レバノン、外貨建て国債支払い延期で初の債務不履行へ(2020/03/09)
日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告の逃亡先であるレバノン。同国のディアブ首相は7日、償還期限を9日に迎える12億ドル(約1260億円)の外貨建て国債について、支払いを延期すると発表した。
『ラ クロワ』 によると、ディアブ首相は7日、外貨準備高が「憂慮すべき危険水準」に達したため、9日に償還期限を迎える外貨建て国債の支払いを延期することを表明した。返済の中断は「出血を避ける唯一の方法だ」と語った。
今後は債権者との交渉を始めるとともに、「必要な改革のための総合的な計画」を実施していくと発表した。計画についてはこれ以上の具体的な説明はなかったものの、銀行預金への課税の可能性を含む例外的な緊縮措置が発表される見通しだ。...
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『ラ クロワ』 によると、ディアブ首相は7日、外貨準備高が「憂慮すべき危険水準」に達したため、9日に償還期限を迎える外貨建て国債の支払いを延期することを表明した。返済の中断は「出血を避ける唯一の方法だ」と語った。
今後は債権者との交渉を始めるとともに、「必要な改革のための総合的な計画」を実施していくと発表した。計画についてはこれ以上の具体的な説明はなかったものの、銀行預金への課税の可能性を含む例外的な緊縮措置が発表される見通しだ。
レバノンは、国内総生産(GDP)の160%以上、つまり830億ユーロ(約9兆7千億円)近くに相当する負債によって押しつぶされている。 利子を支払うだけで、毎年GDPの10%が犠牲になっている。今回の財政破綻は、 決定を下していくのが困難な政治体制と海外移住者らの送金に寄食する生活を送っていた国での大規模な腐敗の結果だと言える。
レバント戦略問題研究所(Levant Institute For Strategic Affairs)の、サミ・ナデール所長は『AFP』 に対し「真の問題は、政治家が問題解決のために必要なことを行うかどうか」だとコメントしている。「この債務不履行に、改革への明確なコミットメントが伴わない場合は、崩壊が加速する」とも警告している。
今年1月、財政危機に対処するために発足したディアブ政権は、財政健全化と何年もの間期待されていた改革への取り組みを何度も表明してきた。しかし、主要政党間の終わりのない政治交渉が慣習化している国で、専門家達は先延ばしを恐れている。
アウディ銀行の調査部長であるマルワン・バラカト氏は、当局の改革計画は、公共支出の「緊縮」のみならず、「徴税の改善、債務返済の削減、および電力部門の改革も保証しなければならない」と述べている。
なお、IMFの財政支援に関しても、政界には深い分裂がある。議会を支配する強力なシーア派組織ヒズボラは、IMFという選択肢に反対している。「外国の支配」を恐れている同組織は、 5日に出した声明の中で、「いかなる国際組織」が課する「条件」に対し警告を出した。
政府は財政再建を目指すが、すでに破綻寸前の経済的状況の中、国民にとって更に苦痛となる措置を講ずることになる。レバノンは今、内戦終結(1975-1990)以降の史上最悪の危機に面している。
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フランス政府、詐欺や不正をワンクリックで報告できるオンラインサイトを開始(2020/02/21)
フランス政府は、日常生活で詐欺や不正の被害にあった場合、いつでもどこでもそれをオンラインで報告できるサイトを立ち上げた。同政府は19日、競争・消費・詐欺防止総局が開発したサイト「シグナルコンソ」を通して、食品会社、売買取引、サービス業での不正や詐欺をいつでも簡単に報告できるサービスを全国規模で開始した。
『ラ クロワ』 によると、例えばレストランでネズミを目撃したり、スーパーで期限切れのヨーグルトを発見したり、取引でだまされたと感じた場合、政府が立ち上げた新しいサイト「シグナルコンソ」を介して、こうした問題をいつでも報告することができる。
新サイトは、携帯用サイトも用意しており、シンプルかつ直感的に操作ができるように工夫がされている。詐欺にあった業界を選択し、詐欺の種類を選択し、そして長文の代わりに、証拠となる写真を添付で送ることができる。...
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『ラ クロワ』 によると、例えばレストランでネズミを目撃したり、スーパーで期限切れのヨーグルトを発見したり、取引でだまされたと感じた場合、政府が立ち上げた新しいサイト「シグナルコンソ」を介して、こうした問題をいつでも報告することができる。
新サイトは、携帯用サイトも用意しており、シンプルかつ直感的に操作ができるように工夫がされている。詐欺にあった業界を選択し、詐欺の種類を選択し、そして長文の代わりに、証拠となる写真を添付で送ることができる。苦情内容がサイトで扱う範囲外である場合は、他の関連サイトに案内される。
このサービスは2019年から3つの地域で試験的に提供されていたが、これまで寄せられてきた苦情は主に「価格の問題、衛生および期限切れの製品、そして契約上の紛争」に関係するものだという。アニエス・パニエ=リュナシェ経済・財務大臣付副大臣は、このツールは消費者と企業の間の「仲介」として機能する一方で、消費者と行政との距離感を近づけることを期待できると説明している。
問題を報告した消費者がその後の対応について知りたい場合、メールアドレスを登録することができる。問題提起された会社はその苦情を受け入れるか、または反論することが可能で、会社が消費者に直接返事を送る場合、競争・消費・詐欺防止総局は両者のやりとりにアクセスすることが可能となっている。
『ル パリジャン』 によると、例えばレストランにワインリストがないことが報告された場合、レストラン側がリストを作成し、リストの写真を送付すれば、その案件は解決したものとして、クローズとなる。
アニエス・パニエ=リュナシェ経済・財務大臣付副大臣は、このような報告サイトのおかげで行政側は、対応を拒否する企業や、調査を必要とするような重度の不正を行っている企業に焦点を当てられるようになることがメリットであると説明している。また、当局の人的資源をより適切に活用し、監視の網を強化することが可能になるとも述べた。
消費・住居・生活環境連合(CLCV)のジャン・イヴ・マノ代表は、問題が起こった際、消費者はどうしてよいか分からないことが多く、そうした消費者のニーズに応えるサイトではないかと思う、とコメントしている。
昨年フランスの3つの地域で試験的に導入された同サイトは、3,400件のクレームを受け付けたという。クレームの対象となった企業のうち半数以上がクレームを入れた顧客に回答し、30件ほどに関しては、より重度の不正が行われているとして調査が行われたという。
しかし『フランス アンフォ』 によると、告発を推進するツールであり、倫理的ではないと反対する声も一部上がっているという。また、クレームを入れる際、本人確認書類が必要ではないことも非難の対象となっている。
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