『ネーチャー』に投稿された今回の報告書は、EUの財政支援を受けて30人の科学者たちが3年半の期間をかけた研究成果をまとめたもので、1.5℃リミットを超えた場合、2100年の温暖化3.0℃に至るまでの多岐のシナリオを今回初めて発表している。
なお、「オーバーシュート」という言葉は益々、ひんぱんに科学分野の報告書や政治的な討議に使われるようになったが、意味するところは、気候変動に関しては、リミットを超えたが、元に戻ることを意味している。...
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『ネーチャー』に投稿された今回の報告書は、EUの財政支援を受けて30人の科学者たちが3年半の期間をかけた研究成果をまとめたもので、1.5℃リミットを超えた場合、2100年の温暖化3.0℃に至るまでの多岐のシナリオを今回初めて発表している。
なお、「オーバーシュート」という言葉は益々、ひんぱんに科学分野の報告書や政治的な討議に使われるようになったが、意味するところは、気候変動に関しては、リミットを超えたが、元に戻ることを意味している。すなわち、地球温暖化値1.5℃を超えたが、各国の技術的な増援でリミット値、1.5℃に戻ることを意味しているが、報告書では気候変動の殺人的な影響を回避できるという楽観的な考えに過ぎないと指摘している。
報告書では、2015年に採択された1.5℃限界値を目標とするパリ議定書が尊重されてきたが、現実問題として限界値を超えた場合、多くのリスクをはらんでいるという。幾つかの不可逆的な気候変動結果は避けられず、地球環境を限界値前に100%戻すことは不可能だと推論している。
今回の研究に携わった著者の1人、シュレスナー(オーストリア人)氏によれば、「地球は、産業革命前に比べて、温度上昇1.5℃に向かっており、現在すでに、温度上昇は1.3℃に到達していて、世界中に軒並み、洪水、熱波や森林火災が起こっている。」と指摘している。さらに、「たとえ1.5℃のリミットを超えてから、世界の平均温度を下げたとしても、気候と世界の環境は、超える前と同じではない。」と予測している。「最悪の被害を抑える唯一の方法としては、今から温室効果ガスの排出量を減らし続けるしかない。」と付け加えた。一方、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書によれば、1.5℃のリミットは2030年代の初頭に超えると予測されている。
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イスラエルにおける新規感染者数と入院患者数は減少に転じた。これがイスラエルでの3回目の外出制限によるものではないことは明らかだとしている。
すなわち、年齢層別にコビッド19感染者数を調べると、ワクチン接種率が90%に及んでいる60才以上の高齢層での新規感染者の減少割合が若年層に比べより顕著になっている事実からワクチンの効果が明確だという。
なお、ワクチンの効果が予想より遅れて現れたのは、従来型より感染力の強い英国型変異株ウイルスがイスラエルにも出現し、新規感染者が一旦増加したためと推測されている。...
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イスラエルにおける新規感染者数と入院患者数は減少に転じた。これがイスラエルでの3回目の外出制限によるものではないことは明らかだとしている。
すなわち、年齢層別にコビッド19感染者数を調べると、ワクチン接種率が90%に及んでいる60才以上の高齢層での新規感染者の減少割合が若年層に比べより顕著になっている事実からワクチンの効果が明確だという。
なお、ワクチンの効果が予想より遅れて現れたのは、従来型より感染力の強い英国型変異株ウイルスがイスラエルにも出現し、新規感染者が一旦増加したためと推測されている。
今回のイスラエルでのワクチン接種の成果により、少なくとも使用されたファイザー/バイオNテック社製のRNAメッセンジャーベースのワクチンが、英国型変異株ウイルスに対しては有効があることが立証されたことになる。
ソルボンヌ大学医学部の免疫学科ブリジット・オトラン教授よれば、RNAメッセンジャータイプで遺伝子組み換えウイルスベクターを持つワクチンは強力な抗体反応を誘発するため変異株に対しても効果があるという。
なお、南アフリカ型やブラジル型変異ウイルスに対しては英国型変異株と同じくウイルス遺伝子配列部位、E484での変異が問題になっている。
一方、ネーチャー誌に記載されたテキサス大学での試験管でのファイザー社ワクチンの南アフリカ型コロナウイルス変異株に対する研究では、充分なレベルの薬効が確認できたと報告している。
ファイザー社ワクチンの南アフリカ型やブラジル型変異株に対する効果については実際の効果に対する報告を待ちたい。
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