2020年11月の米大統領選で再選を目指すトランプ大統領の陣営は2日、先日民主党の候補者指名争いへの出馬を表明したマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長が設立したブルームバーグ通信の記者には、選挙運動の取材許可を与えない方針を発表した。

『ロイター通信』や、米『NBCニュース』『ニューヨークポスト』などの報道によると、トランプ氏の選挙対策本部が声明で発表した同方針は、ブルームバーグ氏の出馬を受けた同通信社の報道方針への対抗措置とみられている。ホワイトハウスもブルームバーグの記者らの扱いを変更するのかについては、明らかでない。

ニューヨーク市の前市長で大富豪のブルームバーグ氏は、11月24日に民主党の大統領選候補者指名争いに名乗りを上げ、トランプ氏を攻撃するデジタル媒体の広告に、自身の1億ドル（約109億円）の資金を投入している。...

『ロイター通信』や、米『NBCニュース』『ニューヨークポスト』などの報道によると、トランプ氏の選挙対策本部が声明で発表した同方針は、ブルームバーグ氏の出馬を受けた同通信社の報道方針への対抗措置とみられている。ホワイトハウスもブルームバーグの記者らの扱いを変更するのかについては、明らかでない。

ニューヨーク市の前市長で大富豪のブルームバーグ氏は、11月24日に民主党の大統領選候補者指名争いに名乗りを上げ、トランプ氏を攻撃するデジタル媒体の広告に、自身の1億ドル（約109億円）の資金を投入している。

ブルームバーグ氏の出馬表明後、ブルームバーグ通信のジョン・ミクレスウェイト編集長は、ニューヨーク市長であった時代と同様に、「同氏（とその家族、財団）を調査報道の対象としないとの伝統を継続する」との方針を示しており、民主党の他の候補にも同方針を適用するとした。一方、同編集長は、引き続き「現政権であるトランプ政権は報道の対象とする。」と述べていた。

トランプ陣営の選対本部長を務めるブラッド・パースケール氏は声明で、「ブルームバーグ・ニュースは公然と同社の偏向性を宣言したため、トランプ陣営は今後、同社に対して選挙集会やその他のイベントへの取材許可証を与えない。」と述べ、「同社の個々の記者との関わりや、照会への回答などについては、個別事案毎に決定する。」と説明した。

ブルームバーグ通信では、トランプ陣営の発表を受けて、ミクレスウェイト編集長が「偏向との非難は、全く当たらない。我々はドナルド・トランプ氏が2015年に大統領選候補者となって以降、公正かつ偏向なく報道してきたが、今後もトランプ陣営による取材規制に関わらず、同様の報道を続ける。」とコメントした。

メディアの記者らは、取材許可証が得られれば、大統領選に向けた選挙運動の各種イベントに容易に入場することが可能となる。許可証がなければ、一般の支持者と同様に、選対本部から入場券を取得した上で、長い列に並んで入場しなければならない。

7月30日付Globali「トランプ大統領がマラー特別検察官にツイッターで噛み付き再開」で触れたとおり、ドナルド・トランプ大統領は、同大統領を脅かすような捜査を続けるロバート・マラー特別検察官を非常に毛嫌いしている。そして、同大統領は、そもそも同検察官任命をロッド・ローゼンスタイン司法省副長官に丸投げし、2016年大統領選ロシア介入疑惑事件から勝手に手を引いているジェフ・セッションズ同省長官にも八つ当たりしている。ただ、一方的に同長官を更迭して、同大統領の司法妨害をも捜査対象としている同特別検察官に弱みを握られないように用心してか、同大統領は、同長官は11月の中間選挙までは安泰だと、その場凌ぎとみられる発言をしている。

8月30日付米『タイム』誌（『AP通信』配信）：「トランプ大統領、ジェフ・セッションズ司法長官は少なくとも中間選挙までは安泰だと表明」

　　ドナルド・トランプ大統領は8月30日、ホワイトハウスで『ブルームバーグ・ニュース』のインタビューに答えて、ジェフ・セッションズ司法長官は11月の中間選挙までは安泰だと表明した。しかし、11月以降についてはどうするかについてコメントしなかった。

　　同大統領はこれまでしばしば、2016年大統領選ロシア介入疑惑事件について、2017年3月に早々と指揮権を放り出したとして、公的・私的に拘らず同長官を非難してきた。...

8月30日付米『タイム』誌（『AP通信』配信）：「トランプ大統領、ジェフ・セッションズ司法長官は少なくとも中間選挙までは安泰だと表明」

　　ドナルド・トランプ大統領は8月30日、ホワイトハウスで『ブルームバーグ・ニュース』のインタビューに答えて、ジェフ・セッションズ司法長官は11月の中間選挙までは安泰だと表明した。しかし、11月以降についてはどうするかについてコメントしなかった。

　　同大統領はこれまでしばしば、2016年大統領選ロシア介入疑惑事件について、2017年3月に早々と指揮権を放り出したとして、公的・私的に拘らず同長官を非難してきた。

その結果として、ロッド・ローゼンスタイン同省副長官が任命したロバート・マラー特別検察官が、トランプ陣営の同事件の関与や、同大統領自身の司法妨害まで捜査対象としていることに、非常に不満を抱いていた。

同大統領は先週、『Foxニュース』でのインタビューでも、セッションズ長官が司法省を十分“管理掌握”できていないことが“残念”と言及していた。

これに対して同長官はすぐさま、自身が就任して以降、司法省が“不適切に政治的影響を受け入れたことはない”と反論している。

一方、共和党のリンゼイ・グラハム上院議員（サウスカロライナ州選出）は8月28日の『NBCニュース』のインタビューに答えて、セッションズ長官は有能だが、トランプ大統領との関係はもはや“修復できないレベル”まで悪化してしまっている、とした上で、同大統領が望むなら、中間選挙後に誰か別の適任者を探す、とまで言及した。

8月31日付ロシア『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース：「トランプ大統領、少なくとも中間選挙まではジェフ・セッションズ司法長官は更迭しないと発言」

　　トランプ大統領は米『ブルームバーグ・ニュース』の8月30日の独占インタビューに答えて、同大統領が間もなくセッションズ司法長官を更迭する可能性との報道を否定し、同長官を11月の中間選挙まで現職に留まってもらうと明言した。

　　ただ、同大統領は同時に、二人の間には虹とユニコーンの絵のような微笑ましい関係がある訳ではないとも語った。

　　現に同大統領は8月23日、『Foxニュース』のインタビューに答えて、同長官が司法省や米連邦捜査局（FBI）の一部に蔓延る反トランプ運動をしっかり“制御”できていないと批判していた。

　　なお、同大統領は『ブルームバーグ・ニュース』のインタビューの中で、マラー特別検察官の捜査は“違法”だと再び繰り返している。

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