イスラム過激派組織イスラミックステート(IS)が、全世界でソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)を駆使して、戦闘員や花嫁、また寄付を呼び掛けていることは何度か報じた。そして、直近でも米国や豪州で、急進的支援者を募る動きを続けていると米・豪メディアが警鐘を鳴らしている。
10月14日付
『AP通信』(米国)は、「FBI長官、ISが全米50州で一日24時間リクルーティングと非難」との見出しで、「米連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コーミー長官(55歳)は10月14日、ISが全米50州でSNSを駆使してテロリストの求人活動を行っていると明かした。ツイッターやその他SNSを使い、数百人のイスラム信奉者に対して、ISに戦闘員として参加するか、あるいは自国でのテロ活動を実行するよう示唆しているという。FBIは、ISの求めに呼応する疑いのある市民には、万一容疑が確定すると長期間の拘置所暮しが待っているので、遊び心でも不埒な考えは止めるよう注意喚起している。」と報じた。
一方、同日付
『ワシントン・ポスト』紙(米国、
『AP通信』記事引用)は、「豪州警察、12歳少年をテロ容疑で取り調べ」との見出しで、「豪連邦警察庁のアンドリュー・コービン長官は10月14日、豪州テレビのインタビューに答えて、直近12ヵ月でテロ容疑者の年齢は更に若くなっており、目下12歳の少年を同容疑で取り調べていることを明かした。同長官は、マルコム・ターンブル首相(60歳)が首都キャンベラで10月15日に開くと招集した、連邦・州警察テロ対策緊急会議に出席する予定である。同緊急会議は、10月2日に発生した、15歳の少年によるシドニー警察本部の警察職員射殺事件を踏まえて招集された。」とし、「現地
『ABCニュース』報道によると、豪州当局が今年3月に裁判所に提出した、18人の若年容疑者リストの中で、12歳の少年は最も年少だという。」と伝えた。
また、10月15日付
『ニュース・コム・オーストラリア』オンラインニュース(豪州)は、「豪州国内でテロ脅威が増殖」との見出しで、「ターンブル首相は、10月15日に招集した、連邦・州警察及び安全保障担当トップによるテロ対策緊急会議開催に当り、テロ対策を有効に取進めるためには、イスラム教徒コミュニティの協力が不可欠だと口火を切った。しかし、マイケル・キーナン法務兼テロ対策担当相(43歳)によると、同会議にはイスラム教徒代表は誰も参加していないという。一方、ジョージ・ブランディス司法長官(48歳)は昨日、テロ対策法強化の一環で、テロ容疑者監視対象をこれまでの16歳から14歳に引き下げる措置を講じたとするが、先の報道で、12歳の少年が捜査対象になったことに驚愕している。」と報じた。
なお、肝心のISであるが、ロシアによるシリアでの軍事介入に反発し、イスラム教徒や戦闘員に対して、ロシアに対するジハード(聖戦)を実行するよう呼びかけた。IS報道担当によると、ネット上での声明で、ロシアと米国を“十字軍”と見立て、イスラム教徒はどこにいようとも、ロシアと米国にジハードを行うよう求めている。
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