ウクライナ危機、プーチン大統領がEU加盟国であるハンガリーの首相と会談(2022/02/01)
バイデン米大統領は、ロシアが国境に軍隊を集結させて間もなくウクライナに侵攻する計画であると非難し、もしそうなれば厳しい経済制裁を科すと警告している。緊迫した状態が続く中、ロシアのプーチン大統領は2月1日、ハンガリーのオルバン首相との会談を主催する。ハンガリーはEUとNATO両者の加盟国でありながら、オルバン首相は、ウクライナ危機に対してNATOやEUよりも柔和な対応を選んでいる。
『AFP通信』によると、ロシア政府は、両首脳は貿易とエネルギーのほか、「ヨーロッパの安全保障を確保するための現在の問題」についても話し合う予定だと伝えている。オルバン首相は、ロシアが欧州諸国に圧力をかける目的でエネルギー危機を画策していると欧州から非難される中、ロシアからのガス輸入を増やす合意を目指すと述べた。
週末にマドリードで開かれた欧州保守派の会合で、オルバン首相は、ウクライナは中欧の人々にとって「非常に重要な問題」であると述べた。...
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『AFP通信』によると、ロシア政府は、両首脳は貿易とエネルギーのほか、「ヨーロッパの安全保障を確保するための現在の問題」についても話し合う予定だと伝えている。オルバン首相は、ロシアが欧州諸国に圧力をかける目的でエネルギー危機を画策していると欧州から非難される中、ロシアからのガス輸入を増やす合意を目指すと述べた。
週末にマドリードで開かれた欧州保守派の会合で、オルバン首相は、ウクライナは中欧の人々にとって「非常に重要な問題」であると述べた。一方で「平和と事態の鎮静化」に賛成であることも強調してきた。ウクライナ国境でのロシアの軍備増強に対するEUの強い警告には同調していない。ハンガリーは1999年にNATOに加盟し、2004年にはEUに加盟したが、ウクライナとは小さな陸上国境を共有しているため、よりソフトな路線をとっている。
ハンガリーのシヤールト外相は、ハンガリーが米国からのNATO軍駐留要請を交渉していると述べたが、1000人規模の部隊になるとの報道をフェイクニュースであると指摘した。外相は、ハンガリーは忠実なNATOメンバーだが、「新しい冷戦」は望まないとしている。バイデン大統領は、大西洋同盟に加盟していないウクライナではなく、東欧のNATO諸国に米軍を派遣する計画を発表していた。
一方、米オンラインメディア『バズフィードニュース』によると、ウクライナ東部戦線の最高司令官であるオレクサンドル・パブリウク中将は、米国から大規模なロシア軍の攻撃からウクライナを守るために必要な武器の希望リストを求められたと述べている。しかし、どの武器が必要か連絡したあと、何週間も返事がないまま時が過ぎているという。何度も依頼を伝えたものの、米国からは音沙汰無しであり、返事がないままになってしまうことを懸念しているという。
なお、ウクライナのゼレンスキー大統領は先週の金曜日、米国と欧州の同盟国に対して警告の言葉を発し、外国人記者団に対し、西側諸国は戦争が近いと声高に宣言しているが、実際のウクライナ支援は行っていないと思うと語った。そして、EUと米国の態度は、冷静さと団結が必要なときにパニックと混乱を引き起こす危険性があると非難した。「我々は、明日戦争が起こるかもしれないと言おうとしているときに、毎日、毎分、どのように発言するか非常に注意しなければならない。静かな軍事的準備と静かな外交でなければならない。」と注意を促した。大統領はまた、ロシアの新たな攻撃の後にのみ制裁を脅かす西側諸国を非難し、それらは「わが国を助けるためのものではなく」、代わりに「欧州連合を助けるためのもの」であると批判した。
米『ビジネスインサイダー』によると、先週木曜日に行われたバイデン大統領との電話会談について聞かれたゼレンスキー大統領は、「私はウクライナの大統領であり、ここに拠点を置いているので、他のどの大統領よりも深く詳細を知っていると思う」と答えた。この電話では議論があったと伝えられているが、ゼレンスキー氏は「バイデン大統領とは何の誤解もない。彼が米国で起こっていることを完璧に理解しているように、私は自分の国で起こっていることを深く理解しているだけだ。バイデン大統領に批判的なわけではない」と説明した。
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カナダ、トラック運転手によるデモ行進で作られた車列が世界記録塗り替えの可能性(2022/01/28)
カナダでは、ワクチン接種の義務化に反対する数百人のトラック運転手が今月23日にバンクーバーからオタワに向けて出発した。州をまたぐごとにこの運動を支持するトラック運転手が加わり、トラックの列は世界記録を破るかもしれない勢いになっている。首都オタワ到着は28日(金)を予定している。
米ニュースサイト
『ビジネスインサイダー』は、カナダ全土のトラック運転手がトラックに乗ってオタワに向かい、トルドー政権によるワクチン接種義務化に反対する集会を行うために国会議事堂前に集結する予定だと伝えている。
カナダのトラック運転手に対するワクチン義務化は1月15日に施行された。この新しい規則では、トラック運転手は国境を越えるためにワクチン接種の証明を提示することが求められ、ワクチンパスポートを持たないトラック運転手は、米国から再入国する際に検疫と検査を受けることが要求される。...
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米ニュースサイト
『ビジネスインサイダー』は、カナダ全土のトラック運転手がトラックに乗ってオタワに向かい、トルドー政権によるワクチン接種義務化に反対する集会を行うために国会議事堂前に集結する予定だと伝えている。
カナダのトラック運転手に対するワクチン義務化は1月15日に施行された。この新しい規則では、トラック運転手は国境を越えるためにワクチン接種の証明を提示することが求められ、ワクチンパスポートを持たないトラック運転手は、米国から再入国する際に検疫と検査を受けることが要求される。
トラック運転手による義務化撤回のための抗議活動を立ち上げた団体「フリーダム・コンボイ」は、トラック運転手の燃料費、宿泊費、食費を支援するために、クラウドファンディング「GoFundMe」を通して520万カナダドル(約6億円)以上を集め、6万7千以上の寄付を集めた。「フリーダム・コンボイ」は、カナダ政府が 「トラック運転手のビジネス、産業、生活の基盤を破壊する規則や義務を実施している 」と考えているとGoFundMeのページに書いている。
カナダ紙『トロント・サン』は、ギネスブックによると、これまでで最も長いトラックの列は、2020年にエジプトで組まれた7.5kmだという。首都オタワに向かうトラックは、それよりもかなり長いと言われている。「フリーダム・コンボイ」のスポークスマン、ベンジャミン・ディヒター氏は「全長70kmだ。飛行機から撮った映像を見たことがある。目を見張るような光景だ」と語っている。もしこのままの長さを保ってオタワに到着するならば、世界記録の10倍の規模になる可能性がある。
デモ行進には、カナダ全土から、さらには米国からのトラックを含めた計5万台ほどで構成されると推測されている。1月29日には、オタワが長距離トラックで溢れかえる可能性が出てきた。このデモ行進に対して、今や、何千人ものカナダ人が沿道に並び、陸橋から声援を送り、自宅やレストランでドライバーに食事を提供しているという。『トロント・サン』は、「これは草の根のデモであり、主催者が想像していたものよりはるかに大きなものになっている」と伝えている。
一方、カナダテレビ局の『CTVニュース』によると、カナダのトルドー首相は、「オタワに向かう途中の、受け入れがたい見解を持つ少数派の人々は、互いのために行動し、科学に従って互いを守るために立ち上がることが、国としての自由、権利、価値を引き続き確保する最善の方法であることを知っているカナダ人の見解を代表しているわけではない」とトラック運転手の抗議活動を非難した。そして、ワクチン接種によって「正しいことをしよう」と立ち上がったカナダ人こそが、「好きなことに戻るためのカナダ人の自由と権利」を守る人たちだと述べた。
しかし、『CTVニュース』によると、トルドー首相は27日、新型コロナウイルスの陽性反応が出た人物と接触したため、5日間自己隔離することになったと発表した。このタイミングで濃厚接触者となったため、トラック運転手による「フリーダム・コンボイ」が首都に到着する週末から、下院が再開される来週初めにかけても、自己隔離を続けることになる。
カナダのロジスティックス専門のニュースサイト『フライトウエィブズ』によると、トラック運転手の抗議活動を支持しているアルバータ州を拠点とする運送会社Evans Truckingの社長は、「私たちは、政府が個人の体をどうするかに口を出す権利はないと思っている。予防接種を受けたくない人たちを応援する」と述べている。カナダのトラック運送業界では、地域によってワクチン接種率が大きく異なっており、国内最大の貨物市場であるトロント地域では、多くの運送会社が90%以上の接種率を報告している。一方、Evans Truckingのように、ドライバーの3分の1以上が未接種である会社も存在するという。
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