仏誌
『ヌーベル・オプセルバトゥール』によると、ドイツのシュパーン保健相は6日、欧州医薬品庁(EMA)から12歳から15歳までの年齢に対する承認を得ることを条件に、「8月末までに12歳から18歳のすべての人にワクチンを提供する」と発表した。ファイザー社とバイオンテック社が共同開発したワクチンが、12歳から15歳までの年齢を対象に、EMAによって6月中に承認されることが期待されている。
しかし、新型コロナウイルスに対するワクチンを子供に接種することに対して科学者たちの意見は分かれている。...
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『ヌーベル・オプセルバトゥール』によると、ドイツのシュパーン保健相は6日、欧州医薬品庁(EMA)から12歳から15歳までの年齢に対する承認を得ることを条件に、「8月末までに12歳から18歳のすべての人にワクチンを提供する」と発表した。ファイザー社とバイオンテック社が共同開発したワクチンが、12歳から15歳までの年齢を対象に、EMAによって6月中に承認されることが期待されている。
しかし、新型コロナウイルスに対するワクチンを子供に接種することに対して科学者たちの意見は分かれている。『ヌーベル・オプセルバトゥール』の3月26日付けの記事によると、フランス小児科学会は、「子供の場合、無症状であり、あまり伝染しない。慢性的な病理を持っている子供でも、重症になるケースはほとんど報告されていない。現在までのところ、ワクチン接種は、一般の子供たちには必要ない」と提言している。
しかし、国立保健医学研究所(Inserm)は、「子どもは大人に比べて感染率が低いだけでなく、学校での感染は主に大人からのものである」ことを考慮すると、小さな子どもにワクチンを投与しても感染拡大防止にはつながらないとする一方で、「社会的な接触が増え、大人と同じようにウイルスを感染させると思われる青年」は、予防接種を受けてもらうことで成人の感染拡大防止につながるという見解を示している。
ファイザーとバイオンテックのワクチンの12歳以上への使用は、5日に世界で初めてカナダで承認されている。米国でも10日以降承認される見通しとなっている。フランスでは、16歳から17歳の重い病気の若者にのみワクチン接種が認められている。
仏放送局『フランスアンテール』によると、ヨーロッパで最も高齢者の多い国であるドイツは、ワクチン接種キャンペーンを開始した昨年末からの数ヵ月間、非常に低迷していたものの、4月に入り、開業医による投与を許可したことや、アストラゼネカワクチンを全ての大人に対象を広げたおかげで接種回数がいっきに増加していったという。5月2日時点では、1週間に400万回以上もの接種が行われた。ドイツは今後、8月までに12歳以上から15歳の全ての若者への予防接種も完了する計画だ。
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