朝鮮半島:南北朝鮮間での風船ビラの発信による新たな緊張状態が生まれる(2024/05/30)
ハンギョレ新聞の記事を引用して、北朝鮮が、5月28日火曜日、宣伝ビラとゴミの付いた90個の巨大な風船を韓国に向けて送ってきたという。
韓国のNGOが以前に送った宣伝ビラに対する北朝鮮政府の返答とも受け取れる内容が書かれていた。南北朝鮮間の心理戦とも言えるプロパガンダ活動が現在も続いている。
5月28日火曜日夜、南北境界線近くの2県の韓国の住民は、当局からの警戒メッセージ、“北朝鮮から韓国向けに発せられたビラと見られる未確認物体が検知された。...
全部読む
ハンギョレ新聞の記事を引用して、北朝鮮が、5月28日火曜日、宣伝ビラとゴミの付いた90個の巨大な風船を韓国に向けて送ってきたという。
韓国のNGOが以前に送った宣伝ビラに対する北朝鮮政府の返答とも受け取れる内容が書かれていた。南北朝鮮間の心理戦とも言えるプロパガンダ活動が現在も続いている。
5月28日火曜日夜、南北境界線近くの2県の韓国の住民は、当局からの警戒メッセージ、“北朝鮮から韓国向けに発せられたビラと見られる未確認物体が検知された。”を受け取った。その後、150個以上のゴミとプロパガンダ用のビラを付けた風船が韓国に届いた。
ハンギョレ新聞によると、この方法でのプロパガンダ活動は見慣れた出来事で、以前の韓国活動家のプロパガンダ活動に直接的に返答してきたものと見ている。すなわち、今月の初めに北朝鮮からの脱国者が、北朝鮮に向けて、30万枚のキムジョンウン批判のビラと、2000個のKポップをロードしたUSBを風船で送っている。それに対して北朝鮮当局は、先週の日曜日に韓国に汚物を送って返答すると予告していた。
風船による南北朝鮮の些細な戦いは、南北朝鮮間での2020年の大きな事件に端を発している。すなわち、2020年、韓国から北朝鮮へ宣伝ビラを送った直後、北朝鮮が国内の開城特別市の工業団地にある南北朝鮮連絡事務所を爆破する事件が起きている。その後、北朝鮮側は、その後4年間、弾道ミサイルの打ち上げ実験や偵察用人工衛星の打ち上げ実験を繰り返している。 ちなみに、5月17日金曜日の韓国軍の発表では、この日に北朝鮮が韓国への攻撃を想定したと見られる短距離弾道ミサイル実験を数回行っているという。
このような状況下において、南北朝鮮間での対話の機会は完全に失われている感がある。
閉じる
対韓強硬発言、北朝鮮の真意は何処に(2020/06/15)
北朝鮮の金与正党第一副部長が13日に、連絡事務所の破壊や韓国に対する軍事行動を示唆する発言をしていることに対し、韓国では14日に国家安全保障会議が開催され、北朝鮮に対する警戒レベルを引き上げた。
北朝鮮の今回の強硬な態度に対し、その真意は何処にあるのか、あるいはこの状態が続くことへの影響については様々な見解がある。
韓国の『ハンギョレ新聞』は、南北関係は益々難しい局面となっており、もしも北朝鮮がこの状況を変えなければ、国際社会の北朝鮮に対する与論は悪化し、米国の大統領選挙後の米朝対話にもマイナスの影響が出るだろうと見ている。また香港の『サウス・チャイナ・ポスト』紙は韓国の前議員の朴智元の「韓国は直ちに平壌に大統領特使を派遣するべきだ」との意見を掲載している。...
全部読む
北朝鮮の今回の強硬な態度に対し、その真意は何処にあるのか、あるいはこの状態が続くことへの影響については様々な見解がある。
韓国の『ハンギョレ新聞』は、南北関係は益々難しい局面となっており、もしも北朝鮮がこの状況を変えなければ、国際社会の北朝鮮に対する与論は悪化し、米国の大統領選挙後の米朝対話にもマイナスの影響が出るだろうと見ている。また香港の『サウス・チャイナ・ポスト』紙は韓国の前議員の朴智元の「韓国は直ちに平壌に大統領特使を派遣するべきだ」との意見を掲載している。さらに同紙は、韓国の政界の意見として、「北朝鮮は南北の境界線付近で、軍事行動をとる“可能性は大変高い”」との見解と、ある大学教授の「北朝鮮は境界線付近の陸地あるいは海上で火蓋を切る可能性がある」との見解を紹介している。
VOAは「北朝鮮がこのような準備をしているのは、韓国に対し、経済あるいはその他の面での譲歩を引き出そうとしているからではないか」との専門家の意見を紹介している。さらにドイツでは、北朝鮮の本当の目的は米国に圧力をかけて、米国の対朝制裁を緩和させようとしているのではないかとの見解もある。
米国の『NBC』は、ホワイトハウスは北朝鮮の最近の行動に対するコメントなどはだしていないとし、さらにCIAの元担当者の「北朝鮮は秋に何らかの挑発行為を行い、大統領選挙期間中にトランプ大統領に懲罰を与えようとしているのではないか」との見方を紹介している。
専門家の意見も様々であるが、北朝鮮の次の一手はどのようなものになるだろうか。
閉じる
その他の最新記事