中国当局は24日、北京冬季オリンピック期間中に石炭消費量が急増するため、深刻な大気汚染が起こる可能性があると警告した。2月4日から20日まで行われる冬季オリンピックまで2週間を切った月曜日、中国の首都は濃い霧に覆われていた。
仏紙
『ル・フィガロ』によると、中国環境省報道官の劉友賓氏は24日、寒波の到来により、市民による暖房の使用が増加しており、大気汚染が悪化する可能性が出てきていることを明らかにした。報道官は、「北京オリンピックとパラリンピックは、中国北部の冬の終わりと春の始まりと重なり、気象条件は極めて不利である」と説明した。オリンピック期間中、「大気汚染がひどい場合は、ホスト都市となっている北京と張家口(ちょうかこう)は、原因となっている工場に生産を減らすよう命令することができる」と述べ、「関係するすべての自治体が緊急対策計画を立ち上げて」対応すると述べた。発電量の60%を石炭に依存している中国は、ここ数カ月間、停電に直面し、その結果、石炭の採掘量が増加しているという。
仏スポーツニュース局『ユーロスポーツ』によると、近年、中国の首都の大気環境は大幅に改善され、汚染頻度や強度も低下しているという。しかし、1月24日の北京市の大気中の微小粒子状物質「PM2・5」は、スイスのIQAir社の指標で約218と確認され、「非常に不健康」なレベルにあると判定された。世界保健機関(WHO)は、15という閾値を超えないようにすることを推奨している。
中国当局は大会に向けて、8月から市内の製鉄所に生産量の半減を命じ、中国北部の2500万世帯では、石炭ストーブを、より汚染の少ないガスや電気バーナーに交換した。しかし、23日に発表された公式発表によると、同国では昨年も石炭の消費量が4.7%増加した
なお、中国で排ガス規制が進んでいるものの、北京周辺に産業が集中しているため、産業を制限しない限り、北京市で天候が悪いとスモッグが戻ってくることが予想される。
米ウィスコンシン州ラジオ局『WSAU』によると、北京当局は冬季オリンピック開催期間中の道路交通と公害の削減を目指し、1月中旬に、建設廃棄物、土砂、砂利を運搬する大型車両を約2ヶ月間禁止するなどの一連の措置を発表している。すべての中型および大型燃料トラックの走行を禁止し、公用車の使用も80%削減することを目標としている。この規制は1月21日から55日間実施される。
また、北京市は、特にオリンピック会場の近くにある企業に対し、在宅勤務や勤務時間の調整など、従業員に柔軟な勤務体系を採用するよう奨励している。一般市民も自家用車の使用を減らし、公共交通機関を利用するよう奨励されているという。
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