国際通貨基金(IMF、1945年創設)は昨年11月、2023年の各国の国内総生産(GDP)予想を発表したが、それによると日本はドイツに抜かれて4位に転落するという。そしてこの程、IMFの直近のデータによると、4位転落は確実で、更に2026年にはインドにも抜かれて5位に沈む見込みとなっていると米メディアが報じている。
2月13日付
『ブルームバーグ』オンラインニュースは、2023年の世界GDPランキングで、日本が4位に転落することは確実で、更に2026年にはインドにも抜かれて5位に沈む見込みだと報じている。
IMFが直近で公表した2023年GDP世界ランキングでは、3位の日本が4位のドイツに抜かれることが確実となっている。
内閣府が2月15日に公表するデータで最終結果が判明するが、IMFデータによると、日本:4兆2,300億ドル(2023年為替レートで約596兆円)、ドイツ:4兆5,000億ドル(4兆1,200億ユーロ、約635兆円)となっている。...
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2月13日付
『ブルームバーグ』オンラインニュースは、2023年の世界GDPランキングで、日本が4位に転落することは確実で、更に2026年にはインドにも抜かれて5位に沈む見込みだと報じている。
IMFが直近で公表した2023年GDP世界ランキングでは、3位の日本が4位のドイツに抜かれることが確実となっている。
内閣府が2月15日に公表するデータで最終結果が判明するが、IMFデータによると、日本:4兆2,300億ドル(2023年為替レートで約596兆円)、ドイツ:4兆5,000億ドル(4兆1,200億ユーロ、約635兆円)となっている。
ただ、日本のGDPは、円換算ベースでは2012年比+12%増加しているのに対して、ドル換算では2012年は6兆3,000億ドルであり、大きな要因は当時の為替レート80円だったのに対して、2023年実勢レートが141円となっていたことにある。
第一生命経済研究所(1997年設立)の熊野英生首席エコノミスト(56歳)は、“日本のGDP下落は偏に円安問題に因るところが大きい”と分析している。
同氏は、“円安で日本の経済規模が遥かに縮小されてしまっており、日本の一人負けと言わざるを得ない”とし、“一方、ドイツは折からのウクライナ戦争に伴う急激なインフレのせいで名目GDPが上昇したのであって、ドイツ自身も経済が低迷していることは明らかだ”とコメントしている。
なお、IMFの見立てによると、日本もドイツも高齢化、乏しい天然資源、更には自動車を中心とした輸出に依存しているという共通点があり、国内産業の大きな発展が望めない限り、急速に経済発展を成し遂げつつあるインドに、日本は2026年に、ドイツも2027年に追い抜かれる見込みとなっている。
すなわち、インドでは、ナレンドラ・モディ首相(73歳、2014年就任)主導によって、国内製造業を発展させ、インドを世界の輸出センターに押し上げるため、巨額の資金的援助政策が進められている。
実際問題、これまで投じられた240億ドル(約3兆5,760億円)のお陰で、米アップル(1976年設立)や韓国サムスン電子(1969年設立)のように大規模国内生産を達成できるまでになっている。
米金融大手ゴールドマンサックス(1869年設立)調査部門のサンタヌ・セングプタ氏(インド担当エコノミスト)は、“良好な人口動態(14億人の約3分の2が労働生産年齢)によって、今後数十年にもわたって成長が維持される”と分析している。
これに対して、少子高齢化に喘ぐ日本について熊野氏は、“例えば国内における先端技術研究開発センターを創設する等によって、技術集約型産業を発展させていく必要がある”と強調している。
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韓国の2大半導体メーカーは、世界のメモリチップ市場の約3分の2を占める。その上で、今後大きく飛躍する中国市場にも拠点を設けて、更に拡大を狙っている。しかし、米民主党政権によって、中国市場へのアクセスが一部緩和されたものの、今年11月の米大統領選で件の共和党前大統領が返り咲いた場合、中国拠点作りが裏目に出る恐れがあるため、同選挙結果に戦々恐々となっている。
1月23日付
『ブルームバーグ』オンラインニュースは、韓国の2大半導体メーカーが、米大統領選の結果に伴う対中国政策がどう展開していくのかに戦々恐々となっていると報じている。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI、米大手総合情報サービス会社『ブルームバーグ』傘下の情報収集・分析部門)のデータによると、2022年の世界メモリチップ市場(1,420億ドル、約21兆160億円)の約3分の2が韓国の2大半導体メーカーによって占められている。
断然トップのサムスン電子(1969年設立の世界最大の電子メーカー)が550億ドル(約8兆1,400億円)、2位のSKハイニクス(1983年設立)が330億ドル(約4兆8,840億円)である。
因みに、日本のキオキシア(2017年東芝から分社化、2019年東芝メモリから改名)は110億ドル(約1兆6,280億円)である。
韓国半導体メーカーは、大きく飛躍している中国市場にも拠点を設けて拡大政策を展開しようとしているが、米国政府の対中政策に大きく左右されている。
特に、SKハイニクスは大きく先行するサムスンに追い付くべく、2020年に米インテル(1968年設立)保有の中国東北部在の大連工場を90億ドル(約1兆3,320億円)で買収し、拡大を図ろうとした。
ところが、共和党のドナルド・トランプ前大統領(77歳、2017~2021年在任)から政権を引継いだ民主党のジョー・バイデン現大統領(81歳、2021年就任)も、半導体含めた最先端技術で中国が最大の競争相手となるとして、対中強硬政策を継続した。
韓国経済にとって、最大貿易相手国の中国も大事であるが、それ以上に米国依存から脱することは不可能である。
そこで、尹錫悦大統領(ユン・ソンニョル、63歳、2022年就任)が2023年4月下旬、韓国大統領として12年振りに訪米してバイデン大統領と会談し、米政府による中国への半導体製造装置の導入規制の緩和等について精力的に協議した。
同大統領に同行した、サムスン・SK・現代自動車等のトップも挙ってロビー活動を行った。
かかる努力が実ったためか、米政府は昨年10月初め、“韓国企業は特別な手続きなしに装置導入が可能”とする特別許可を下したことから、サムスン電子とSKハイニックスは中国内の自社工場への追加投資が認められることになった。
ただ、これら韓国半導体メーカーにとって、11月の米大統領選の行方が非常に重要な意味を持つ。
すなわち、万が一トランプ前大統領が返り咲こうものなら、上記の緩和策も一瞬にして葬り去られる恐れがあるからである。
SKハイニクスの郭廷潤代表取締役(クヮク・ノジョン、2022年就任)は今月初めの記者会見で、“中国における当社事業を取り巻くリスクが大幅に低下した”としたものの、トランプの大統領就任の可能性についてのコメントはせず、ただ、大連工場の売却を検討しているとの噂を強く否定している。
ただ、同社は2025年、米インテルに買収金の残額全額を支払わなければならない。
これに関し、BI所属の経済アナリスト若杉正博氏(2018年就任)は、“SKハイニクスの大連工場は、米国による対中ビジネス規制の結果に左右されるという、韓国半導体メーカーの置かれた困難な立場を象徴するものだ”とコメントした。
その上で同氏は、“米大統領選後の米国政策の不確実性を考慮すると、現段階で同社が大連工場の生産能力拡大に踏み切ることは理に適っていない”と強調している。
一方で、BIのサプライチェーン分析によると、世界最大のIT企業である米アップル(1976年設立)は収益の約20%を中国事業に依拠しており、SKハイニクスのみならずサムスン電子の中国工場生産品供給に大きく頼っているという現実がある。
なお、韓国政府が2024年初めに発表した貿易統計によると、中国が韓国にとって最大の貿易相手国ではあるが、直近の数ヵ月をみると、およそ20年振りに対米貿易額が対中実績を上回っている。
従って、韓国政府はもとより経済界としても、米・中国間でバランスを取る政策を展開する必要があるとしても、貿易上は対米依存に傾きつつある証左と言える。
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