9月11日付米
『AP通信』:「中国、ベトナム宛に300万回分のCOVID-19ワクチン無償提供を確約」
訪越中の中国外交部の王毅部長(ワン・イー、67歳)は9月11日、中国がベトナム宛に300万回分のワクチンを無償提供すると表明した。
ベトナムは目下、感染再拡大に遭って都市封鎖措置を講じている。
そして、同国の約2,300万人の学生・生徒の新学期が今週初め(9月6日の週)始まっているが、ほとんどはオンライン授業を余儀なくされている。...
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9月11日付米
『AP通信』:「中国、ベトナム宛に300万回分のCOVID-19ワクチン無償提供を確約」
訪越中の中国外交部の王毅部長(ワン・イー、67歳)は9月11日、中国がベトナム宛に300万回分のワクチンを無償提供すると表明した。
ベトナムは目下、感染再拡大に遭って都市封鎖措置を講じている。
そして、同国の約2,300万人の学生・生徒の新学期が今週初め(9月6日の週)始まっているが、ほとんどはオンライン授業を余儀なくされている。
ベトナム国営テレビ『VTV』(1970年開局)は9月11日、中国側からかかる提案を受けたファム・ミン・チン首相(62歳)が、両国の意見の相違等は対話によって解決していく必要がある、と表明したと報じた。
ベトナムは以前から、南シナ海において進めている天然ガス探索事業を中国側に邪魔されていると非難していた。
今回、王部長の訪越についてベトナム外務省は、チン首相と共に王部長が共同議長を務めることで、第13回中国・ベトナム二国間協力運営委員会がつつがなく開催されたと発表している。
なお、王部長は、ファム・ビン・ミン第一副首相(62歳、前外相)と会談し、また、グエン・フー・チョン共産党書記長(77歳、最高指導者)を表敬訪問している。
一方、岸信夫防衛相も9月11日に訪越していて、ベトナム向け防衛装備品及び技術移転協定に署名した。
日越両国は、中国の軍事力拡大を懸念し、防衛協力について段階的に強化してきている。
同防衛相の訪越2週間前に、米国のカマラ・ハリス副大統領(56歳)が訪越していて、南シナ海における中国の“横暴”に対して、他東南アジア諸国と一緒になって抵抗していくべきだと強調していた。
9月12日付ベトナム『ベトナム新聞』(1945年、ベトナム国営通信社発刊):「中越外相、二国間関係強化に向けて具体的協議」
ブイ・タン・ソン外相(58歳)は9月11日、訪越中の王外交部長と会談し、二国間関係を強化していくべく具体的協議を行った。
両外相はまず、今年初めから、両国の様々なレベルでの協議が柔軟に進められてきたことを評価し、今後ともこの姿勢で臨んでいくことで一致した。
その上で、特にCOVID-19感染問題に対する取り組みのみならず、かかる非常時下における経済・貿易活動における協力関係を維持・強化していくことも確認した。
その際、ソン外相から王部長に対して、中国側から表明されたワクチン300万回分の追加提供について謝意が表明された。
なお、両外相は、南シナ海領有権問題に関して、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国間で交渉が進められている「行動規範」について、早期に合意に達するよう相互に協力していくことを確認した。
ただ、ソン外相からは、「海洋法に関する国連条約(UNCLOS、注後記)」に定められた沿岸国の権利や正当な利益については尊重していくことが求められる、と強調する見解が述べられている。
(注)UNCLOS:海洋法に関する包括的・一般的な秩序の確立を目指して1982年4月に第3次国連海洋法会議にて採択され、同年12月に署名開放、1994年11月に発効した条約で、通称、国連海洋法条約。国際海洋法において、最も普遍的・包括的な条約であり、基本条約であるため、別名「海の憲法」とも呼ばれる。
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