北朝鮮が豪州人留学生を拘束か【米・豪州メディア】(2019/06/28)
北朝鮮の人権問題は、国連等でもしばしば取り上げられている。それは外国人訪問者にも同様で、2016年に米国人学生が北朝鮮を旅行中に拘束され、1年半後に解放されたものの、米国帰国後間もなく死亡している。また、昨夏にも、日本人旅行者が軍事施設を撮影した等の理由で拘束されたが、日本への貸しを作るためか、“人道的理由”で国外追放の措置を取っている。そしてこの程、豪州人留学生が拘束されたとの報道がなされ、豪州政府が真偽の確認等、情報収集に躍起になっている。
6月27日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「北朝鮮が豪州人留学生を拘束か」
韓国メディア『チャンネルAテレビ』は6月26日、未確認情報と断った上で、平壌留学中の豪州人が北朝鮮当局に拘束された模様だと報じた。
豪州メディアによると、金日成(キム・イルソン)総合大学に留学中のアレック・シグリー氏(29歳)で、同氏の家族が6月25日朝以来、同氏と連絡が取れないとし、このようなことは過去になかったので、無事かどうか非常に心配していると表明しているという。...
全部読む
6月27日付米
『Foxニュース』(
『AP通信』配信):「北朝鮮が豪州人留学生を拘束か」
韓国メディア『チャンネルAテレビ』は6月26日、未確認情報と断った上で、平壌留学中の豪州人が北朝鮮当局に拘束された模様だと報じた。
豪州メディアによると、金日成(キム・イルソン)総合大学に留学中のアレック・シグリー氏(29歳)で、同氏の家族が6月25日朝以来、同氏と連絡が取れないとし、このようなことは過去になかったので、無事かどうか非常に心配していると表明しているという。
クリスチャン・ポーター司法長官は地元ラジオ局のインタビューに答えて、シグリー氏の安否確認は“最優先事項”であるとして、韓国等の協力を得て情報収集に努めていると語った。
シグリー氏は、昨年より金日成(キム・イルソン)総合大学に留学して、朝鮮文学を専攻しており、昨年5月には、日本人女性と平壌で結婚式を挙げている。
また、同氏は、豪州において北朝鮮観光専門の旅行会社を立ち上げている。
なお、同氏はおよそ2年前、豪州『ABCニュース』のインタビューに答えて、人々の北朝鮮に対する否定的な先入観を変えるべく努めたいとした上で、北朝鮮観光を進める以上、同国が安全であることを自ら証明したいとコメントしていた。
一方、北朝鮮はこれまでも、取って付けたような理由で、西側諸国からの訪問者を拘束して、政治的策略にしばしば利用している。
昨年も3人の米国人が拘束されたが、初めての米朝首脳会談開催に当っての交渉上の戦略からか、北朝鮮側の“善意の証し”として解放している。
同日付豪州『ヘラルド・サン』紙:「豪州人留学生アレック・シグリー氏、北朝鮮の大学で拘束されたとの報道」
豪州外務省によると、シグリー氏はパース(ウェスタン・オーストラリア州)出身で、これまでアジアを中心に数ヵ国に留学しており、中国語と韓国語が流暢に話せ、また日本人の由佳さんと結婚していることもあって、日本語も少し理解しているという。
また同氏は、金日成総合大学に留学している数少ない西側諸国出身者で、更に、統一旅行(トンイル・ツアー)なる旅行会社を立ち上げ、主として外国人に対して北朝鮮への旅行、あるいは留学をあっ旋している。
なお、外務省は目下、在韓国豪州大使館等を通じて、同氏の安否確認に関わる情報収集に注力している。
閉じる
サウジ送還を恐れるタイで拘束の女性(2019/01/07)
サウジアラビア人女性がタイの空港で入国を拒否され身柄を拘束されており、サウジアラビアへ送還されれば殺されると訴えているという。イスラム教を冒涜したため家族による虐待を受け、オーストラリアに亡命するため乗継していたという。サウジアラビアは昨年、在トルコ総領事館でのジャーナリスト殺害事件による人権問題で国際的批判にあっている。
1月6日付英国
『ガーディアン』は「バンコクで拘束された女性を案じる友人」との見出しで以下のように報道している。
イスラム教を非難し家族による肉体的、精神的虐待から逃れてきたサウジアラビアの18歳の女性ラハフ・ムハンマド・クヌンが、バンコク空港で拘束されており、送還されたら殺されると訴えているとシドニー在住の女性の友人が明かしている。
オーストラリアで難民申請するため(ビザの所持を主張)、乗継ぎするところであったという。...
全部読む
1月6日付英国
『ガーディアン』は「バンコクで拘束された女性を案じる友人」との見出しで以下のように報道している。
イスラム教を非難し家族による肉体的、精神的虐待から逃れてきたサウジアラビアの18歳の女性ラハフ・ムハンマド・クヌンが、バンコク空港で拘束されており、送還されたら殺されると訴えているとシドニー在住の女性の友人が明かしている。
オーストラリアで難民申請するため(ビザの所持を主張)、乗継ぎするところであったという。移民当局は、入国を認めず、クゥエート航空に女性を乗せる手筈だという。人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチによると、女性は空港内のホテルに宿泊、ここで国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に会うまでは身動きが取れない状態でタイで難民申請をする予定だという。
クヌンは髪を切っただけで家族に半年部屋に監禁され結婚を強要、サウジの刑務所を出たらすぐ殺されると主張し、恐怖で希望を失いつつあると語っているという。
最近サウジからオーストラリアに移住した活動家でフェミニストだという20歳の友人も同様の恐怖を味わったという。元イスラム教徒で、厳格な家族を持ち、暴力や性的ハラスメント受け、従弟からは殺すと脅されていたという。サウジには多くのフェミニスト団体があり、オンラインで互いに交流。チケットを購入するなど資金援助もしているという。
当局に対応を依頼。タイ当局はサウジ大使館と「調整をはかるため」連絡を取ったという。人権団体は、「どの国が外交官を空港の立ち入り禁止区域に野放しにし、乗客のパスポートを取り上げさせるのか。」とタイ当局の対応を批判。
サウジは女性を不当に扱う不道徳さがある。2017年には家族から逃れた女性がフィリピンで乗り継ぎの際拘束されている。タイのサウジ大使館、サウジ当局ともコメントを出していない。」
1月7日付豪州『ヘラルド・サン』は「オーストラリアに亡命中に拘束されたサウジ女性、家族の元に強制送還」との見出しで以下のように報道している。
家族から逃れオーストラリアに渡航中の18歳のサウジ女性が、タイで拘束された。女性はイスラムを冒涜したため、サウジに送還されれば、虐待や殺されると主張。サウジでは、女性のパスポート取得、海外渡航や結婚には、男性の親族(通常父か夫)の許可が必要。父親は、タイ当局に対し、娘は精神病だと主張しているが、証拠は提出されていない。家族でクウエートに旅行している間に女性は逃亡し、航空券を購入したという。
今朝、女性はクウエートに送還されるため、助けを求めるツイートを投稿。同件を調査している活動家は、人々にチケットを買って送還を阻止しようと呼びかけている。トランプ米大統領やジェレミー・ハント英外務大臣の介入も求めている。
近年、サウジから逃亡する女性が、ソーシャルメディアを使って広く助けを求める機会が増加している。サウジへの人権批判は、昨年のジャーナリストの恐るべき殺害で再燃していた。
閉じる
その他の最新記事