ロシア政府;米アクション俳優を米ロ間人的・文化交流促進のための特使に任命【米・英国・ロシアメディア】
米ロ関係は、トランプ・プーチン両大統領の個人的な友好関係を除いて、双方の外交官追放合戦、米による経済制裁、ロシアによる米大統領選不当介入容疑等々、厳しい状況にある。そうした中、大統領再選後半年も経たないうちに支持率急落に喘ぐプーチン大統領は、重要課題である経済立て直しのため、米経済制裁緩和が必須とばかり、まずは人的・文化的交流を盛んにすべく、米アクション俳優を特使に任命した。
8月4日付米
『ブライトバート』オンラインニュース:「ロシア政府、米俳優スティーブン・セガール氏を米国との人的交流特使に任命」
ロシア外務省は8月4日、米俳優スティーブン・セガール氏(66歳、注後記)を人的・文化・芸術・青年他の交流を図る特使に任命したと発表した。
ロシア国営『タス通信』によると、セガール氏はこの決定に対し、“大変光栄”だとして、米ロ関係改善のために全力を尽くすと語ったという。...
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8月4日付米
『ブライトバート』オンラインニュース:「ロシア政府、米俳優スティーブン・セガール氏を米国との人的交流特使に任命」
ロシア外務省は8月4日、米俳優スティーブン・セガール氏(66歳、注後記)を人的・文化・芸術・青年他の交流を図る特使に任命したと発表した。
ロシア国営『タス通信』によると、セガール氏はこの決定に対し、“大変光栄”だとして、米ロ関係改善のために全力を尽くすと語ったという。
同氏は2016年、ロシア政府からロシア国籍を取得しており、その際ウラジーミル・プーチン大統領自ら同氏にロシア・パスポートを手渡している。
ロシア大統領府のドミートリィ・ペスコフ報道官は、同氏が有名な俳優であるだけでなく、ロシアへの友愛を示していることがロシア国籍付与の理由だとしている。
なお、セガール氏は昨年、クリミア半島でのコンサートに参加したことから、ウクライナ政府より、今後5年間の入国禁止措置を受けている。
8月5日付英『デイリィ・メール・オンライン』(『AP通信及びロイター通信』配信):「ロシア政府、米アクション俳優のスティーブン・セガール氏を米特使に任命」
セガール氏は2016年、ロシア政府よりロシア国籍を付与されているが、それ以前の2014年のクリミア併合時にはプーチン大統領の政策を支持していて、ロシアもしばしば訪問していた。
ロシア外務省の発表では、セガール氏には国連親善大使として米ロ間交流発展に寄与してもらう意向だが、報酬はないとする。
なお、セガール氏が出演したハリウッドのアクション映画のロシア人ファンは多く、プーチン大統領もファンの一人だと公言している。
8月4日付ロシア『タス通信』:「スティーブン・セガール氏、ロシア外務省より対米人的交流特使に任命される」
ロシア外務省が8月4日に『フェイスブック』上で発表したものだが、セガール氏は米ロ間人的交流促進等に寄与してもらうことになるとする。
ただ、国連親善大使としての公職が与えられるものの、報酬はないという。
米国生まれの同氏には、2016年11月にロシア国籍が与えられているが、それ以前より同氏のロシアへの友愛が強く、ロシアに何度も訪問している。
(注)スティーブン・セガール:米アクション俳優、また、テキサス州ハズペス郡保安官。10代のときに日本武道・中国武術を学びに来日し、20代で日本女性と結婚。30代で帰国し、ハリウッド映画デビュー。40代で「沈黙シリーズ」に主演してブレーク。2016年、ロシア大統領令でロシア国籍取得。
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中国;習近平指導部が推進する“一帯一路経済圏構想”を批判する大学教授を幽閉【米・英国メディア】
中国の人権問題は、習近平(シー・チンピン)国家主席体制になってから、益々厳しいものになっている。チベットやウィグル自治区での少数民族弾圧から、体制批判を叫ぶ弁護士等の拘束まで、国際社会が懸念を抱くところ大である。そして直近でも、習指導部が重要施策の一つと掲げる“一帯一路経済圏構想(OBOR)”に対して批判をするなどもっての外とばかりに、ラジオ・インタビュー中の大学教授が公安によって拉致され、連絡が取れない状況になっている。
8月3日付米
『AP通信』:「中国の大学教授、ラジオ・インタビュー中に拉致され行方不明」
中国政府を批判することで知られている済南市(チーナン、山東省)の老大学教授が、8月1日に米国営ラジオ『ボイス・オブ・アメリカ(VOA)』の電話インタビュー中、自宅に押し入ってきた公安に連行された。
山東大の孫文広(ソン・ウェンカン、84歳)元教授で、電話インタビューが切断される直前、“自分には言論の自由がある”と叫んでいた。...
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8月3日付米
『AP通信』:「中国の大学教授、ラジオ・インタビュー中に拉致され行方不明」
中国政府を批判することで知られている済南市(チーナン、山東省)の老大学教授が、8月1日に米国営ラジオ『ボイス・オブ・アメリカ(VOA)』の電話インタビュー中、自宅に押し入ってきた公安に連行された。
山東大の孫文広(ソン・ウェンカン、84歳)元教授で、電話インタビューが切断される直前、“自分には言論の自由がある”と叫んでいた。
『VOA』によると、8月3日もコンタクトしたが同氏と連絡が付かないという。事情通の話では、済南市内の中国軍運営のホテルに軟禁されているという。
同氏は以前から中国指導部を批判していて、特に最近では、多くの国民が貧困に喘いでいるのに、OBOR政策推進のために1兆ドル(約110兆円)余りも他国にバラ撒いていると非難していた。
なお同氏は、2010年にノーベル平和賞を受賞し、昨年獄中死した劉曉波氏(リウ・シャオボー、61歳没)とともに、「08憲章(注後記)」を作成・発表している。
同日付英『デイリィ・メール・オンライン』(『AFP通信』配信):「中国の批評家、メディア・インタビューの生放送中に連行」
孫教授は先月、習国家主席のアフリカ訪問に合せて、アフリカ諸国に対するバラ撒き外交を批判する公開書簡を発表していた。
同氏は『VOA』のインタビューの中でも、貧困層の救済に使わず、アフリカに金をバラ撒いて浪費することは、中国のために全く有益ではないと訴えていた。
『AFP通信』も同氏の携帯電話等にコンタクトしているが、全く繋がらない状況である。
また、済南市公安局や山東大の広報部に連絡を入れているが、一切応答しない。
(注)「08憲章」:2008年12月9日に、中国の作家劉暁波ら303名が連名でインターネット上で発表した宣言文。中国の政治・社会体制について、中国共産党の一党独裁の終結、三権分立、民主化推進、人権状況の改善などを求めている。
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