イスラエル保健省報告、デルタ株に対しファイザー製ワクチンの感染予防効果低下
イスラエル保健省は5日、新型コロナウイルスの変異株「デルタ型」に対して、ファイザーとバイオンテック社製ワクチンの感染予防効果は64%にとどまると発表した。イスラエルではデルタ型が急増しており、3回目の接種と規制の復活が検討されている。
『ロイター通信』とインドの
『NDTV』によると、ファイザー製ワクチンの症状を伴う感染を防ぐ効果は、この1ヶ月間で64%にまで低下しており、この低下は、より感染力の強いデルタ型がイスラエル国内で急速に広まったことと一致しているという。また、6月初旬に規制が解除されたこととも重なっている。しかし、保健省は、重症化に対しては依然として強力な防御となっていると伝えている。政府のデータによると、入院を防ぐ効果は以前の97%から93%と少しだけ減少している。...
全部読む
『ロイター通信』とインドの
『NDTV』によると、ファイザー製ワクチンの症状を伴う感染を防ぐ効果は、この1ヶ月間で64%にまで低下しており、この低下は、より感染力の強いデルタ型がイスラエル国内で急速に広まったことと一致しているという。また、6月初旬に規制が解除されたこととも重なっている。しかし、保健省は、重症化に対しては依然として強力な防御となっていると伝えている。政府のデータによると、入院を防ぐ効果は以前の97%から93%と少しだけ減少している。
イスラエルは、世界に先駆けてワクチン接種キャンペーンを推し進め、現在、人口の約57%が2回のワクチン接種を受けている。しかし、Ynetニュースサービスは、7月2日に新たに感染した人の55%がワクチンを接種していたと伝えている。イスラエル政府は、コロナウイルスに感染したワクチン接種者を、年齢、持病、接種日などの要因を含めて調査し、ワクチンの有効性と効果が切れる速度を評価する予定だと発表した。
感染増加に伴い、公共の場では屋内でのマスク着用義務が復活し、他の規制も復活させるどうかが検討されている。3回目のワクチン接種を推奨するかどうかについては未定となっている。
イスラエル紙『ハアレツ』によると、イスラエルの医療関係者は、デルタ型に対する予防接種の効果は、当初の予想よりもはるかに低いと考えている。保健省が使用したモデルは、医療関係者から疑問視されているという。ある保健専門家はハアレツに対し、「局所的な発生からワクチンの効果を適切に評価するには、方法論的に非常に大きな課題がある」と述べている。政府に助言を与える専門家団体の責任者であるラン・バリサー教授は、検査が選択的に行われる場合、ワクチンの効果を測るのは非常に難しいとコメントしている。
英『ミドルイースト・アイ』によると、バリサー教授は、感染者数の増加は、デルタ型の軽度の症状を予防するための、ワクチン効果が低い可能性がある可能性を示唆していると警告している。また、「デルタ型に対するワクチンの効果を正確に評価するのは時期尚早」としながらも、「重症ではなく軽症に対するワクチンの効果が多少低下する可能性がある。専門家たちは、重篤な病気に対するワクチンの効果は、アルファ株の時と同じように高く保たれると期待している」と述べている。
ワクチンを2回接種したイスラエル人がウイルスに感染して重症化する数は、1日に約1人から5人に増加したと推定されている。しかし、死亡者は出ていない。同教授は「この12日間、死亡者数がゼロであることは心強いことだ」と述べている。
閉じる
イスラエル、ワクチン接種済みの外国人ツアー客を5月から受け入れ
大規模で効果的な新型コロナウイルスの予防接種キャンペーンを展開したイスラエルは、3回目の全国的ロックダウンからの段階的解除を進めている。徐々に日常が戻りつつある中、5月23日から予防接種を受けた観光客も受け入れ始めることが発表された。
イスラエル紙
『ハアレツ』によると、イスラエルは新型コロナウイルスの発生により、昨年3月から、海外からの外国人の受け入れを禁止してきた。しかし5月23日からは、コロナワクチンを接種した外国人に限り、団体旅行客として受け入れを再開する。
保健省と観光省の共同声明によると、イスラエルの観光を再開する初期段階では、モニタリングが容易な団体客のみに限定されるという。国内の感染率が上がらないことを前提に、個人旅行者にも徐々に国境を開放していくと観光相は述べている。...
全部読む
イスラエル紙
『ハアレツ』によると、イスラエルは新型コロナウイルスの発生により、昨年3月から、海外からの外国人の受け入れを禁止してきた。しかし5月23日からは、コロナワクチンを接種した外国人に限り、団体旅行客として受け入れを再開する。
保健省と観光省の共同声明によると、イスラエルの観光を再開する初期段階では、モニタリングが容易な団体客のみに限定されるという。国内の感染率が上がらないことを前提に、個人旅行者にも徐々に国境を開放していくと観光相は述べている。
イスラエルを訪れる団体客は全員、イスラエル行きのフライトに搭乗する72時間以内に、PCR検査を受け、着陸時にはワクチン接種を受けたことまたはコロナから回復したことを証明する血清検査を受け、PCR検査も再度受けることが求められるという。第一段階では、一日に入国できる観光客の数も上限が設けられる。
なお、先週からは、国内に親族がいる一部の海外居住者の入国が認められるようになった。ただし、内務省または最寄りのイスラエル領事館のいずれかから、イスラエルに行くための承認を事前に得る必要がある。
米『abcニュース』によると、イスラエルツアーオペレーター協会の代表であるヨッシ・ファタル氏は、今回の決定を歓迎しつつも、ツアー客の受け入れ方法に疑問を投げかけている。同氏は、なぜ同じワクチンを接種した観光客よりも、ワクチンを接種したイスラエル人の方が入国しやすいのか理解できないと述べている。同氏は、イスラエルに対し、ワクチン接種を認識するための国際基準を採用し、プライバシーの問題があるとする血清検査は行わないよう求めた。
イスラエルのニュース専門テレビ局『i24ニュース』によると、イスラエル政府は現在、到着手続きを容易にし、血清学的検査を不要にする「予防接種証明書の相互承認」について複数の国と交渉しているという。
イスラエル当局専門家によると、同国はワクチンによる「集団免疫」を達成した可能性があり、さらなる制限を安全に緩和することができるという。ワイツマン科学研究所の生物情報学者であるイラン・シーガル氏は、490万人以上のイスラエル人がワクチン接種を終えたことで、1日の新型コロナウイルス感染者数は97%減少したと報告している。
閉じる
その他の最新記事