フランス政治界、米大統領のツイッターアカウント閉鎖は「デジタル寡頭政治」と糾弾(2021/01/12)
フランスで、ル・メール財務・経済・復興大臣をはじめ、多くの政治家が、ツイッターのトランプ大統領のアカウント削除を批判している。民間企業であるツイッターが言論の自由を禁止する動きに出ることは、民主主義を脅かす「デジタル寡頭政治」の始まりだと糾弾している。
ル・メール財務相は11日、フランスラジオ放送局の
『フランスアンフォ』 のインタビューで、「トランプ大統領のツイッターアカウントを、ツイッターが閉鎖していることに仰天した」と語っている。
「デジタルユーザーの規制は、デジタル寡頭制自体によって行われることはできない。デジタル寡頭制は、国家と民主主義に対する脅威の一つである」と非難した。そして、「規制は必要だが、主権者である国民、国家、正義によって行われなければならない」と指摘した。...
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ル・メール財務相は11日、フランスラジオ放送局の
『フランスアンフォ』 のインタビューで、「トランプ大統領のツイッターアカウントを、ツイッターが閉鎖していることに仰天した」と語っている。
「デジタルユーザーの規制は、デジタル寡頭制自体によって行われることはできない。デジタル寡頭制は、国家と民主主義に対する脅威の一つである」と非難した。そして、「規制は必要だが、主権者である国民、国家、正義によって行われなければならない」と指摘した。
仏ニュース誌『ルポワン』 は、セドリック・オ仏デジタル経済相のツイートを紹介している。同経済相は「トランプ大統領のツイッターアカウントの閉鎖は、緊急事態の予防策として正当化できるものの、根本的な疑問を投げかけている。」と述べている。
「ソーシャルネットワークは本物の公共空間となり、何十億人もの市民を集めているのに、主要なソーシャルネットワークの利用規約だけで公共の議論を規制するのは、民主主義の観点からは少し物足りないように思える」と指摘。「オンライン上のヘイトを超えて、新しい民主的な監視方法を築いていく必要がある」と述べている。
左派「不服従のフランス」党党首のジャン=リュック・メランション議員も、「トランプ氏の行動は、GAFAが公共の場の議論をコントロールする権威を持つための口実にはなり得ない」と非難した。
マリーヌ・ル・ペン欧州議会議員は、GAFAは今、自分達が国家よりも多くの力を持っていると考えており、おそらくそれは真実であると述べた上で、「一方で、国会議事堂への侵入という民主主義への攻撃を非難しながら、誰が話す権利を持っているかを決定することで民主主義に直接影響を与えようとしているデジタル大手を非難しないというのは、ありえない。」とし、「彼らは公の場での言論の自由の崩壊に対する責任を負っている」と指摘した。
与党広報担当のオーロール・ベルジェ議員も「私たちは、トランプ大統領が引き起こした混乱と戦うことはできるが、裁判官による監視のない中、異議を唱える手段もない中、デジタル大手自らが、現職の大統領がツイッター上でアカウントを持つかどうかを決める権威を持つことには反対だ」とツイートし、「これは民主主義を助けるものではない」と付け加えた。
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パリ首都圏、ホテルをホームレスの宿泊施設として活用(2021/01/05)
フランスのパリ首都圏では、新型コロナウイルスによる経済不安定化により、ホームレスの避難所が飽和状態となっている。寒い冬の間、宿泊場所を必要とする人に対して、ホテルの活用が広がっている。費用を負担している国にとっては重たい負担となっている。
仏ニュース誌
『Valeurs Actuelles』 によると、2015年には3万5000人のホームレスがパリ地域のホテルに宿泊していたのに対し、昨年10月には1日あたりの宿泊者数が5万3000人を超えていた。
パリ首都圏で、困窮している人を受け入れている施設は、現在13万人ほどを受け入れているという。しかしそのうちの40%近くの受け入れ施設がホテルとなっている。公営住宅や緊急宿泊施設が飽和状態にあるために、ホテルの部屋を活用しているのだ。...
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仏ニュース誌
『Valeurs Actuelles』 によると、2015年には3万5000人のホームレスがパリ地域のホテルに宿泊していたのに対し、昨年10月には1日あたりの宿泊者数が5万3000人を超えていた。
パリ首都圏で、困窮している人を受け入れている施設は、現在13万人ほどを受け入れているという。しかしそのうちの40%近くの受け入れ施設がホテルとなっている。公営住宅や緊急宿泊施設が飽和状態にあるために、ホテルの部屋を活用しているのだ。人道的緊急サービスを提供しているNPO「Samu Social de Paris 」によると、ホテルの夜の予約の需要が非常に高く、利用可能な宿泊場所の確保に追われているという。そのため、例えば家族用など、ニーズに適した宿泊施設を用意することが難しい状況となっている。
宿泊の平均費用は、ホテルの場所に応じて1日18ユーロ(約2300円)から21ユーロ(約2700円)の間で変動するという。この費用は国が負担しているため、年間で約3億ユーロ(約380億円)の費用が国に請求されていることになる。
仏政治ニュース誌『ルポワン』 によると、新型コロナウイルスの影響で観光客数と出張者数が減少したことで、NPOのSamu Socialは、ホテルを通してより多くの宿泊先を確保できるようになったという。ホテルの経営者も、ホームレスを受け入れることで宿泊客の激減による収入の損失を抑えることが出来るため、双方にとって有益をもたらす解決策となっている。
さらに政府は多くの人にメリットをもたらす解決策を模索しているという。家主の中には、困っている人を受け入れる団体にマンションの一室などを貸し出している。国が支払いを保証する代わりに家賃の上限を求めることができる。しかし、このタイプの「賃貸」は依然として限定的となっている。このような賃貸は、イル・ド・フランス地域圏では5,846戸にとどまっている。
仏ラジオ放送局『ヨーロッパ1』 によると、受け入れ施設の不足の背景として、パリ首都圏では公営住宅の新築数が毎年減少していることが挙げられる。2020年は2016年に比べて4割減っている。1年近く続いているコロナウイルスのパンデミックにより、状況は悪化の一途をたどっているという。2020年には21,000戸の公営住宅が建設されたが、地域当局が設定した目標を達成するためには37,000戸が必要とされる。専門家らは、住宅に関する本格的な社会政策が必要であると警鐘を鳴らしている。
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