ドゥテルテ比大統領;南シナ海でフィリピン漁船が中国船に沈められた事件を“小さな海上事故”だとして中国側に配慮(2)【米・フィリピンメディア】(2019/06/26)
6月19日付Globali「
ドゥテルテ比大統領;南シナ海でフィリピン漁船が中国船に沈められた事件を“小さな海上事故”だとして中国側に配慮」で報じたとおり、親中路線を取るロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、中国側を擁護する発言をした。そしてこの程、反ドゥテルテ派の抗議行動によって中国側を怒らせないようにするため、今回の事件はあくまで“些細な海上事故”だとした上で、フィリピンの排他的経済水域(EEZ)内での中国船の漁を認めるとまで言い出している。これに対して、フィリピン最高裁長官代行までも、中国に対し、責任追及含めて毅然として対応すべきだと非難する騒ぎとなっている。
6月25日付米
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「ドゥテルテ大統領、中国船がフィリピン漁船を沈めた事件を軽視」
6月初めに南シナ海南沙(スプラトリー)諸島内のリード礁において、中国船によってフィリピン漁船が沈められ、その中国船が乗組員を救助しないで立ち去るという事件が発生した。
これに対して、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、中国側に配慮して、“小さな海上事故”だとして穏便に済ませようとしてきた。...
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6月25日付米
『ニューヨーク・タイムズ』紙:「ドゥテルテ大統領、中国船がフィリピン漁船を沈めた事件を軽視」
6月初めに南シナ海南沙(スプラトリー)諸島内のリード礁において、中国船によってフィリピン漁船が沈められ、その中国船が乗組員を救助しないで立ち去るという事件が発生した。
これに対して、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、中国側に配慮して、“小さな海上事故”だとして穏便に済ませようとしてきた。
これに怒った反ドゥテルテ派含めたフィリピン市民が、連日抗議行動を起こしている。
しかし、同大統領は6月24日、中国はフィリピンにとって重要な戦力的パートナーであるため、“犠牲者の出ていない些細な海上事故”であることから、中国側との緊張を高めるような行為は慎むべきだとコメントした。
同大統領は更に、騒ぎが大きくなって中国軍艦と衝突するような事態になったら“恐ろしいこと”だとも付言した。
この大統領コメントに対して、アントニオ・カルピオ最高裁長官代行(2001年、アロヨ政権のときに就任)は、今回フィリピン漁船を沈めたのは、中国軍から訓練を受けた民兵が乗船するトロール船であるとした上で、中国側に対して厳しく抗議すべきであると非難した。
同代行によれば、これまでも何度か中国民兵の船がベトナム漁船を沈めて、ベトナムを追い出したりしてきているが、今回、初めてフィリピン漁船が沈められたことより、中国がいよいよ領有権主張のために手段を選ばなくなった証しだとも付言した。
一方、同日付フィリピン『マニラ・ブルティン』紙:「ドゥテルテ大統領、フィリピンのEEZ内への中国漁船の立入りを認めると発言」
大統領府のサルバドール・パネロ報道官は6月25日、ドゥテルテ大統領が、戦略的パートナーである中国の漁船がフィリピンのEEZ内で漁をすることを認める旨表明したと公表した。
同大統領は、6月9日にフィリピンEEZ内のリード礁において発生したフィリピン・中国漁船の衝突事故に関して言及したものである。
但し、同大統領は、リード礁含めたフィリピンEEZまでも中国の領海だとする中国側主張を容認した訳ではないとも付言している。
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ドゥテルテ比大統領;南シナ海でフィリピン漁船が中国船に沈められた事件を“小さな海上事故”だとして中国側に配慮【米・フィリピンメディア】(2019/06/19)
ロドリゴ・ドゥテルテ比大統領は、2016年の就任以来、従来方針を大転換して親中政策を推し進めている。それは、欧米が対中批判を繰り広げる、南シナ海領有権問題も同様で、今月初めに南シナ海で発生した、中国船によるフィリピン漁船沈没事件について、“小さな海上事故”だとして、中国側を擁護する発言をした。当然のことながら、反ドゥテルテ派や野党からは、中国に対して弱腰過ぎると猛烈な非難の声が上がっている。
6月17日付米
『AP通信』:「ドゥテルテ大統領、中国船による漁船沈没事故に関し抑制するよう表明」
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は6月17日、今月初めに南シナ海で発生した、中国船によるフィリピン漁船沈没事故に関し、“小さな海上事故”であるから大騒ぎをするべきではないと表明した。
6月9日早朝、南シナ海南沙(スプラトリー)諸島東方のリード礁に停泊していたフィリピン漁船が、中国船に衝突されて沈没する事件が発生していた。...
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6月17日付米
『AP通信』:「ドゥテルテ大統領、中国船による漁船沈没事故に関し抑制するよう表明」
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は6月17日、今月初めに南シナ海で発生した、中国船によるフィリピン漁船沈没事故に関し、“小さな海上事故”であるから大騒ぎをするべきではないと表明した。
6月9日早朝、南シナ海南沙(スプラトリー)諸島東方のリード礁に停泊していたフィリピン漁船が、中国船に衝突されて沈没する事件が発生していた。
幸い、同船の乗組員22人は、近くを航行中のベトナム漁船に救助された。
ドゥテルテ大統領は、原因を調査するよう指示してはいるが、あくまで事態を穏便に済まそうとしており、同政権の閣僚とは大きな隔たりがみられる。
すなわち、デルフィン・ローレンザーナ国防相は、フィリピン漁船員を救助することなく立ち去った中国船の行為を厳しく非難し、また、外務省も外交ルートを通じて中国側に抗議している。
これに対して、在フィリピン中国大使館は6月14日、中国船がフィリピン漁船員を救助しようとしたが、多くのフィリピン船に囲まれてしまったので危険を回避せざるを得なかったと釈明した。
しかし、フィリピン漁船員は中国側言い分を否定した上で、万一ベトナム船に救助されなければ、沈没船の22人の乗組員は助からなかったと付言した。
なお、ドゥテルテ大統領は日頃から、頭にすぐ血が上り、暴言を吐くことで知られている
が、今回の中国側擁護発言に対して、民族主義者から反ドゥテルテ派にいたるまで、猛烈に非難している。
一方、6月18日付フィリピン『ザ・マニラ・ブルティン』紙:「ドゥテルテ大統領、長い沈黙を破って、漁船沈没は“小さな海上事故”だと発言」
ドゥテルテ大統領は6月17日晩、漁船沈没事故から8日間も沈黙していたが、当該事故は“小さな海上事故”だと発言して物議を醸している。
マニラ南西部のカビテ州で行われた、フィリピン海軍創立121年記念式典に出席して発言したのもので、同大統領は、中国船の暴挙に抗議するため海軍を出動させるべきとの要請を却下した上で、大ごとにしないように意図してそのように発言したものとみられる。
同大統領としては、大国の中国に対抗しても、力のないフィリピンが打ち負かされるのは必然であるとして、無用な衝突は避けるべきだと考えている。
ただ、弱腰批判に備えて、事態の原因究明を指示し、その上で次の対応策を検討するとも付言している。
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