“OPEC+”会合の舞台裏、先走りのロシア・サウジアラビアに当初批判のイランも、反トランプで一致【米・イランメディア】(2019/07/04)
6月30日付Globali「
プーチン大統領;サウジアラビア皇太子と原油減産措置継続で合意して原油収益増に期待」で報じたとおり、G-20サミット出席の機会を捉えて、OPEC盟主のサウジアラビアと非加盟国代表のロシア首脳が会談し、国際経済鈍化による原油価格低迷を避けるべく、協調減産をもう暫く継続することで合意した。本来、7月1、2日に開催される“OPEC+(注後記)”会合で協議・決定されるべき案件について、サウジアラビア・ロシアが先走ったとして、イラン等が反発していた。しかし、自国最優先のトランプ大統領が原油価格下落を主張していることから、反トランプ政策の下、イランも敵視するサウジアラビア提案の協調減産継続を支持することになった。
7月3日付米
『ロイター通信』:「OPEC、トランプ大統領からの圧力に対抗するプーチン大統領を歓迎」
ウラジーミル・プーチン大統領が6月29日、サウジアラビアのモハンマド・ビン=サルマン皇太子との間で、現行の原油協調減産を今後も継続することで合意したと発表したが、イラン含めたOPEC加盟数ヵ国は一斉に反発した。
何故なら、OPEC非加盟国であるロシアがOPEC政策を左右するような対応をしたこと、また、2001年時のロシアの虚偽行為(協調減産に合意しながら全く不実施)も念頭にあって、OPECを崩壊させるリスクとなると不快感を覚えたからである。...
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7月3日付米
『ロイター通信』:「OPEC、トランプ大統領からの圧力に対抗するプーチン大統領を歓迎」
ウラジーミル・プーチン大統領が6月29日、サウジアラビアのモハンマド・ビン=サルマン皇太子との間で、現行の原油協調減産を今後も継続することで合意したと発表したが、イラン含めたOPEC加盟数ヵ国は一斉に反発した。
何故なら、OPEC非加盟国であるロシアがOPEC政策を左右するような対応をしたこと、また、2001年時のロシアの虚偽行為(協調減産に合意しながら全く不実施)も念頭にあって、OPECを崩壊させるリスクとなると不快感を覚えたからである。
しかし、事態は急転直下に好転し、7月1日晩までに、イラン含めてOPEC全加盟国が協調減産を2020年3月まで継続することで合意した。
その背景には、ドナルド・トランプ大統領が、来年の大統領選を睨み、原油価格の下落を主張し、その同盟国のサウジアラビアに対して、敵対するイランに対抗するための米国軍事支援と引き換えに原油増産をはたらきかけていたことが挙げられる。
イランのビージャン・ナームダール・ザンギャネ石油相も当初、敵対するサウジアラビアの減産提案に反発していたが、結局のところ反米・反トランプ対策となることに納得し、諸手を挙げて賛成に回った。
ロシアとしては、コスト割れしないために1バレル当り45~50ドル(約4,900~5,400円)が必要で、高価格維持によって原油収入が大きく増えることになる。
一方、サウジアラビアの生産コストは割高で80ドル(約8,600円)が必要で、原油価格上昇が必要不可欠である。
同日付イラン『ファーズ・ニュース』:「イラン石油相、OPECの決定に賛同」
ザンギャネ石油相は7月2日、OPEC+の24ヵ国からなる会合において、1日当り120万バレルの協調減産を来年3月末まで継続するとの決議に合意した旨表明した。
この減産は、米国産原油の過剰供給等による値崩れを防ぐ上で必要不可欠だとする。
同石油相はまた、OPEC内他加盟国との協力体制整備につき合意できたことを評価している。
なお、国連ウィーン事務局に派遣されているイランのカゼム・クァリババディ大使は7月1日、米国が同盟国のサウジアラビアを焚き付けて、イランやベネズエラのOPEC主要メンバーの役割を減退させようとしていると非難していた。
また同大使は、今や世界最大の産油国となった米国が、OPECを間接的に牛耳ることを企んでいるとも付言していた。
(注)OPEC+:サウジアラビア・イラン・イラク・クウェート・ベネズエラ等12ヵ国で形成するOPECと、ロシア・メキシコ・ブラジル・カザフスタン等12ヵ国のOPEC非加盟国との協力組織。半年から1年毎に会合を開き、原油生産、市場見通し等につき協議している。なお、産油国である米国は本会合に参加していない。
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トランプ大統領、自身のことは棚に上げて反政府運動取締りのイラン政府を非難【米・英・イランメディア】(2017/12/30)
ドナルド・トランプ大統領は、自身に刃向ったり、批判したりする人たちを徹底的に攻撃する。しかし、イラン政府が、物価高等の不満からデモ行進を行った市民を逮捕した事に対して、平和的活動を弾圧するものと非難するツイートを掲載した。相変わらず、自分のことを棚に上げるのが得意である。
12月29日付米
『メディエイト』オンラインニュース:「トランプ大統領、イラン政府への抗議活動家を支援して“イラン政府は市民の抗議の声を聴くべき”とツイート」
12月28日に始まったイラン政府への抗議行動は、段々と他の大都市にも広がっている。
そして、例によって、ツイート好きなドナルド・トランプ大統領は12月29日夜半、抗議行動をする人たちには“反対の声を挙げる権利”があるとツイートした。...
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12月29日付米
『メディエイト』オンラインニュース:「トランプ大統領、イラン政府への抗議活動家を支援して“イラン政府は市民の抗議の声を聴くべき”とツイート」
12月28日に始まったイラン政府への抗議行動は、段々と他の大都市にも広がっている。
そして、例によって、ツイート好きなドナルド・トランプ大統領は12月29日夜半、抗議行動をする人たちには“反対の声を挙げる権利”があるとツイートした。
また、同大統領は、平和的に抗議行動をしている市民を、イラン政府がどのように扱っているか、世界は注目しているとも強調した。
『AP通信』によると、イラン政府に抗議するデモ行進をしていた人たちのうち、行き過ぎたスローガンを叫んでいると同政府が判断した52人を逮捕したという。
12月30日付英
『ザ・テレグラフ』紙(
『AFP通信』配信):「ドナルド・トランプ大統領、抗議活動家を逮捕したイラン政府に対して“世界は注目している”と非難」
イラン第2の都市のマシュハド(イラン北東端)で12月28日、同政府に抗議デモを行った市民52人が逮捕された。そして翌日、抗議デモは首都テヘランからカーマンシャー(イラン西端)まで広がっていった。
イラン政府を非難するトランプ大統領の12月29日ツイートに続いて、ホワイトハウスも、イラン政府の汚職や海外テロ組織への資金提供に抗議した市民のデモは、平和的なものだったとの報告を受けていると表明した。
また、米国務省のヘザー・ナウアート報道官も、平和的なデモを行った市民を逮捕したことから、米政府としてイラン政府を非難するとした上で、国際社会がイラン政府に対して、市民の権利の擁護と汚職の絶滅を強く要求していくことを望むとの声明を出した。
同日付イラン
『イラン・ヘラルド』紙:「米政府、イランの平和的デモを行った市民逮捕を非難」
米国務省は12月29日、イランの指導者らは、歴史も文化もあったイランを経済的に疲弊し落ちぶれた国にしてしまったとした上で、彼らは暴力、殺戮、そして大混乱を世界にばら撒いていると非難した。
イランの独立系メディア
『ファーズ・ニュース』は、イラン西部のカーマンシャーで12月29日、約300人の市民が集まり、600人の犠牲者を出した11月の大地震の被災者への救済や、政治犯の釈放を求めてデモを行ったところ、警察が突入してきたと報じた。
イランの治安担当のモーセン・ハメダニ氏は、警察はデモ中止に従おうとしなかった数人を一時的に拘束したと語った。
一方、それに先立つ12月28日、第2の都市のマシュハドで数百人の市民が、物価高に抗議してデモ行進を行ったところ、52人が逮捕された。これに対してモハンマド・ラヒム・ノルージアン市長は、警察は違法デモを中止するよう“最大限の寛容”を以て対応したが、一部の人がこの制止を聞かずに破壊行動に出たため、止む無く逮捕したものだと表明した。
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