中国経済の中心地の一つである上海では、4月頭から約2600万人の全住民に外出禁止令が出された。身動きが取れず、先行きも見えない中、上海在住のフランス人駐在員たちの間で不安が広がっている。
仏ニュースサイト
『フランス24』によると、4月1日からアパートに閉じこもっている上海在住のフランス人、エリックさんは「道路には数台のパトカーと配送トラックが走っているだけだ」と語っている。このような規模のロックダウンは、2020年春に最初にウイルスが確認された武漢市からコロナウイルスを根絶するために行われたロックダウン以来になる。
中国では、4月3日に13000人以上の新規感染者が確認された。...
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『フランス24』によると、4月1日からアパートに閉じこもっている上海在住のフランス人、エリックさんは「道路には数台のパトカーと配送トラックが走っているだけだ」と語っている。このような規模のロックダウンは、2020年春に最初にウイルスが確認された武漢市からコロナウイルスを根絶するために行われたロックダウン以来になる。
中国では、4月3日に13000人以上の新規感染者が確認された。新規感染者のうち、8000人以上が上海で確認された。エリックさんは、これまで「上海は例外的に、交通規制を受けることなくパンデミックを乗り切ってきた」と話している。それまで、感染症の発生を未然に防ぐ政策が功を奏していた。感染者が確認されるや否や、当局は患者の住む住宅街をすべて隔離していた。上海での一つの住宅街は、約4000人規模の小さな村に相当する。しかし、オミクロン株の出現でこうした方法では感染拡大を防止できなくなった。
当初は、上海の東部を封鎖し、5日後にはそこを解除して西部を封鎖するという方針が示されていた。これは、厳しい監禁による経済的影響を最小限に抑えようとする自治体側の配慮であった。上海は中国の金融の中心地であり、証券取引所は香港に次いで2番目に大きいだけでなく、その港は世界最大である。これだけで中国の輸出入総額の20%近くを占めている。
しかしエリックさんは、住民にとって「何よりも事態の推移が不透明であることが大きい」と話している。上海の住民は不安にあおられ、お店の品物を買い占めており、「宅配食品のアプリの中には、商品不足で使えなくなったものもある」という。
エリックさんの住まいでは、「まだ使えるアプリについては、グループ購入をしている」という。そして、ボランティアチームが食料を回収し、住民に配っているという。こうした住民の連帯は生活の様々な分野に及んでいる。特に医療サービスでは、どの病院や診療所が患者の受け入れを続けているのか、把握することが困難であった。そこで、医学生のグループが、病院に行かなければならないような健康上の緊急事態が発生した場合に、各施設の外来患者の受け入れ状況をほぼリアルタイムで確認できるページを作成した。エリックさんは、「WeChatは、きちんとした情報を得るための必要不可欠なツールになっている。」と述べている。
一方、仏『レゼコー』によると、2008年から中国に滞在しているフランス人起業家のグレゴワールさんは、上海がロックダウンになる前の3月中旬に、自身が住む住宅街が隔離の対象になった経験から、パリ行きの航空券を購入したという。グレゴワールさんは、3人の子供のうち2人を連れて、4月8日に飛び立つ予定だった。しかしその後フライトがキャンセルされたために、フランスに戻ることができなくなった。
グレゴワールさんは、「上海では3週間足らずでビジネスが崩壊し、ゼロ・コロナ政策で見通しが悪くなっている」と言い、「個人的には、新型コロナウイルスの陽性反応を示した場合、子どもたちから引き離されるようなことは受け入れられない。」と述べている。彼と同じように、数十人のフランス人が一刻も早く上海を離れようとしている。
一方、約7000人のフランス人駐在員の多くは、現在はまだ国外退避を計画していない反面、多くの懸念に直面している。厳しい閉塞感が続く中、健康、教育、仕事、そしてフランス人にとっては大統領選の投票の面でも不安は募るばかりである。
最近行われた、フランスの国会議員アンヌ・ジェネさんとのオンラインミーティングで、ある駐在員は「私たちは食べ物を探すのに苦労しており、見捨てられ、どうしたらいいかわからない」と嘆いた。3月18日からロックダウンを経験しているフランス人女性は、「野菜はあるけど、飲み水がない」と語った。上海では、ネットスーパーが混雑しているため、WeChatで情報交換が行われているという。
フランス人の家族にとっては特に、陽性と判定された子どもが親から引き離されることが大きな不安材料になっている。フランス領事館は、EU加盟国を代表して、上海当局への書簡で、「どんな状況であれ、親と子を決して引き離さないように」と要請している。
コロナ以外の健康管理も懸念の材料となっている。2人の子どもを持つフランス人のある母親は「もしも健康面での緊急事態が発生した時、どうしたらいいのか」と悩んでいる。最近、中国人看護師が勤務先の病院での診察を拒否され、喘息発作で死亡する事件が起きている。
ワクチン接種もフランス人にとっては悩みの種となっている。ほとんどの人が、中国では認められていない外国のワクチンを利用できず、中国製のワクチンを接種している。また、3月中旬に上海の全学校がオンラインに戻る中、フランスの保護者は、間近に迫るフランスの高校卒業試験について心配している。さらに、今度の日曜日に行われる大統領選挙でも、上海の有権者登録リストに載っている4500人は、1回選で投票ができない可能性が高くなっている。
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東京オリンピックでは、史上初の試みとしてスケートボードが登場した。リラックスしたスタイルで、華やかなパフォーマンスが繰り広げられる競技は、メダリストの平均年齢が非常に若い。この新しいオリンピック競技に対してフランスメディアの注目が集まっている。
東京オリンピックの新競技、スケートボードは、2016年8月の国際オリンピック委員会(IOC)の決定を受けて、東京大会で新競技として盛り込まれた。IOCは東京大会で、パークとストリートという2つの種目をプログラムに加えた。大きな窪地状のコースで、技を競い合うパークと、階段やベンチなど都市中を再現したコースで技を競い合うストリートの2種目である。
仏『ウエストフランス』紙は、1つ目の種目「ストリート」が開催され、技の華やかさが観客にとって魅力的なものだったと伝えている。...
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東京オリンピックの新競技、スケートボードは、2016年8月の国際オリンピック委員会(IOC)の決定を受けて、東京大会で新競技として盛り込まれた。IOCは東京大会で、パークとストリートという2つの種目をプログラムに加えた。大きな窪地状のコースで、技を競い合うパークと、階段やベンチなど都市中を再現したコースで技を競い合うストリートの2種目である。
仏『ウエストフランス』紙は、1つ目の種目「ストリート」が開催され、技の華やかさが観客にとって魅力的なものだったと伝えている。そして、オリンピックでの知名度が上がることで、新しい世代が感化され、多くの選手が生まれてくる可能性があると報じている。
同紙は、「ストリート」の結果を見ると、あることが目に留まると伝えている。メダリストたちが非常に若いことである。男性のメダリスト3人はそれぞれ22歳、28歳、20歳であるのに対し、女性のメダリストたちは金メダリストが13歳、銀と銅は、16歳である。
これまで主流と見なされていなかった都市型のスポーツ競技であったが、2020年のオリンピックにスケートボードが採用されることが発表されたとき、オリンピックとは相容れない競技であると反発の声も上がった。しかし最終的には、オリンピック競技としても、ある種の自由なスタイルを維持することができた。イヤホンをしたまま滑走を行い、カラフルなTシャツとルーズパンツという、都会的なファッションが開催地東京にもぴったりはまった。
仏『ルモンド』紙は、未来のスポーツ競技が誕生したと報じている。メダリストたちの若さを指摘し、ファイナリストの中で最年長だった34歳のアメリカ人、アレクシス・サブロン選手のUSAトゥデイへのコメントを紹介している。「初めて椛やライッサ、そして多くの女の子たちを見たのは、彼女たちが11歳か12歳のときで、何が起きているのか悟りました。女性のスケートボーダーが増えたため、才能あふれる選手が出てくるようになったのです。彼女たちは他の女の子や世界に対して、何が可能であるかを見せてくれることでしょう。競技環境は、この2年間で急速に変化しました。」
7位だったフィリピンのマージリン・ディダル選手(22歳)も、若い選手がオリンピックを席巻していることを喜んでいた。「メダリストはみんなとても若い。歴史的なことであり、私はそれを目撃しただけです。今回初めてのオリンピック大会に、私も一緒に参加させていただきました。若い子にも、女の子にも、これからスケートボードを始めたいと思っている人にも、とにかく滑って楽しんでくださいと伝えたいです。気をつけて、安全装備をしてください。不可能なことはありません」。
『フランス24』によると、スケートボードは、何よりもまず、自由な精神で制約を受けない生き方をモットーとするスポーツであり、この15年間、多くのアウトドアブランドを魅了してきた。スケートボードがトレンドとなり、多くの若者を魅了し、関連商品の売れ行きも好調である。同ニュースサイトは、IOCが視聴者の若返りを図るための機会として導入したと伝えている。
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