米カリフォルニア州で教員にワクチン接種義務化
米国で最も人口の多いカリフォルニア州では、学校の教職員に新型コロナウイルスのワクチン接種または定期検査を義務化する。米国では、これまで安全だと考えられてきた若年層の入院患者が増加し、政府や自治体が検査やワクチンの義務化に踏み切っている。来月には、コロナ対応で批判された同州のニューサム知事のリコール選挙が控えている。
8月11日付米国
『USA Today』は「全教職員へのワクチン接種や検査義務付け、州としてカリフォルニアが初」との見出しで以下のように報道している。
11日カリフォルニア州のニューサム知事が、州の教職員にワクチン接種か定期検査を義務付けると発表。同州の教職員は32万人以上、学生数は610万人以上。義務化は10月15日からとなり、私立学校も含む学校区の用務員、助手、バス運転手も対象となる。...
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8月11日付米国
『USA Today』は「全教職員へのワクチン接種や検査義務付け、州としてカリフォルニアが初」との見出しで以下のように報道している。
11日カリフォルニア州のニューサム知事が、州の教職員にワクチン接種か定期検査を義務付けると発表。同州の教職員は32万人以上、学生数は610万人以上。義務化は10月15日からとなり、私立学校も含む学校区の用務員、助手、バス運転手も対象となる。ワクチンを受けていない場合は、毎週検査結果の提出が求められる。オークランドの学校でニューサム知事は、「これは休校しないために必要なことだ。」と述べた。
デルタ株の感染拡大が広がり、数州では感染者と入院者が過去最大となっている。先週カリフォルニア州は、州の職員へのワクチンや検査義務化を発表。ハワイでも1週間前に公立学校で同様の措置が取られており、連邦政府、州、自治体が、ワクチンの義務化に踏み切っている。
5週間後には、昨年からコロナ対応で批判が高まった同知事のリコール選挙が控えている。休校後の学校再開が遅れたことで辞職を求める動きが起きており、ワクチン義務化も争点となるとみられる。
米国立アレルギー・感染症研究所長でバイデン大統領の顧問であるアンソニー・ファウチ所長は、学校関係者のワクチン接種が必要との見解を示し、国レベルでなくとも州や自治体単位での措置の必要性を訴えていた。
同日付米国『ニューヨークタイムズ』は「カリフォルニア州で教員のワクチンや検査を義務化」との見出しで以下のように報道している。
カリフォルニア州が公立私立校の教職員へのワクチンを義務化する最初の州となった。幼稚園から12学年までの学校職員が対象となる。デルタ株の感染者が急増により、同様の義務化措置が公立私立の職員を対象に広がっている。先週ハワイも、教師を含む公務員へのワクチン義務化を発表しているが、カリフォルニア州では、私立学校を含む点でより踏み込んだ対応となっている。
学校再開を巡っては数か月議論が続いていたが、現在では、奨励段階だったワクチンの義務化が注目点となっている。カリフォルニア州教員協会はワクチン義務化を支持する一方、ロサンゼルス教員連合会長は声明で、「ワクチン義務化に反対はしないが、ワクチン単体では十分ではない。必要なことだが確証があるわけでない。」としている。
リコールの是非を問う選挙を来月に控えるニューサム知事にとり、学校再開は重要なタスクで、長引く休校で不満をもつ保護者はリコール支持の基盤となっている。同州の多くの地域では、冬の感染者急増や教員組合との交渉延長等により、他州よりも長く休校期間が続いていた。
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北朝鮮が若者世代の取り締まり強化
北朝鮮は、コロナ禍、経済制裁、自然災害にあえぐ中、韓国など海外の文化が流入し、市場経済や繁栄を見た若者世代が、金正恩政権への疑問を抱き反発しかねないと危険視し、取り締まりを強化しているという。
7月18日付英国
『BBC』は「北朝鮮、若者に韓国の言葉を使わないよう警告」との見出しで以下のように報道している。
北朝鮮の国営メディアは、若者に韓国風スラングの使用を禁止し、北朝鮮の標準語を話すよう警告している。これは外国文化の流入を排除する刑罰つき新法の一環で、違反者には禁固刑や処刑まであり得るという。労働新聞の記事は、韓国のファッションやヘアスタイルをやめ、音楽も聞かないようにと警告、「ブルジョアのカラー掲示板から入ってくるイデオロギーや文化は、銃を持った敵より危険」、「北朝鮮訛りの朝鮮語の方が優れており、若者は正しい朝鮮語を話すべきだ」と強調する。...
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7月18日付英国
『BBC』は「北朝鮮、若者に韓国の言葉を使わないよう警告」との見出しで以下のように報道している。
北朝鮮の国営メディアは、若者に韓国風スラングの使用を禁止し、北朝鮮の標準語を話すよう警告している。これは外国文化の流入を排除する刑罰つき新法の一環で、違反者には禁固刑や処刑まであり得るという。労働新聞の記事は、韓国のファッションやヘアスタイルをやめ、音楽も聞かないようにと警告、「ブルジョアのカラー掲示板から入ってくるイデオロギーや文化は、銃を持った敵より危険」、「北朝鮮訛りの朝鮮語の方が優れており、若者は正しい朝鮮語を話すべきだ」と強調する。韓国のスラングには例としては、夫を「オッパ」(兄という意味)と呼ぶなどの言葉がある。
北朝鮮は海外の影響を敵視する姿勢をみせており、ニューヨークタイムズによると、金正恩氏はKポップは北朝鮮青年を腐敗させる「悪性のがん」と規定している。韓国、アメリカ、または日本のメディアを大量に所持しているのが見つかった場合が死刑、視聴が見つかった場合は15年の強制労働収容所となる。だが、外国の影響は避けられず、巧妙な密輸手口で、今も変わらず流入し続けているとも報じられている。脱北者の中には、韓国ドラマをみて脱北を決めたという人もいる。
北朝鮮研究大学のYang Moo-jin教授は、「Kポップや西の文化はすぐに若者世代に浸透し、北朝鮮には負の影響があるため、金氏は今後のために取り締まりを行っているのだろう」としている。
7月17日付韓国『The Korea Herald』は「金正恩はなぜミレニアム世代のKポップやスラングを取り締まるのか?」との見出しで以下のように報道している。
北朝鮮が若者世代の取り締まりという課題に直面している。ミレニアム世代又はチャンマダン世代と呼ばれる2,30代で1990年代の飢饉に育った若者世代が、資本主義や外国文化に触れるのを規制しなければ、北朝鮮の体制に綻びが生じ、政治危機に陥る危険があるとの懸念がある。スイスで教育を受けた37歳の金正恩氏こそ、その影響力をよく理解している。
飢饉の間には、闇市場を意味する「チャンマダン」が経済の中心となっていた。国民は公務傍ら、生計のため輸入品の食料やモノを売る2重生活をしていた。こうして闇市場に依存した生活をしていた80、90年代生まれの北朝鮮人はチャマダン世代と呼ばれる。彼らは人口の15%を占め、若いころから資本主義に触れ、親世代のように配給の列に並ぶ代わりに、食べものやモノを闇市で買ってきた。
韓国の国家情報院によると、配給のない経済不安の中に成長したこの層は、個人主義的でイデオロギーよりも拝金主義の傾向があり、概ね政治に関心がなく金正恩や体制への忠誠心に欠けるという。中国のコピー版で密かに韓国ドラマシリーズを見てKポップを聞いて育ち、煌びやかなTVドラマを通して南の生活を垣間見、北が教えられてきたような社会主義のパラダイスではないと確信を持ったのである。
昨年のソウル国立大学平和統一研究所(IPUS)による脱北者への調査によると、47.4%が、よく北で韓国ドラマ・映画を見ていたと回答。「1,2度だけ見た」は44%だった。
政府内でも世代交代が進む中、30代の金氏は同世代のイデオロギーに危機感を持っている。最近の閣僚交代で高官は40,50代が大半となり、企業のエリート層も若くなっている。北朝鮮はこの傾向を、経済に寄与する反面、権力に悪影響だと懸念している。
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