ボーイング、2024年にコロナ禍前の航空利用が戻ると予測
米航空機大手ボーイングは今後10年の市場予測を示し、2023年には国内旅行、翌年2024年には国際旅行が回復することで、世界の旅行がコロナ禍前のレベルに戻ると予測している。また、今後20年では、中東とアジアで航空機需要が拡大し、最大市場は米国から中国にとって替わるとみられている。
9月14日付英国
『BBCニュース』は「ボーイング社、2024年までに航空利用がコロナ前のレベルに回復と予測」との見出しで以下のように報道している。
航空機大手ボーイング社は、世界の航空利用がコロナ禍前のレベルに戻るには、あと2年半かかると予測している。各国の規制が影響することで、長距離の国際線ルートの回復が最も遅れるとし、国内線が先だって回復すると予測。世界全体では、2023年末から2024年の初頭にかけて2019年レベルまで回復すると予測。...
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9月14日付英国
『BBCニュース』は「ボーイング社、2024年までに航空利用がコロナ前のレベルに回復と予測」との見出しで以下のように報道している。
航空機大手ボーイング社は、世界の航空利用がコロナ禍前のレベルに戻るには、あと2年半かかると予測している。各国の規制が影響することで、長距離の国際線ルートの回復が最も遅れるとし、国内線が先だって回復すると予測。世界全体では、2023年末から2024年の初頭にかけて2019年レベルまで回復すると予測。
国際通貨基金(IMF)は、コロナ禍からの経済回復を見込み今年の世界経済成長を6%、来年を4.9%と予測。ボーイングは、コロナ以前のようなビジネスや渡航、輸送システムで景気を回復するには、渡航制限について、各国共通の世界的アプローチが非常に重要だとする。各国がワクチンや検査において独自の戦略を持っており、隔離期間の基準も異なることが国際間の移動をより複雑にしている。
世界経済回復のカギは航空業界が握っており、国連の国際民間航空機関によれば、航空業界が世界経済の3.6%を占め、世界の6550万人の雇用を支えていたと推計している。今後20年の世界の航空機需要を予測によると、2040年までに新たな商業用機43,610機 の需要が見込まれる。また需要が拡大するのは、中東やアジアで、現在世界最大の航空市場は米国だが、これが中国にとって替わるとみられる。
世界的な航空需要の縮小により、4千機が地上待機となった。これにより寿命が延び、新たな航空機の発注は停滞するだろう。気候変動問題で飛行機の燃料にも注目が集まる。温室効果ガスの2%を航空機関連が占めており、バイオ燃料、水素、バッテリーなどの開発が進められている。ボーイングは2019年時点での機体の8割以上が長期的に置き換わるとみている。一方、環境シンクタンクの国際クリーン交通委員会(ICCT)によると、2030年でもEU圏の航空燃料の割合は僅か5.5%にすぎないとみられ、目標達成には中長期的なサステイナブル燃料が必要となる。
同日付英国『フィナンシャルタイムズ』は「パンデミックで航空業界の成長に二年のブランク」との見出しで以下のように報道している。
コロナ禍は航空業界に大きな傷を残した。ここのところボーイング社は787の生産停止や、長期的な737MAXの事故、昨年の航空機需要減少により業績不振が続いている。
14日、来年の長期業界予測が発表された。世界の航空機を2030年まで19,330機と見通し、合計は2019年の予測から7%減だが、昨年予測の11%減よりは回復すると予測。ボーイングのDarren Hulst営業副部長は、「コロナ禍で約2年の成長機会を失った」が、航空業界は5年で4、5%の長期回復を見込んでいるとした。
また同社は年間世界経済が2.7%成長するとし、旅客機と貨物機で各4%の成長を予測した。
また同社は、航空軍事市場が今後10年で9兆ドルの規模になると予測。うち3.2兆ドルがサービス関連、2.6兆ドルが軍事関連とする。低価格のLCC堅調も維持されるとみている。両側1列の小型機需要も今後20年で64~68%に上昇すると予測された。
今年は世界のサプライチェーンが縮小し、旅客が減った航空機のスペースを利用して商品輸送が行われた。貨物専用機の需要も伸びるとみられ、2019年には2010機だった貨物輸送機を、2040年までに3435機に増やすとしている。
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フェイスブックとオーストラリアの対決、評価分かれる
オーストラリアは25日、ニュースコンテンツをプラットフォームに表示する場合にニュース使用料を支払うことを義務付ける「ニュースメディア取引法」を可決した。しかし、数カ月に及ぶオーストラリア政府とプラットフォーム大手の争いの結果、内容の修正された法案が可決されることになり、その効果に評価は分かれている。
カナダ最大の日刊紙
『トロントスター』は、フェイスブックがニュース使用料を要求する法案に反発して、1300万人のオーストラリア人ユーザーが、ニュース閲覧ができなくなる措置を予告なく取ったことは傲慢であったと報じている。
フェイスブックはその後、オーストラリア政府が条件を緩和する方向で修正を加えたことで措置を解除し、新法に合意した。『トロントスター』は、フェイスブックはかなり譲歩し、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者がG20の国をいじめて服従させようとした初の試みは失敗に終わったと報じている。...
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カナダ最大の日刊紙
『トロントスター』は、フェイスブックがニュース使用料を要求する法案に反発して、1300万人のオーストラリア人ユーザーが、ニュース閲覧ができなくなる措置を予告なく取ったことは傲慢であったと報じている。
フェイスブックはその後、オーストラリア政府が条件を緩和する方向で修正を加えたことで措置を解除し、新法に合意した。『トロントスター』は、フェイスブックはかなり譲歩し、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者がG20の国をいじめて服従させようとした初の試みは失敗に終わったと報じている。
同紙は、新法の成立は、単にニュース使用料の義務化の法案が通ったというものではなく、今回繰り広げられたテック企業対政府の確執は、世界の指導者たちの注目を集め、プラットフォーム大手を抑制するための独自の対策を計画している指導者たちを勇気づけたと伝えている。そして、オーストラリアで繰り広げられた論争は、ソーシャルメディアの改革に新たな弾みをつけたという。同紙は、オーストラリアは20年以上前の創設以来、無法地帯であり続けたソーシャルメディア業界に、最初の意味ある規制を課すことで画期的な成果を達成したと伝えている。
一方英ニュースサイト『ザ・テレグラフ』は、フェイスブックとグーグルはオーストラリア政府に対し恐喝行為を行ったとする記事を掲載している。
デイリーメールをはじめ複数のメディアを所有する「デイリーメールアンドジェネラルトラスト(DMGT)」の会長であるロザミア卿は、英「フィナンシャルタイムズ」に掲載された投書で、ニュース使用料騒動について「政治家は非常に心配すべきだ」と述べている。
ロザミア卿は、「ニュースを報道するにはお金がかかる。しかし、何年もの間、グーグルとフェイスブックは使用料を払わずにニュースコンテンツを略奪してきた。同時に彼らが支配している広告市場から、これまで以上に大きな利益を得ている。」と2社を批判している。
そして、新法導入に対し「プラットフォームは恐喝で応答した。グーグルはオーストラリアでの検索エンジン提供を停止すると脅し、フェイスブックはニュース閲覧や共有を遮断した。オーストラリアは身代金を要求され、そして降伏した」と述べている。条件の緩和された修正案が可決されたことで、グーグルやフェイスブックは、ニュースパブリッシャーに対し「この金額で満足できないなら、お帰りください。」という姿勢での取引が行えることになった。「これでは公正な独立した仲裁は存在しないだろう。」と指摘している。
ロザミア卿は、「フェイスブック自らが、自社が選んだニュースパブリッシャーをサポートするために、ニュースが表示されるかどうかを決定する権限はフェイスブック側が保持するということをオーストラリア政府は明確にしたと発表した。言い換えれば、フェイスブックがこの戦いに勝ったのである。フェイスブックが、ソーシャルメディアでどのニュースが読まれるか、それに対していくら支払うかを決定することになる。」と述べている。そして、「今、政治家たちは、誰がルールを作っているのか、と自問自答しなければならない。プラットフォームが、自分たちが好む出版社との秘密の取引で、一般の人々が読むことができるニュースを決定するのだろうか?それとも政府や規制当局は、すべての人に公正で透明性のある取り扱いを保証するために、真の決意を持って行動するのだろうか?」と問いかけている。
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