新広報部長をスピード解雇(2017/08/01)
トランプ政権でまた記録更新。就任からわずか11日でトランプ政権のスカラムッチ広報部長が解任された。同氏が雑誌の取材でラインス・プリーバス元首席補佐官やスティーブ・バノン首席戦略官を罵倒したことに政権内で「不適切」だと解任要求が高まったことが要因とされる。プリーバス氏の後任ジョン・ケリー新首席補佐官は就任当日、最初の任務がスカラムッチ氏解雇だったという。
一方、金融業界出身のスカラムッチ氏をトランプ氏は未だ評価しており、別のポストも検討されているとも報道されている。広報部長解任のニュースを受け米ドルは対ユーロで約2年半ぶり安値となった。トランプ政権内の混乱と亀裂に重要法案や税制改革の行方にも懸念が高まっている。
7月31日付
『ロイター通信』は「波乱のホワイトハウス:トランプがスカラムッチ広報部長を解任」との見出しで以下のように報道している。
「ジョン・ケリー大統領首席補佐官の就任日、スカラムッチ広報部長は解任された。これはケリー新主席補佐官が政権内で規律を課す幅広い権限が与えられていると政権内に示す動きと見られている。
トランプ氏に近い共和党議員によると、週末大統領はスカラムッチ氏の処遇に関し補佐官らに相談。...
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7月31日付
『ロイター通信』は「波乱のホワイトハウス:トランプがスカラムッチ広報部長を解任」との見出しで以下のように報道している。
「ジョン・ケリー大統領首席補佐官の就任日、スカラムッチ広報部長は解任された。これはケリー新主席補佐官が政権内で規律を課す幅広い権限が与えられていると政権内に示す動きと見られている。
トランプ氏に近い共和党議員によると、週末大統領はスカラムッチ氏の処遇に関し補佐官らに相談。ほぼ全員が解任を進言したという。スカラムッチ氏は先週木曜発売の「ニューヨーカー」の記事内で、昨年の大統領選挙でトランプ氏のライバル候補へ献金後トランプ氏と親交を深めた経緯について述べたり、ラインス・プリーバス元首席補佐官やスティーブ・バノン首席戦略官を下品な言葉で罵倒した。
トランプ氏は週末の夕食時、ケリー氏も同席する中、ムニューシン財務相とロス商務相に政権人事交代を示唆したという。ケリー新首席補佐官は事務所にスカラムッチ氏を呼びその場で解任を告げたという。これがケリー氏の最初の補佐官としての任務となった。月曜夜トランプ氏は「ホワイトハウスでの素晴らしい一日だった!」とツイート。サンダース報道官によると、トランプの娘イヴァンカ氏や義理息子クシュナー氏を含め政権内すべての人がケリー主席補佐官への報告義務が課せられたという。
共和党内では政権内の亀裂が重要法案や税制改革に悪影響を及ぼすのではないかとの懸念がある。今週は政権内では相次ぐ医療保険法案可決失敗によりまた厳しい局面が続く。月曜のドルは対ユーロで約2年半ぶり安値に下落した。」
同日付米国『ニューヨーク・タイムズ』は「トランプがスカラムッチ広報部長を解任」との見出しで次の様に報道している。
「トランプ大統領は就任からわずか数日でスカラムッチ広報部長の解任を発表した。サンダース報道官は「スカラムッチ氏は、ジョン・ケリー主席補佐官が政権チームを一から再構成できるよう、広報部長職を辞する事を決定しました。彼の今後のご活躍を祈ります」と声明を発表。スパイザ―元報道官、プリーバス前主席補佐官に続く同氏の突然の解任劇は政権内の混乱を露呈するもの。解任発表の数時間後にトランプ氏はツイッターで「ホワイトハウスに混乱はない!」とわざわざ主張している。
ケリー氏の意見が解任には有効だったのはもちろんだが、解任に関連ある人々の話では、トランプ氏や家族が彼の失言にすぐに不快感を示したのだという。娘イヴァンカ氏と義理の息子クシュナー氏も同氏の解任を推した。
大統領に近い2人によると、最初トランプ氏はスカラムッチ氏の(プリーバスやバノンへの)辛らつな発言を賞賛していた。だが週末には、家族やケリー氏と話した後、同氏の発言を問題視し始めたのだという。
裏では「したたか」だと知られるスカラムッチ氏が政権内の別のポストに留まるかは定かでない。トランプ氏は今なおスカラムッチ氏を評価しているという。そして別の目だたないポストを与えることを検討しているとも言われるが降格を同氏が受け入れるかは不透明である。」
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米ニューヨーク市ネズミ駆除対策に3,200万ドル(2017/07/14)
ニューヨーク市は12日、2018年末までにネズミ(ラット)の数を70%削減するために3,200万ドル(約36億円)を投入すると発表した。新たな対策としてネズミの侵入できないゴミ箱の導入、収集に関する規制の強化等が挙げられている。地元ニューヨーク・タイムズの他、ロイター、AP通信等のメディアが報じた。
ラットは大型のネズミで多くの病気を媒介するため、人間の健康にとって難敵だ。ニューヨークで、路上に投棄されたゴミ袋の間を走り回り、夜には道路を速足で横断するネズミを見て気味が悪いと思った人も多いだろう。公園や地下鉄の線路脇などでもよく見かけることがある。見た目にも脅威であり、生活の質にも影響する。
今回の駆除の取り組みの対象地域は、ニューヨーク市の5つの行政区の内の3つ、マンハッタン島、ブロンクス、ブルックリンである。...
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ラットは大型のネズミで多くの病気を媒介するため、人間の健康にとって難敵だ。ニューヨークで、路上に投棄されたゴミ袋の間を走り回り、夜には道路を速足で横断するネズミを見て気味が悪いと思った人も多いだろう。公園や地下鉄の線路脇などでもよく見かけることがある。見た目にも脅威であり、生活の質にも影響する。
今回の駆除の取り組みの対象地域は、ニューヨーク市の5つの行政区の内の3つ、マンハッタン島、ブロンクス、ブルックリンである。他の2つの行政区であるクイーンズとスタッテン島は入っていない。マンハッタン地区では南部のチャイナタウン、イーストビレッジ、ローワー・イーストサイド、いずれも飲食店が多くゴミが大量に出る地域だ。ブロンクス地区ではグランドコンコース周辺、ブルックリン地区ではブッシュウィック、ベッドフォード・スタイベサンド周辺が対象地区で、既存の駆除計画に併せて行われる。
ニューヨーク市保健局には、ネズミに関する苦情が以前から多く寄せられてきた。2014年には12,600件であったが、2016年は17,200件に増加している。今年もこれまでネズミを見たという苦情が10,000件以上あり、検査を行ったマンハッタン、ブルックリン、ブロンクス地区の24,000以上の不動産物件の15%以上において、ネズミが活発な動きをしていることが確認されたという。「私はネズミが好きなニューヨーカーなど知らない。我々はネズミを、ニューヨーク市の通常の生活の一部として、受け入れることはできない。」とビル・デブラシオ市長は、その声明の中で述べた。
今回のネズミの駆除計画は9月に開始し、衛生、公園、保健等、市当局の多くの部門が関わることになる。予算の多くは公営住宅の建物の改良にあてられ、地下のゴミ置き場の土床をコンクリート製のものにしたり、今使われている20年使用のゴミ圧縮機を、郵便受けのような蓋の付いた太陽エネルギー使用の最新機に入れ替えたりする。また市内に置かれた金網状のゴミ箱を新しい鉄製のものに替える。こうしてネズミの侵入できない新しいゴミ圧縮機やゴミ箱の導入により、ネズミが餌にありつく可能性が大きく減ることになる。「ネズミを駆除する最も良い方法は、家庭ゴミや市街地に投棄されたゴミなどにより、食料をやらないことだ。」と市の衛生局長であるキャスリン・ガルシア氏が声明で述べた。
また、今は収集日前日の午後4時から当日の朝まで可能なゴミ出しの時間を短縮し、大きなビルでは収集直前のゴミ出しを徹底させるとともに、民間事業者による不法投棄に対する罰金を1,500ドル(約17万円)から5,000ドル(約56万円)に引き上げ、複数違反の罰金を最大20,000ドル(約230万円)に引き上げるなど、規制を強化する。さらに、米環境保護局(EPA)が最近認可した、巣にドライアイスを投入する最新の駆除方式も導入する。
ニューヨーク市は財政赤字対策のため、2010年にネズミやリスなどの動物対策用の予算を150万ドル(約1億7,000万円)削減したが、4年後の2014年に行われたコロンビア大学の調査によって、同市の人口約800万に対し、ネズミの数が200万もいることがわかり、保健当局が350万ドル(約4億円)をかけてネズミ駆除の対策に本腰を入れ始めた。しかしながらネズミはなかなか撃退できず、今年の2月にブロンクス地区で、ネズミが媒介した病気により1名が死亡、2名が重症となったこともあり、さらなる徹底的な対策が求められていた。
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