4月14日付米
『ロイター通信米国版』:「米軍、南太平洋での軍事演習に先駆けて中国が資金援助したバヌアツの港湾を調査」
米海兵隊のカーティス・ヒル中佐は4月14日、『ロイター通信』のインタビューに答えて、今年後半に南太平洋で大規模軍事演習を予定していることから、中国が資金援助して建設しようとしているバヌアツの港湾設備計画について現地調査を実施したと表明した。
同中佐によると、軍事演習の際に米軍事海上輸送司令部の艦船が派遣されることもあって、カリフォルニア州に司令部のある第1海兵遠征軍が、事前に同地の調査を行う必要があったとしている。...
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4月14日付米
『ロイター通信米国版』:「米軍、南太平洋での軍事演習に先駆けて中国が資金援助したバヌアツの港湾を調査」
米海兵隊のカーティス・ヒル中佐は4月14日、『ロイター通信』のインタビューに答えて、今年後半に南太平洋で大規模軍事演習を予定していることから、中国が資金援助して建設しようとしているバヌアツの港湾設備計画について現地調査を実施したと表明した。
同中佐によると、軍事演習の際に米軍事海上輸送司令部の艦船が派遣されることもあって、カリフォルニア州に司令部のある第1海兵遠征軍が、事前に同地の調査を行う必要があったとしている。
豪州の『フェアファックス・メディア』が数日前、中国がバヌアツに恒久軍事基地を建設する計画を有していると報道していた。
バヌアツは、米同盟国である豪州の北東2,000キロメーター(1,200マイル)にあり、第二次大戦中は米軍基地が設営されていた。そのため、十分な水深があり、戦艦が容易に接岸できる港である。
一方、同日付豪州『ザ・キャンベラ・タイムズ』紙:「バヌアツの首相候補、中国の野望に警鐘」
バヌアツの野党リーダーのイシュマエル・カルサコー氏は4月14日、『フェアファックス・メディア』のインタビューに答えて、中国の意図が不確かな状況下、現政権が極端に中国寄りの政策を推進することを懸念すると語った。
カルサコー氏は中道右派の穏健政党連合党首であるが、中国が進めるプロジェクトのいくつかはバヌアツの経済成長に結びつくか疑念を抱かせるものもあり、中国による恒久軍事基地建設の可能性含めて、現政権が中国の要望に盲従することは危険だと批判している。
例えば、バヌアツ北部のルーガンビルの港湾施設建設に、中国から1億1,400万ドル(約122億円)の融資を受けているが、施設・運営母体等不透明な点が多く、軍事専門家の話では、将来軍港に変えられる恐れがあるという。
なお、シャーロット・サラワイ首相は就任後2年経過と、2008年以降最も長く政権を担っている。しかし、同首相は4月14日、ジョー・ナトゥマン副首相が職権乱用で2年間の執行猶予判決を受けたことを理由として、内閣の不信任案が議決される前に、解散総選挙に打って出ることを匂わしている。
従って、総選挙となった場合、カルサコー氏が次期首相となる可能性がないとは言えない。
(注)米海兵隊:フランスと緊張状態にあった1798年に設立。沿岸警備隊を含めた米軍を構成する5軍では2番目に小さい組織。2017年6月の時点で約18万人の現役将兵と4万人の予備役を擁す。独自の航空部隊を保有することで航空作戦も実施でき、航空機をヘリコプターや艦載機とすることで海軍の航空母艦や強襲揚陸艦などを利用し、さらに活動範囲を広げることも可能。また、地上戦用装備も充実しており、陸軍と同様の主力戦車も配備。戦闘艦艇は保有しないが、独自の物資輸送船を保有。本土の防衛が任務に含まれない外征専門部隊であることから、「殴り込み部隊」とも渾名される。
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中国人民解放軍は、2017年8月にアフリカ北東部のジプチに初の海外軍事基地を設営した。半永久的な権力を掌握した習近平(シー・チンピン)国家主席は、海洋大国擁立を目標に掲げて、国産空母の建設含めて更に海上覇権に積極的である。そしてこの程中国が、南シナ海覇権を更に強化することや、米軍のアジア進出に対抗することを目的としてか、南太平洋のバヌアツ(注後記)に、海外2番目となる軍事基地を建設すべく同国と協議を進めているとの報道がなされた。
4月10日付米
『CNBCニュース』(
『ロイター通信』配信):「中国、南太平洋に恒久軍事基地を設営か」
豪州の『フェアファックス・メディア』は4月10日、中国が南太平洋のバヌアツに人民解放軍(PLA)の恒久軍事基地を設営することで協議を始めたと報じた。
豪州のジュリー・ビショップ外相(61歳)は同日、バヌアツの高官から何ら公式な話となっていないと説明を受けたことを明かした。
同外相は、バヌアツは豪州の戦略的パートナーだとしながらも、中国が海外でのインフラ投資・建設に積極的に出ていることを認め、中国が同国と非公式な協議をしているかについては確認を避けた。
同豪州メディアの報道では、中国とバヌアツ両国は、PLA海軍艦船の係留や補修、また、燃料補給やそれらの保管等、初期的サービス提供について協議を始めたとしており、これが最終的には軍事基地設営に繋がっていくものとみられるとしている。
いくつかの国は、中国が最近国際援助機関等を通じて南太平洋に供与を図り、それらの国々への影響力を高めようとしていると糾弾している。
なお、中国は昨年8月、アフリカ北東部のジプチに初の海外軍事基地を建設したが、中国政府は、保障基地(海賊対策やPLA部隊・艦船の一時的駐留のための基地)であり軍事基地ではないと主張している。
同日付英『デイリィ・メール・オンライン』(『AFP通信』配信):「中国、バヌアツに恒久軍事基地設営を視野」
豪州メディア『シドニー・モーニング・ヘラルド』紙は4月10日、中国がバヌアツのポートビラ(同国首都、第二次大戦中は米軍の軍事基地)に恒久軍事基地設営の計画を有している模様だと報じた。
同紙は、もしこの話が現実となると、豪州・ニュージーランドはもとより米国にとっても、中国の南太平洋における影響力増大という問題を抱えることになるとしている。
なお、英国のチャールズ皇太子(69歳)とともに先週バヌアツを訪問した豪州のビショップ外相は、バヌアツ政府は新聞報道のようなことはないとしているし、豪州とバヌアツの関係は強固であると語っている。
また、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相(37歳)は、新聞報道の信憑性についてコメントすることはないとしながらも、同国は太平洋海域の軍事拠点化に断固として反対すると述べた。
一方、豪州のシンクタンクのロウィ・インスティテュートの試算によると、中国は2006~2016年の間、バヌアツに対して17億8千万ドル(約1,900億円)に上る経済支援を行っているという。
同日付豪州『ニュース・コム』オンラインニュース:「中国、バヌアツに軍事基地建設か」
豪州マッコーリー公立大の安全保障問題研究の専門家アダム・ロッカイヤー准教授は、中国がもし、豪州から僅か2,000キロメーター内にあるバヌアツに軍事基地を建設することになったとしたら、豪州にとって“非常に重苦しい悪夢”となろうと語った。
しかし、ビショップ外相は、このような恐れはないとし、豪州・バヌアツ間の連携は強固であると強調した。
また同外相は、豪州在バヌアツ高等弁務官(英連邦加盟国間の大使相当の代表)のカルフォー・カロリス氏も、本国の外務省は中国が同国内に恒久軍事基地建設計画を有しているとの話を承知していないと語っていると紹介した。
なお、中国国営メディア『環球時報』はその社説で、マルコム・ターンブル首相(63歳)は“反中国”の旗を掲げる急先鋒の人物だとした上で、このままではこれまで築き上げられた中豪関係が毀損されてしまうと非難している。
そこで、ロッカイヤー准教授は、豪州に警告する意味もあって、中国は今後も、かかる話を機会ある毎に持ち出してくるものと思われるとも付言した。
(注)バヌアツ:南太平洋のシェパード諸島の火山島上に位置する共和制国家。1980年7月、英仏共同統治より独立した英連邦加盟国。人口は僅か24万人。西に豪州、北にソロモン諸島、東にフィジー、南にフランス海外領土のニューカレドニアがある。
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