フランス、外食産業における仕事が人気低迷のため未曾有の採用難に
フランスのホテル・レストラン業界が現在、未曾有の危機に直面している。新型コロナウイルス以前から人材不足に直面していた業界は、パンデミック到来によって敬遠したい仕事の一つになってしまった。
仏地方紙
『ラ・デペッシュ』によると、フランスのサービス産業連盟は、カフェやホテル、レストランは2021年以降、10万人近くの従業員を失ったと報告している。現在、フランス人従業員の3%から4%を雇用しており、15万人ぶんの求人が埋められていない状況にあるという。
フランスの飲食店では、人手不足はコロナ以前から直面しているものだった。しかし、コロナ禍になり、将来が見えづらい職種、職種転換が難しく、専門性に乏しい仕事という烙印が押されてしまい、飲食業に対するフランス人のイメージが大きく変わってしまったという。...
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仏地方紙
『ラ・デペッシュ』によると、フランスのサービス産業連盟は、カフェやホテル、レストランは2021年以降、10万人近くの従業員を失ったと報告している。現在、フランス人従業員の3%から4%を雇用しており、15万人ぶんの求人が埋められていない状況にあるという。
フランスの飲食店では、人手不足はコロナ以前から直面しているものだった。しかし、コロナ禍になり、将来が見えづらい職種、職種転換が難しく、専門性に乏しい仕事という烙印が押されてしまい、飲食業に対するフランス人のイメージが大きく変わってしまったという。サービス産業連盟のオリビエ・デュピュイは、「今日、人々はこの職業に就きたいとあまり思っていない。長期的なキャリアを持つことが難しい一時的な仕事だと捉えている」と嘆いている。特に人材不足が叫ばれているウェイターやルームマネージャー、厨房スタッフなどの職種に対してマイナスのイメージが強くなっている。
仏ラジオ局『ヨーロッパ1』によると、22日に労働省で開催される会合で、産業界の代表者たちがこの問題について議論する予定となっている。人手不足解消のために、労働条件の改善や福利厚生の充実が検討される。
こうした人手不足は他業界でも課題になっているという。その一例が、道路交通分野である。フランスでは現在、4万から5万人の大型トラック運転手が不足している。この事態を緩和するために、労働組合が従業員の福利厚生について交渉を重ねてきた。賃金の上昇だけでなく、病気の子供のための看病休暇や本人が病気した時の病気休暇の導入など、様々な手当が検討されているという。
仏テレビ局『フランス3』は、リヨン近郊でレストランを経営しているギボーさんが直面している人手不足について紹介している。ギボーさんは、13カ月分の給与と休日を増やし、求人に盛り込んで募集をかけているものの、応募者が全く出てこないと嘆いている。
最も不足しているのは料理人で、ロックダウン以前からすでに、採用難だった職種は、さらに深刻な人材不足に直面しているという。ロックダウンで仕事が出来なくなってしまった料理人たちの一部が他の仕事に転職してしまった。転職したことにより、家庭生活や社会生活を営むことができる仕事を発見し、料理の世界に戻って来たがらない人が多いという。
こうした中、レストランオーナー達は、人手不足によりレストランの営業が制限されることで、今までお店に来ていた客が、ファーストフードやスーパーのお弁当などに流れてしまうことを懸念している。
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フランス、コロナパスに反対するデモで少なくとも12万人が行進
フランス内務省によると、医療従事者へのワクチン接種義務化を数日後に控えた9月11日、今回で9週目となる反コロナパスのデモがフランス各地で行われた。12万1千人ほどのフランス人が様々な都市で行進を行い、コロナパスの導入に反対の声を上げた。
仏
『ウエストフランス』紙と仏テレビ
『フランス3』によると、9月11日、パリ首都圏では4ヵ所でコロナパスに反対するデモが行われ、合計1万9千人が参加した。内務省によると、前回の8回目の土曜日には全国で14万人が集まり、7回目は16万5千人、6回目は17万5千人がデモに参加していたという。今回は12万1千人の参加者と、全体では参加者が減少してきているが、首都圏での集まりは上昇ぎみにあるという。
また、フランスでは、コロナパスだけではなく、ワクチン接種の強制に反対している人達も多くいる。...
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仏
『ウエストフランス』紙と仏テレビ
『フランス3』によると、9月11日、パリ首都圏では4ヵ所でコロナパスに反対するデモが行われ、合計1万9千人が参加した。内務省によると、前回の8回目の土曜日には全国で14万人が集まり、7回目は16万5千人、6回目は17万5千人がデモに参加していたという。今回は12万1千人の参加者と、全体では参加者が減少してきているが、首都圏での集まりは上昇ぎみにあるという。
また、フランスでは、コロナパスだけではなく、ワクチン接種の強制に反対している人達も多くいる。デモには、医療従事者だけではなく、黄色いベスト運動の人達や政治活動家など様々な顔ぶれが集まっているという。
フランス北西部のカーンでは、看護師もデモに参加していた。9月15日以降、病院や介護施設で働く従業員は、新型コロナワクチンを1回以上接種していない場合、解雇される可能性がある。ある医療従事者は、ワクチン接種の強制だけでなく、「治療を受けるための予約を行うときにコロナパスが必要となることは、ありえないことだ」と非難している。
フランスでは、2021年7月21日より、50人以上が集まる場所でコロナパスの提示が義務化された。その後、8月9日には、飲食店、大型ショッピングセンター、緊急時を除く病院などにも拡大された。8月30日からは、一般市民と接する従業員も提示が求められるようになった。
一方『BFMTV』は、WHOの欧州事務局のハンス・クルーゲ事務局長が10日、高いワクチン接種率だけでは新型コロナウィルスを食い止めることはできないと悲観的な見方を示したと伝えている。
クルーゲ氏は記者会見で、この病気が根絶されることなく風土病のまま残る可能性が高いことを明らかにした。世界の人口のうち「最低でも70%の接種率に達した時点でパンデミックは終わる」と説明していた同氏の5月時点の見解はまだ有効であるのかという質問に対し、クルーゲ氏は、デルタ株を中心とした新しい感染力の強い変異ウィルスが登場したことで状況が変わったと指摘した。「新型コロナウィルスがインフルエンザのように変異し続け、社会のうちに存在し続けると考えるならば、ワクチン接種の戦略をどのように徐々に適応させていくかについて着手し、追加投与の影響について正確な理解を得ていく必要がある」と述べている。
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