イタリア、飲食店やホテルのオーナー達による営業再開を求める運動広がる(2021/04/15)
イタリアで新型コロナウイルス対策のための飲食店や店舗の営業停止が長引いている。レストランのオーナーやホテル関係者たちは、閉店したままでは生きていくことが出来ないとして、「Io Apro」(私は開く)運動を繰り広げるようになった。ローマでは、店舗の即時再開を要求するデモが2週連続で行われている。
フランス政府のラジオ放送局
『ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)』は、7日に行われた第一回目のデモについて、「ローマの中心部、下院議会の前では、自由と労働を求めて100人ほどのデモ隊が集まり、政治当局に対する暴力的な反乱の前兆となる可能性のある憤慨を感じた。」と伝えている。
トレビの泉の近くのホテルとレストランのオーナーである男性は『RFI』に対し、客の93%が外国人観光客であるが、1年以上も閉店になっていると話した。...
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フランス政府のラジオ放送局
『ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)』は、7日に行われた第一回目のデモについて、「ローマの中心部、下院議会の前では、自由と労働を求めて100人ほどのデモ隊が集まり、政治当局に対する暴力的な反乱の前兆となる可能性のある憤慨を感じた。」と伝えている。
トレビの泉の近くのホテルとレストランのオーナーである男性は『RFI』に対し、客の93%が外国人観光客であるが、1年以上も閉店になっていると話した。年間50万ユーロ(約6500万円)の維持費に対し、5万ユーロ(約650万円)の援助しか受け取っていないという。「4月に再開しようと思っていたが、政府は拒否した。世界の大国たちは、イタリアを飢えさせて、我々の企業を安く買い叩こうとしている。このウイルスは茶番劇だ。」と述べた。
小さなオーガニックレストランのオーナーであるエレナさんは、「Io Apro」(「私は開く」)運動に賛同し、8日から政府の営業禁止令に違反する覚悟で、店を開くという。エレナさんは、「昨年は600ユーロ(約8万円)の助成金を2回受け取った。それ以来、何も受け取っていない。だから、再開する。(政府は)私たちの話に耳を傾けなければならない。」と語った。
イタリアのホテル・レストラン業界団体の推計によると、イタリアのホテル・レストラン経営者の30%が倒産の危機に瀕しているという。
フランスの公共メディア『フランスアンフォ』によると、ミラノ、ナポリ、パレルモで行われてきたデモが、7日、首都ローマでも開かれた。ローマでレストランを経営しているアルドさんは、「個人的には6月まで持ちこたえられるが、何も残らないだろう 」と語っている。アルドさんは、この業界では、「40%はすでに廃業しており、20%は一生分の借金を抱えており、40%がまだ残っている。大惨事だ、もう駄目になりそうだ。」と訴えている。
イタリアのバー・レストラン業界では、平均して4人に1人が職を失っており、その4分の3は40歳以下だという。
12日付けの『フランスアンフォ』の記事によると、12日に行われる予定であったデモ行進は、政府当局が禁止した。デモに参加しようとしていた700人ほどが移動中に警察によって足止めされたため、100人ほどしか集まることができなかった。
デモに参加した男性は、「警察は私に罰金を科したり、起訴したりすることはできても、私のデモを行う権利を奪うことはできない」と述べた。「私は51歳の父親だ。死ななければならないのなら、奴隷としてではなく、自由な市民として死にたい。」と訴えた。
シチリアのレストランオーナーの代表を務めるロベルト・トゥディスコさんは、「私たちは、死んだ人間がまだ歩いているようなものだ」と話している。「政府は1年前から私たちの仕事を奪い、手当てを与え、休業すれば面倒を見ると言っている。しかし、資金がもう底をついた。私たちは飢えている。市民が飢えると、もはや制御できなくなる。」と説明している。
現在「Io Apro」(私は開く)運動は、4月20日からの完全な営業再開を要求している。政府が承諾するまでデモが継続される予定となっている。
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ハリウッド映画のコンテンツに対する中国政府の影響力(2021/04/06)
欧米メディアは、一流スタジオの買収、映画内容の検閲などをとおして、中国政府がハリウッドを牛耳るようになっていることに対し懸念の声を上げている。メディアは、中国は映画というソフトパワーを用いて世界の舞台で主導権を握ろうとしているという危機感を伝えている。
仏放送局
『フランスアンフォ』は2月25日の記事で、「中国政府は、自国に関する話題を管理するために、あらゆる手段、特に財政的な投資を行うことをいとわない。アメリカでは、わずか数年で、ハリウッドが買収された。」と伝えている。
『フランスアンフォ』によると、「2012年には、中国のコングロマリットである万達集団が、アメリカの映画チェーンAMCを26億ドル(約2867億円)で買収。2016年には、同じグループがバットマンやインターステラーの製作スタジオであるレジェンダリー・ピクチャーズのオーナーとなり、35億ドル(約3859億円)で買収した。...
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仏放送局
『フランスアンフォ』は2月25日の記事で、「中国政府は、自国に関する話題を管理するために、あらゆる手段、特に財政的な投資を行うことをいとわない。アメリカでは、わずか数年で、ハリウッドが買収された。」と伝えている。
『フランスアンフォ』によると、「2012年には、中国のコングロマリットである万達集団が、アメリカの映画チェーンAMCを26億ドル(約2867億円)で買収。2016年には、同じグループがバットマンやインターステラーの製作スタジオであるレジェンダリー・ピクチャーズのオーナーとなり、35億ドル(約3859億円)で買収した。また、2017年には、有名なパラマウント社が株式の4分の1を10億ドル(約1103億円)で国有の上海映画グループに売却した。」
中国の映画製作会社DMGエンターテインメントで約20年間、映画を製作・監督してきたアメリカのプロデューサー、クリス・フェントン氏は、アメリカの映画業界が中国政府を怒らせないために行っている政治的な妥協を非難している。同氏は、「アメリカのスタジオは、自分たちの作品が中国共産党を喜ばせることを心掛け、共産党政府を怒らせるような題材は作らないようにしている。台湾やチベット、香港、さらには人権に関わるような映画であれば、そうした企画はとん挫する。中国とビジネスをしたいなら、そんな話は出せない」と述べている。
同氏は昨年10月、米国営放送局『ボイス・オブ・アメリカ』に対し、アメリカの映画作品が中国市場に参入するためには、中国を良く見せるような内容、中国政府の世界観に反しない内容になっていることが求められる、と説明している。そして、こうした中国政府による規制は、時間の経過とともに厳しくなり、対象範囲も広がっていると指摘している。アメリカ人にとって真実であることに対する中国政府の侵害は、今すぐ止めて反撃しなければならないところまで来ていると懸念を表明している。
例えば、中国で配給されない作品であったとしても、その作品に中国の国益に反するような内容が少しでも含まれていることが知られれば、中国当局はその映画に関わったスタジオや映画監督にペナルティを課し、同スタジオまたは監督のあらゆる作品が中国市場に入ってこないように阻止するという。
2012年の「レッド・ドーン」という作品では、中国が悪役として登場した。製作者であるソニーとMGMは結局、撮り直しをしたが、中国市場での公開は許されず、さらには、ソニーとMGMの全ての作品は1年間、中国市場で公開されることが困難になった。これ以降、ハリウッドでは、中国を怒らせないための自己検閲が広く行われるようになったという。
フェントン氏は、中国は、その国の文化に配慮した作品の編集という域を超えて、全世界に対して中国市場と同じ検閲内容でのみ配給することを強要することが問題であり、米中国系メディア『エポックタイムズ』によると、フェントン氏は、こうした問題は、「国家の安全保障の問題であり、経済の安全保障の問題であり、人権の問題であり、正義の問題でもある」と述べている。
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