米シアトル「自治区」、犯罪が525%増で地元警察がデモ隊を排除(2020/07/03)
人種問題への抗議活動が拡大するなか、アメリカ西海岸のシアトルで抗議デモの参加者の一部が「自治区」を設置し、3週間余りにわたって集会を続けていた。しかし、犯罪の急増で治安が悪化し、地元警察がデモ隊を強制的に排除した。
『ロイター』によると、米国では、5月25日にミネソタ州で白人警官が黒人男性を死なせた事件を受けて様々な州で抗議活動が広がり、シアトルでも抗議デモの参加者と警察の衝突が続いた。
その後参加者の一部がバーや洋服店が並ぶおしゃれな地域の一部に、自治区を設置し、地元警察はその地区から完全撤退した。
しかし、お祭りのような雰囲気の中で政治演説を聞くために集まっていた何千人もの人々や、即興の保健所や食糧配給のテントは、そのうち姿を消していったという。...
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『ロイター』によると、米国では、5月25日にミネソタ州で白人警官が黒人男性を死なせた事件を受けて様々な州で抗議活動が広がり、シアトルでも抗議デモの参加者と警察の衝突が続いた。
その後参加者の一部がバーや洋服店が並ぶおしゃれな地域の一部に、自治区を設置し、地元警察はその地区から完全撤退した。
しかし、お祭りのような雰囲気の中で政治演説を聞くために集まっていた何千人もの人々や、即興の保健所や食糧配給のテントは、そのうち姿を消していったという。
カルメン・ベスト警察署長はプレスリリースで、自治区では4件の発砲事件のうち、2件は死者が出ており、他にも「窃盗、暴行、暴力、および無数の財産への攻撃」など、「自治区は無法と残虐行為の場になった」と指摘した。
シアトルのダーカン市長はこうした状況をうけて、集会を禁止し地元警察が自治区に赴いてデモ隊を強制的に排除した。
『ニューヨーク ポスト』によると、ダーカン市長は、自治区の設置後、6月2日から30日にかけて、犯罪行為の525パーセントという驚異的な増加が確認されたとして、デモ隊を排除する緊急命令を発令した。
同市長は、人に対する犯罪行為が22件、うち殺人が2件、強盗事件が6件に加重暴行事件が16件起きていたことを明らかにし、「自治区内とその周辺地域での活動が、公衆衛生、生命、安全を脅かすところまで悪化した」ため、地元に警察を戻すことを決定した。
『レクスプレス』によると、強制排除の際、解散の拒否や妨害、攻撃、刃物や金属パイプを含む武器の不法所持の疑いで、31人が逮捕されたという。
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カナダ、難民申請の厳格化へ(2019/04/11)
2017年初めに米国でドナルド・トランプが政権を握って以来、約4万人の亡命申請者が米国との国境を越えて違法にカナダに入国している。カナダ政府は8日、難民の受け入れを厳格化する方針を表明した。
『BBCニュース』によると、今回の難民申請法の改正により、カナダと移民情報を共有する協定を結んでいる、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどの国で亡命申請を却下された人々に対し、カナダも申請を却下することが可能になる。
そして申請を却下された者は今後、口頭審理を受ける権利がなくなる他、この決定に対して独立した裁判所に不服申し立てを起こすこともできなくなる。出身国での迫害の危険などを訴える「強制送還前のリスク評価(PRRA)」を申請することが可能だが、受け入れられる確率は3%程度でしかないという。...
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『BBCニュース』によると、今回の難民申請法の改正により、カナダと移民情報を共有する協定を結んでいる、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどの国で亡命申請を却下された人々に対し、カナダも申請を却下することが可能になる。
そして申請を却下された者は今後、口頭審理を受ける権利がなくなる他、この決定に対して独立した裁判所に不服申し立てを起こすこともできなくなる。出身国での迫害の危険などを訴える「強制送還前のリスク評価(PRRA)」を申請することが可能だが、受け入れられる確率は3%程度でしかないという。
『ル モンド』によると、トルドー首相はメディアインタビューで「私たちは、世界にはより多くの難民申請者がおり、より多くの移住が起こっている状況を認識している。」とコメントし、「カナダ人に対する私の約束は、我々の入国管理システムが確実に機能し、それが厳密に適用され続けていることを保証することだ」と加えた。
移民・難民・市民権大臣のアハメッド D.フッセン氏によると、この改正により、毎年1,000人以上の申請却下をもたらすはずだという。「その分野でしっかりした政策を持つオーストラリアのような国で難民申請することができたのであれば、どうしてカナダに次に難民申請ができるというのか。 それはショッピングをやっているのと同じであり、我々はそれには反対だ。 そして国連も反対している。」と同大臣は訴えっている。
一方『ニューヨーク ポスト』によると、カナダ新民主党(NDP)のジェニー・クワン氏は、カナダへの移住者が米国で難民申請が却下された後、カナダでの申請が許可されないことへの懸念を表明した。昨年米国の移民政策が改正され、家庭内暴力およびギャングによる暴力は米国に難民申請する根拠として対象外となった。そこから逃れようとした人々の行き場がなくなることが懸念される。
トルドー首相率いるリベラル派の政府は、米国からの移民の流入を誤って管理していると、保守派の野党から定期的に非難を受けている。10月の議会選挙を前に、この問題は、政治的な議論の場で重要な位置を占めるかもしれない。
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