シンガポールでは、水資源の供給を安定させるための水処理施設への経費が増加しておりそれを補填する目的等で水道料金を2段階に分けて3割値上げする方針だという。家計への影響を軽減するため、低所得者への税優遇措置を行う。シンガポールでは水道供給の約6割を隣国マレーシアからの輸入に頼っており、残りは国内の貯水・集水地や淡水化(脱塩)で賄っているという。政府はマレーシアとの契約が切れる2060年までに需要の多くをプラント施設で賄う方針だが、生活費が世界で最も高い国にランクインし、その水道料も周辺国の10倍前後。その一方、6年連続して経済成長低迷と失業率上昇で、市民の不満が高まっているという。今回、市民が自由に集結出来る「スピーカーズ・コーナー」での抗議集会に関する記事に対して、シンガポール警察は「誤解を招き、警察への不信を仰ぐもの」だと警戒している。
3月13日付シンガポール
『ニュー・ストレイツ・タイムズ』(ロイター通信引用)は「水道料金値上げで珍しい抗議、シンガポール」との見出しで以下のように報道している。
シンガポールのスピーカーズ・コーナーには、政府の水道料金値上げ計画に抗議するため100人以上が集い抗議が行われた。
シンガポール政府は高い支持率を誇るのだが一方、反対意見への寛容が足りないことで知られる。市民は公園の一角に設けられたこの場所で法に触れない範囲で不満を漏らす事のみが許される。...
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3月13日付シンガポール
『ニュー・ストレイツ・タイムズ』(ロイター通信引用)は「水道料金値上げで珍しい抗議、シンガポール」との見出しで以下のように報道している。
シンガポールのスピーカーズ・コーナーには、政府の水道料金値上げ計画に抗議するため100人以上が集い抗議が行われた。
シンガポール政府は高い支持率を誇るのだが一方、反対意見への寛容が足りないことで知られる。市民は公園の一角に設けられたこの場所で法に触れない範囲で不満を漏らす事のみが許される。
先月政府は、低所得世帯への税控除を条件に、水道料金の段階的3割値上げ計画を発表。値上げは20年以上振り。これに対し市民は、税控除の条件では大家族には不足だと反対しているという。
資源の乏しいシンガポールでは水道供給の6割をマレーシアに頼り、その契約は2061年まで。
輸入への依存脱却をめざし、水処理施設で水を再生し、海水の脱塩施設にも多額の投資をしている。
先月財務相は「再生水と脱塩で水不足を補うべき」だと議会で発言した。
輸入水も国内の水源も天候条件に左右される為、水道料金値上げは水処理技術へのコストとして必須だと説明する。
しかし、デモ参加者はこれを「不当」とし、3年連続世界で最も生活費が高い都市であり、英国からの独立後急速に発展した経済立国は6年連続して成長鈍化と高失業率に見舞われている。政府の圧力を恐れる必要がなければ、もっと多くの人がデモに参加したとの見方もある。
2014年には強制積立制度に抗議した6人が公的不法妨害罪で起訴されている。
12日付
『ロイター通信』は「水道料金値上げ抗議に関するロイターの記事が誤りだとシンガポールが主張」との見出しで以下のように報道している。
シンガポール警察は日曜、ロイター通信による(上記の)記事が、スピーカーズ・コーナーの位置づけに関して「間違っており誤解を生む」ものだと述べた。シンガポール警察は声明で、記事は「明らかにスピーカーズ・コーナーの使用を著しく躊躇させ、警察への不信を仰ぐもの」、「もっと客観的な取材をしていたら、スピーカーズ・コーナーはシンガポール市民が自由に責任を持って大衆に向けて主張する場であると報道するはずである」と述べている。また、2014年に6人が起訴されたという報道に対して警察は、隣接した場所で別のイベントを妨害した後に逮捕されたと説明した。
デモを主導したギルバート・ゴー氏は当紙に、デモに参加するのを恐れる人がある特定数いると述べた。
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