪判決が下され、即日身柄を拘束されたと報じている。
香港は昨年、ほぼ毎日のように中国の半自治区への影響力を糾弾するデモが行われ、1997年に北京に引き渡されて以来、最も深刻な政治的危機を経験した。しかし、連日続く大規模デモにもかかわらず、香港政府はデモに譲歩せず、民主派活動家を精力的に取り締まることで対応してきた。
2014年に起きた民主的な選挙を求める「雨傘運動」の中心的メンバーでもあった黄之鋒氏は23日、法廷に入る前に記者団に対し「私たちは自由のために戦い続け、今は中国政府に押しつぶされたり、降伏したりする時ではない 」と語った。
仏『ルフィガロ』は、23日に即日収監された若き活動家、黄之鋒氏についてより詳しく報じている。黄之鋒氏はまだ24歳であるが、すでに9年前から香港の野党リーダーとして活躍してきた。プロテスタントの中流階級の家庭に生まれ、失読症と診断された平均的な学生であった黄氏だが、反政府運動を通してリーダーとして頭角を現すようになったという。
2011年、わずか14歳の時に、学生運動組織「学民思潮」を立ち上げ、「洗脳」だとする国民教育の導入に対する反対運動を開始した。2012年には、1万2000人以上の生徒を動員した。この中学生の決意の前に、当時の香港行政長官、梁振英(2012年~2017年)が導入撤回に追い込まれた。
2年後の2014年、高校生になった黄氏は、中国政府が求める選挙改革に反対する運動に加わり、「雨傘革命」の象徴的な存在となる。しかし、民主化運動の指導者の一人と確認され、初めて逮捕される。これがきっかけで、若き活動家の顔は世界中で知られるようになり、米タイム誌は2014年に、世界で「最も影響力のあるティーンエイジャー」の一人として紹介する。2015年には、米フォーチュン誌が「世界の最も偉大なリーダー」の一人として紹介し、2017年にはノーベル平和賞にもノミネートされている。
仏『ルフィガロ』は、黄氏や民主派活動家らは、中国が香港に与えた特別な地位が失効する2047年に目を向けており、2047年の香港の独立を目指していると述べている。それまで香港には、民主的な制度を保障するとされる「基本法」という独自の憲法があり、香港資本主義を中国共産主義に並存させる「一国二制度」が存続できる。
仏『RFI』は、今回黄氏ら3人が起訴内容を認めたことは、刑罰を軽くするという目的だけでなく、自分がしたことに責任を持つという意志の表明であるとともに、象徴的な行動であると報じている。香港政府や中央政府に反対する民主化運動の市民不服従の理念と全く一致する政治的姿勢であり、世界に向けて、我々は香港の自由のために戦っており、法廷措置の代償を支払う覚悟があるとの表明であると報じている。
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