米、ワグネルを国際犯罪組織に指定(2023/01/27)
米国は26日、ロシアが支援する民間軍事会社「ワグナー・グループ」を国際犯罪組織に指定、制裁を強化し、そのウクライナや世界での残虐行為を批判している。
1月26日付米
『CBSニュース』:「米、ロシア支援のワグネルグループを国際犯罪組織に指定し追加制裁」:
米国は26日、ロシアが支援する軍事会社「ワグナー・グループ」を国際犯罪組織に指定、新たな制裁対象に加え、そのウクライナや世界での残虐行為を批判している。
米財務省によると、8個人16企業が制裁対象で、その多くはワグネルグループとの関係をもつ。過去に米国の制裁を受けていたプーチン大統領の側近であるエフゲニー・プリゴジン氏が経営する民間軍事請負業者。...
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1月26日付米
『CBSニュース』:「米、ロシア支援のワグネルグループを国際犯罪組織に指定し追加制裁」:
米国は26日、ロシアが支援する軍事会社「ワグナー・グループ」を国際犯罪組織に指定、新たな制裁対象に加え、そのウクライナや世界での残虐行為を批判している。
米財務省によると、8個人16企業が制裁対象で、その多くはワグネルグループとの関係をもつ。過去に米国の制裁を受けていたプーチン大統領の側近であるエフゲニー・プリゴジン氏が経営する民間軍事請負業者。イエレン財務長官は声明で、「ワグネルに対する今回の追加制裁措置により、プーチン氏の戦争遂行能力が一段と妨げられる」と述べている。
ホワイトハウスによると、ワグネルは刑務所から募集した4万人を含む約5万人の戦闘員をウクライナの東部戦線へ派遣し、今週にはソレダルからウクライナ軍を撤退させており、また「(アフリカ等)広範囲に及び人権侵害や自然資源の搾取」を、中央アフリカ共和国やマリで「大量処刑、強姦、誘拐、身体的虐待」を行っていると批判している。
衛星画像や航空画像を提供するロシアと中国を拠点に持つ2つの企業、ロシア軍と関係性のある航空会社や技術系企業や、昨年秋、ウクライナのロシア支配下で住民投票の調整をしたプーチン政権の2人の高官も制裁対象となった。米国内の資産を凍結し、米国人との取引は禁止される。通常、ロシアのウクライナ侵攻ではこのような制裁が取られている。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー報道官は、プーチン氏によるワグネルの戦闘員への依存度が増し、「ワグネルとロシア国防総省との緊張が高まっている兆候がみられた」としている。ワグネルは、ロシア軍や政府機関と対抗関係になりつつあり、プリゴジン氏や戦闘員らは公に、戦場での能力において、ロシア将校や国防高官を批判しているという。
プリゴジン氏はウクライナでの利益を優先し、ワグネルの軍事決定は、大概において、プリゴジン氏中心となっているという。米国は今後もワグネルの支援者を特定し、阻止を続けるとしている。
同日付露『ザ・モスクワ・タイムズ』:「米、ロシアのワグネル・グループを”国際犯罪組織”とみなす」:
26日発表の声明によると米財務省は、ロシアのワグネルを「国際犯罪組織」と宣言、新たに複数の政治家や企業を制裁対象としている。
ワグネルは実業界の大物プリゴジン氏が創設し、長年アフリカや中東の紛争に戦闘員を派遣してきた。ここ1年は減刑を条件に派兵に同意した囚人をウクライナの最前線に送るなど、ロシア軍への戦力供給で注目されている。
ワグネルや(同じく制裁対象であったとされる)プーチン大統領の側近プリゴジン氏と関係があるとされる6個人、12企業、他には、国営武器産業「アルマズ・アンテイ」、中央アフリカ共和国でワグネルの代行業をしているとされる「セワ・セキュリティサービス」が制裁対象となっている。
米国がワグネルを最初に制裁対象としたのは2017年で、昨年12月には、ウクライナでの軍事活動への関与により制裁が強化されていた。
制裁リストには、ワグネルと関連性のないロシアの政治家や実業家も含まれ、デニス・マントゥーロフ副首相兼通商産業大臣、タタールスタン共和国のミニハノフ大統領、通信業界の実業家セルゲイ・アドニエフ氏がいる。
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ロシア;NATOによる後方支援で勢いを増すウクライナ軍を恐れてか、初めて首都モスクワで対空防衛訓練【米・ロシアメディア】(2023/01/23)
ロシアがウクライナに軍事侵攻して11ヵ月が過ぎようとしている。ロシアは短期決戦で制圧できると踏んでいたから、大変な思い違いである。そして、北大西洋条約機構(NATO、1949年設立)加盟国から、第3局面とされる戦車等実戦兵器の提供が増えるに連れて、ロシアとしても戦況拡大を懸念せざるを得ず、いよいよ首都モスクワにおける対空攻撃に備えて初めて防衛訓練を実施している。
1月21日付米」
『ニューヨーク・ポスト』紙(1801年創刊の保守系メディア)は、「ロシア、ドイツ製戦車のウクライナへの提供が協議される中、首都モスクワで対空防衛訓練実施」と題して、ドイツを含めたNATO加盟国がウクライナ軍に更なる兵器提供を実施していることから、ロシアとしても首都攻撃の可能性を懸念して、ウクライナ軍事侵攻以来初めてモスクワでの対空防衛訓練を実施したと報じている。
ロシアは1月21日、首都モスクワで初めて対空防衛訓練を実施した。...
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1月21日付米」
『ニューヨーク・ポスト』紙(1801年創刊の保守系メディア)は、「ロシア、ドイツ製戦車のウクライナへの提供が協議される中、首都モスクワで対空防衛訓練実施」と題して、ドイツを含めたNATO加盟国がウクライナ軍に更なる兵器提供を実施していることから、ロシアとしても首都攻撃の可能性を懸念して、ウクライナ軍事侵攻以来初めてモスクワでの対空防衛訓練を実施したと報じている。
ロシアは1月21日、首都モスクワで初めて対空防衛訓練を実施した。
NATO加盟国がこの程、ドイツ製最新鋭戦車のウクライナ軍への提供の可能性について討議しているのに鑑み、ウクライナ軍による首都への攻撃の恐れを懸念した表れとみられる。
ロシア国防省は、“西部軍管区(WMD、注1後記)のミサイル防衛大隊が、首都圏の重要な軍事施設及び司令部への空爆に備え、兵士150人及びS-300長距離地対空ミサイルシステムを投入して対空防衛訓練を実施した”と発表している。
ただ、訓練地については“モスクワ地区”としただけで、具体的な場所は明かしていない。
『モスクワ・タイムズ』紙(1992年創刊の独立系英字紙)によると、ロシア政府は、首都が攻撃を受けると懸念しているのかとの質問への回答を拒否したという。
ロシアが11ヵ月前にウクライナに軍事侵攻して以来、ウクライナ軍のものと思われる無人攻撃機によってロシア領土内の軍事施設が何度か攻撃され、核兵器搭載可能な爆撃機が損傷したりしていたが、これまでロシア領土内で大規模攻撃を受けたことはない。
一方、ドミトリー・メドベージェフ元大統領(57歳、2008~2012年在任、2020年ロシア安全保障会議副議長就任)は1月21日、“ウクロナチス(注2後記)や西欧諸国がロシアと戦闘しようとしている”とし、“しかし、ロシアはかつて1812年にナポレオン軍を、また1945年にはナチス・ヒトラー軍を打ち破ったように、今回も我々が勝利する”とツイートしている。
同氏はこのツイート前の1月19日、“通常戦力による核保有国の敗北は、核戦争の引き金になる可能性がある”と、欧米を牽制する脅しと取られる発言をしている。
同氏は同時に、ダボス(スイス)で開催されていた世界経済フォーラム(WEF、注3後記)に出席した多くの政財界幹部が、ロシアを打ち負かすためにもっと戦車等の武器をウクライナに送るべきだと発言していることに対して、嘲笑うコメントもしている。
なお、同氏が1月21日にツイートした前日に、ウクライナのオレクシー・レズニコウ国防相(55歳、2021年就任)が、ドイツ西南部のラムシュタイン米空軍基地で開催されたNATO加盟国国防相会議において、西側諸国から更にウクライナに武器を提供するよう直訴していた。
同日付ロシア『タス通信』(1902年前身設立)は、「国防省、S-300地対空ミサイルを投入してモスクワ近郊で対空防衛訓練実施と発表」と詳報している。
ロシア国防省は1月21日の公式ウェブサイト上で、S-300地対空ミサイルシステム含め30以上の武器及び150人以上の将兵を投入して、モスクワ地域における対空攻撃防衛訓練を実施したと発表した。
同省によると、同ミサイルシステムが配置された作戦地帯に将兵が集結し、装甲車編隊搭乗の仮想敵を撃退したという。
なお、今回の訓練は、モスクワ地域の重要な軍事施設・作戦本部等への攻撃を防御するために実施されたものだとする。
(注1)WMD:ロシア連邦軍の西部における軍管区。従来のモスクワ軍管区、レニングラード軍管区、北方艦隊、バルト艦隊(カリーニングラード特別区を含む)を統合して、2010年9月に発足。司令部はサンクトペテルブルクに所在。
(注2)ウクロナチス:ウクライナのナチスを意味する造語。特にロシア軍と敵対するウクライナ人を攻撃的に呼称するロシアの俗語。
(注3)WEF:経済、政治、学究、その他の社会におけるリーダーたちが連携することにより、世界、地域、産業の課題を形成し、世界情勢の改善に取り組むことを目的とした国際機関。1971年に経済学者クラウス・シュワブにより設立された。独立かつ非営利団体であるとされている。
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